「フンッ!!」
「ヌンッ!!」
デスガロンの振るう高出力エネルギーを帯びた右のパンチをドクトル・バタフライは金色の
信頼しているし、信用している。
しかし、私の知っているドクトル・バタフライは自由気ままで私や他の転生者の身の安全を優先し、三度も私の命を助けてくれた優しくお茶目なお友達です。
そのお友達が初めて本気で戦っている姿に私は彼のお友達を自認している筈なのに、怖いと思ってしまった。でも、それ以上に金の蝶羽の揺蕩う背中に綺麗だと見惚れ、ただただ見つめてしまう。
「───流石は最強のホムンクルスだ。俺の拳と衝突して無事だったのは南光太郎だけだったんだがな。まさか力負けするとは予想外だった」
「何、ちょっと欠損覚悟で殴っただけさ。見たまえよ、私の右腕はグチャグチャになっているだろう?全く馬鹿力と喧嘩するのは本当に不本意だ」
そう言うとドクトル・バタフライは砕けていた右手を軽く上に持ち上げ、腕に纏わり付いていた血を振り払う。すると、グチャグチャになって砕けていた筈の腕が元通りになる。
ホムンクルスの修復は時間経過だと聞いていましたけど。やっぱり自分の身体を使って色々と調べていますね、流石はドクトル・バタフライです。
「おいおい。俺より怪人染みてねえか?」
「HAHAHA。人間の範疇を超えた者は総じて怪人超人奇人の類いだ。しかし、私は蝶・超人というヤツでね。既に君を倒す作戦と手段を七つほど思い付いた」
「はあ!?7個も!?」
「マジかよ、オッサン!」
「……ブラフ、じゃねえな。アンタみてえなタイプと戦るなら死ぬ気じゃなきゃ務まりそうにない。───だからこそ、俺はその作戦を踏み越える!」
「ドクトル!」
突如、ほぼ無動作に感じるほど素早く背中のパーツを着脱し、ブーメランのように投擲するデスガロンの動きに私は彼の名前を叫んでしまう。
「糸色君、心配は嬉しく思うがね。少々君も私の事を過小評価しているようだ」
そう不満げに呟き、私を見つめながらドクトル・バタフライは飛来するブーメランを半歩ずれるだけで躱し、無数の金色の蝶が彼の周りを舞う。
「すでにご存知だろうが紹介しよう。私の武装錬金『バタフライエフェクト』は
にこやかにドクトル・バタフライがデスガロンに答えた瞬間、彼のブーメランは溶解した。飽和。蒸気圧がどうのという話や物を溶かす状態ということは知っているけど。
私の頭や心肺にそれを?
「おい、なんか後ろで糸色景が真っ青になってるぞ?」
「実は彼女の主治医は私なんだ。そして、手術に武装錬金を使った事を伝えている。まあ、心配するような事は起こっていないが」
それでもっ、怖いんです!