「ああ、此方です。園田君」
「まさか先生のところに来てるとは…」
ヒラヒラと小さく手を振って棒を持ったまま走ってくる園田君を出迎えるなり気を失っている蜘蛛男に溜め息をこぼしながら、糸まみれの彼を掴んだ。
「一応、仲間ではあるんですけど。彼、破壊者……じゃなくて楯敷ツカサに勧誘を受けているんです。針が刺さってたりしたら彼の意思じゃないんです。許してあげてもらえませんか」
「……はい、許します。でも園田君からも注意してあげて下さいね?楯敷君に狙われているなら、彼も戦力に変えられる可能性もありますから」
「………………変態ですよ、これ?」
そう苦笑を浮かべる園田君から顔を逸らすと不破信二が「誰だ、コイツ?」と彼の事を指差す。大人なんですから、人を指差しちゃダメですよ。
子供が真似したら大変です。
「此方、並行世界の園田君です」
「へいこうせかい」
「此方、四百年不敗の不破さんです」
「四百年不敗!?」
流石に驚きますよね。
私も苦笑を浮かべながら顔を見合わせる不破信二と園田君にこれからどうしようかと考えつつ、蜘蛛男を連れ帰る園田君を見送る。
きっと向こうでも大変なのに私が原因の出来事に巻き込んでしまい、本当に申し訳無いです。それにしても、不破信二が勝負を仕掛けないのは珍しい。
なにかあるのかしら。
蜘蛛男を連れていく園田君を見送る。
やっぱり向こうの私もいろいろと枚変なんでしょうね。しかし、本当に向こうが『仮面ライダー』だった場合、私達のところより大変ですね。
世界平和も大事ですけど。
私は大好きな家族を選んでしまうし、そうなると普通に考える。
「景、どうするんだ?」
「そういうときもあるんですよ。左之助さんは先ずは脱出する方法を考えましょうか」
しかし、不破信二にひみつ道具は効かないと思っていたんですけど。『鏡面世界』に出入り出来た理由は、おそらくモヂカラの効果ですね。
ひみつ道具ではなくモヂカラで門を開いたから、彼は鏡の中の世界に出入るすることが出来た。まあ、そもそも一人ずつ順番に動けば良いだけで、我先にと横着しなければ良いのです。
「あ、出れた」
「蛮竜も無事だな」
「ん!がんばった!」
フンスと可愛らしく胸を張るしとりと彼女を真似するひとえの頭を優しく撫でてあげる。ありがとうございます、二人のおかげでお父さんも不破信二も怪我しませんでした。二人ともお手柄です。
「かーしゃま、ほめて!」
「フフ、ひとえは偉いですね♪︎」
「んへへぇ…」
かわいいです。ソーキュートです。