影茶碗の金継ぎを終えて、トタトタと家の中を走り回る彼を追いかけてしとりとひとえも家の中を歩き始める。その後ろを個魔の方、ドンや親分、ボスまでついていき、なんだか百鬼夜行が起こっている。
可愛いので、良いですけど。
他の人が見たらビックリしますね。多分、事情を知らなかったら私は卒倒して、怖くて悲鳴をあげているかもしれません。それにしても、妖怪を従えるしとりはぬらりひょんのように見える。
のらりくらりと楽しそうに笑う姿は可愛いです。ひとえもお姉ちゃんを真似して、一緒に追いかけているのもとても可愛いのです。
ソーキュートです。
「景、なんで家ん中で走ってるんだ?」
「あ、おかえりなさい。左之助さん」
「ん。ただいま」
顔を近付けてくる左之助さんの口許に手を添える、そういうのは人前でするものではありません。そもそも左之助さんは落ち着きを持った方がよろしいのです。
まあ、好いて愛してもらえるのは幸せです。
しかし、私の事を好きすぎます。
嬉しいですけど、ちょっと最近変です。
「左之助さん、何か貰ったりしました?」
「何も貰ってねえぞ?」
「……そうですか」
やっぱり男前だから怪しい。愛情の高まりがすごくて何だか申し訳ない。いえ、いえ、愛して貰えるのに怪しむのはダメです。
「母様、うなってるね」
「かーしゃま、うなっちぇうね」
「そういう時期なんだろう」
「個魔の方、それだと定期的に私が唸ったり悩んだりしているように聞こえるんですが?(まあ、事実ですから何も文句や反論は言えませんが)」
「オレにも分かるように話してくれ」
不満そうな左之助さんが私の腰を抱き上げ、そのまま座りながら抱き込んでくる。しとりとひとえを手招きして、二人を私のお膝の上に乗せてあげる。
「ねーしゃま、おもい?」
「ん!ひーちゃんかるい!」
「二人ともすくすく育っていますねえ」
「……お前らちゃんと食ってるよな?なんでこんなに軽いんだ?もっと肉を増やすか?いや、景はこれでも食う量は増えてるしな……」
心配して貰えるのは嬉しいですけど。
体重の事を言うのはダメです。
いえ、二度のお産を経験して増えている自信はあるけれど。やっぱり、どうにも体力も付かず、少し肥えただけの気がする。
「母者は小柄だから余計に軽いんだよ」
そう、なのかしら?と首を傾げながら自分の身体を触るけど。よくわからない。どうしたら、健康的な体重になるのかな。
左之助さんが言うように、もっと食べた方が良いのかも知れないけど。やっぱり食べすぎるのは逆に身体に悪いように思える。