私とドクトル・バタフライの片付けた書類と子供を奥さんの待つ家に持って帰った不破信二は戻ってくるなり、真っ黒なタイツにコンドルのエンブレムバックルを巻いた人達を連れて来ました。
どこからどう見ても、ショッカー戦闘員ですね。
そう感心する私の前に左之助さん達が動き、我が家のお庭に侵入しようとしたショッカー戦闘員達は塀を飛び下りたその時、モヂカラによって吹き飛んだ。
悪意ある対人対物は侵入出来ないようにしているので、ショッカーみたいに悪巧みしている人達はそもそも我が家の敷地に入ることは出来ません。
「なんだ。こいつら?」
「ショッカーだ!」
歓喜の雄叫びを上げる不破信二に視線を向けると、ワナワナと身体を震わせながら「昔の事を思い出すぜ、俺も仮面ライダーに憧れた」と嬉しそうに喋り、塀に登ったショッカー戦闘員を殴り倒す。
不破信二の思わぬ秘密ですね。
やっぱり男の子は仮面ライダーやヒーローが大好きなんでしょうね。私も好きですけど、あそこまで熱量があるかと問われればそこそこです。
「景、アイツらは敵で良いのか?」
「はい。加減なしで大丈夫です」
そう言って『鏡面世界』の門を開いて、ショッカー戦闘員達と左之助さん達を鏡の中に送り届け、鏡台越しに戦っている左之助さん達の事を見つめる。
「蛮竜は相変わらず謎が多いね」
「そうですか?」
「うむ、戦骨が離れて尚も強さを増している。彼の霊魂は今は牙鬼軍団の元にあるのは知っているが妖怪化したら大変な事になりそうだ」
そんな恐ろしいことが起こったら妖怪達も人間達もとても恐ろしい目に遭うんじゃ?と戸惑いつつ、早計だったかと過去の出来事を思い返す。
でも、もう未来の出来事ですから私にはどうすることも出来ません。牙鬼軍団が返しに来てくれたら普通に終わるのですが、戦骨は最強ですから。
「左之助さん、久しぶりに本気で戦えて楽しそうです。やっぱり会社を経営するより、こちらのほうが楽しいのでしょうか?」
「個人的な概見になるが、左之助君はどちらも楽しんでいると思うよ。君と一緒に過ごせるから幸せになれると理解している」
「そ、そうですか?」
「君はもう少し自己肯定感を鍛えたほうが良いのかも知れないね。あまり自分を下に置いて物事を考えすぎるのは悪いことだ」
分かっては、いるんですけど。
どうしても戦える転生者の人を羨んでしまうし、この弱い身体を左之助さんに押し付けているようにも思えて、申し訳ない気持ちになってしまうんです。