某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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機械の生き物 序

我が家のお庭に有るお池を泳ぐ烏賊折神と舵木折神、庭の木に止まっているカブティックゼクター(おそらくヘラクレスオオカブト種)を見つめる。

 

猛狒折神や猩々折神も加わり、何とも賑やかな機械の動物園になっているお庭で、しとりとひとえは楽しそうに餌やりをしています。

 

餌と言っても普通の穀物や食物ではなく『力』を初めとした個々の特性に因んだモヂカラを二人は与えているのですが、私ばかり餌やりをしていたから、ものすごく不満げだったんですよね。

 

私としてはモヂカラを教えるのは読み書きや算術のお勉強にもなるので構わないけれど。二人とも餌やりに夢中になりすぎて、気力を使い果たさないのかが、私はとても心配です。

 

「ん!いかちゃんにげた!」

 

「かじちゃん、ん!ん!」

 

「あらぁ……お腹いっぱいになったんですね」

 

モヂカラをもっと使おうとする二人の持つショドウフォンの筆部分を受け取りつつ、そう教えてあげる。折神も一日に蓄える量は決まっていて、過剰にモヂカラを込めるとお互いに与えるパワーバランスを崩してしまう。

 

そうなれば変形は難しくなる。

 

「母者、人影が見える」

 

「個魔の方、何故軒下から?」

 

「妖怪が居たから注意してた」

 

軒下に妖怪?と首を傾げながら、しとりとひとえを見ると笑顔で私を見上げている。成る程、軒下にいるという妖怪は二人が拾ってきたんですね。

 

全く先住民のドンや親分、ボスが聞いたら悲しみ……いえ、三びきとも懐の大きさは凄いですから怒ることもせず、当たり前のように受け入れそうですね。

 

フスと鼻を鳴らすドンの顔は勇ましく、やはり普通のクズリより大きく賢い子ですね。……しかし、軒下に居座られるのは困りました。

 

せめてお家の中に居てくれれば良いのに。

 

「どの様な妖怪なんですか?」

 

「おわんさん!」

 

「おちゃわんさん!」

 

「付喪神の一種だろうね。古道具屋の場所で嬢ちゃんを気に入ったんで憑いてきたんだ」

 

しとりは本当に妖怪に好かれやすいわねぇ。

 

それにしても、お茶碗の付喪神となると影茶碗でしょうか?危ないことから守ってくれる妖怪ですが、我が家は危ないことになるとは思え……なくもないですね。

 

「個魔の方、捕まえられますか?」

 

「捕まえるよ、母者の頼みなら」

 

そう言うと個魔の方は影を拡げて潜ると、すぐに足の生えたお茶碗を捕まえてきた。やっぱり欠けていますね、これぐらいなら金継ぎで直せるけど。

 

「あなたのこと直しても良い?」

 

手の中に座る影茶碗に問えば、コクリと頷いてくれた。フフ、しとりとひとえにもお茶碗の直し方は教えておいてあげましょう。

 

 

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