光写真館に戻る一行を見送り、無事に誰も大怪我を負わずに生きている事に、ほうっと安堵の吐息を吐く私に手を振るしとりが見える。
「佳さん、しとりはウチの子ですよ!」
「ん!けーちゃん、おろしてね!」
「ダメか、しとり?」
「ん!」
「そうか」
すごく残念そうにしとりを返してくれた佳さんに安堵するものの、やっぱり子供を連れていこうとするのは悪いことなので注意をする。
なぜか微笑ましいものを見るように、彼女は私を見下ろしながら「いや、私の父と同じように怒るのが面白くてな」と注意されているのに、佳さんはクスクスと楽しそうに笑っています。
「じゃあ、また会おうな」
「またね!」
「ばいばい」
ヒラヒラと左之助さんに抱っこされたまま、しとりとひとえは佳さんに手を振ってお別れの挨拶をするけれど。それを受けている佳さんはすごく名残惜しそうに、しとりとひとえの姉妹を見つめる。
「そういえば、お婆ちゃんに渡すものがあるんだ」
「私に?」
思わず、聞き返してしまう。
「手製のものじゃないが、これだ」
そう言うと当たり前のように佳さんは腰を小さなゼクターを差し出してきた。……これは、カブティックゼクターの一種なのは分かりますけど、何故こうも青色に変色しているのでしょうか?
不思議に思いながらも左之助さんにカブティックゼクターをお預けしたら、飛び立ってしまった。あれはヘラクレスリッキーブルーというやつだったのかな。
「……また帰ってくるでしょう」
「むしさん、ばいばい」
「ひーちゃん、あいさつえらいねぇ」
「んへへぇ」
しとりに褒めて貰えて嬉しそうなひとえを連れて、私達も家の中に戻る。怪人の襲撃や侵入はモヂカラで防げるかもしれないけど。
やっぱり不安になります。
「未来の子供も元気そうで良かったですね」
「そうだな。しかし、オレ達の子供が百何年も続いているってのは感慨深いものがある」
「フフ、そうですねえ」
「だが、しとりとひとえに恋仲はまだ早い。いっそのこと剣心と話して、仮の許嫁にして虫除けにするか?いや、剣路も信用できねえからな」
「もう、何言ってるんですか。ねえ?」
「ん!しとりはけんちゃんすきだよ」
しとりがそう言うと左之助さんが崩れかけた。
そこまでダメージを受けるぐらい私の娘達を愛してくれているのは嬉しいですけど。抱っこしているときに倒れそうになるのは危ない。
もうちょっとだけ我慢してくださいね。
……まあ、私もしとりとひとえの姉妹がお嫁に行ってしまうのは寂しいけれど。いつかは私のように素敵な人に出会えるはずです。