第十何回目なのかも分からない祝勝会で沢山のお酒を飲み干す左之助さんの健康に不安を感じたり、たまにやって来る斎藤一と緋村剣心の三十路手前の焼き肉バトルに焦ったりしているものの平和な日常を過ごしている。
「お姉ちゃん、ワイもお茶ね」
「はいは……え?」
「あん?」
「久しぶりね、糸色ちゃん」
ごく当たり前のように祝勝会に混ざっている沢下条張に驚きながら、その目の前に座っている本条さんにも更に驚いて左之助さん達に振り返ると、斎藤一の「お前とソイツらを同時に監視するためだ」と言われ、大逆の敵と同列に扱われている事実にショックを受ける。
……いや、新造兵器の件を追求しようとせず、わざと軽口を叩くように言ってくれるのは斎藤一なりに私の印象を良くしてくれているのかな。
そうだったら、嬉しいな。
「テメェはホウキ頭!?」
「ギャーギャー喚かんでも聞こえとるわ。ったく、今のワイはお客さんやさかい、そこで睨みおうとる斎藤の部下になったから悪さはしとらんで」
わあ、コテコテな関西弁だぁ…!
この前は独房だったから怖くて半分以上は左之助さんの後ろに隠れてたから、余り沢下条張と話した記憶も残っていないから、何だか新鮮に感じる。
そこから口論になりながらも残りの十本刀の近況を話し始めた彼の話を私達は聞きつつ、やっぱり瀬田宗次郎は捕まっていないのかと何処か納得してしまう。
「本条さんは、その…」
「志々雄様の最後に付き添えなかったのは悲しいけど。あの人の傍には由実も方治もいるもの、きっと今頃は地獄で国盗りしているんじゃないかしら?」
「…………」
その可能性というか「るろうに剣心」の作中で、あの三人は本当に地獄で閻魔様を相手に国盗りを目論み、そのまま行動に移していたから否定できない。
「と・こ・ろ・でぇ……糸色ちゃんの好いている人っていうのは彼処で張と言い争ってる鉢巻の男よね?」
「えっ、えぇ、そうですね」
「フフ、ウフフフ、やっぱり糸色ちゃんも私と同じで悪っぽい男が好きなのね。まあ、志々雄様の強さと凛々しさには敵わないだろうけど」
「ムッ。いくら本条さんでもその言葉は聞き捨てなりませんね、左之助さんは志々雄真実より絶対に格好良いですよ!」
本条さんの挑発じみた言葉にムッとしてしまい、柄にもなく彼女に言い返しながら、如何に左之助さんがカッコいい人なのかを語れば、本条さんも対抗して志々雄真実の良いところを語り始める。
「糸色さん、糸色さん」
「なんですか?今良いところで…あっ…」
神谷さんに肩を叩かれて後ろに振り返ると照れ臭そうに頬を掻く左之助さん、ニヤニヤと微笑んだ巻町さんと神谷さん、更には微笑ましいものを見るように私を見つめる人達の存在に気づき、真っ赤に顔が染まるほどに熱くなる。
は、謀りましたね、本条さん…!