「ラァッ!」
ジョーカーアンデッドの驚異的な身体能力を活かし、両手の鎌を斜め十字に振り抜き、剥き出しの牙がドクトル・バタフライの首を狙う。
ガキンと牙を打ち鳴らし、束ねて高質化したチャフを噛み砕く姿に恐怖を抱く。彼が負けたら、私はあれに襲われてしまうの?
「全く
「ンガッ……ぐっ、痛てえじゃねえか!」
然も当たり前のようにドクトル・バタフライは連続で噛みつき攻撃を繰り返すジョーカーアンデッドの横顔に掌打を打って関節を緩めて外した。
流石はホムンクルスに華麗なる変態を遂げるため、あらゆる学問を学んでいるドクトル・バタフライですけど。今の動きは医学的に言えば指圧に近い。
「ありゃあ按摩術の一種だな。チャフの起こす電磁波で咬筋を解して緩め、その一瞬の最中に掌打に見える掌圧で関節を外したわけだ」
「……信二、急に何言ってるの?」
「何ってバトル漫画にありがちな解説だが?二人とも武術武道は知ってても我流使いと素人だからな、分かりやすく教える必要もある」
そう言っている不破信二はとても不満そうにドクトル・バタフライと仮面ライダーダークディケイドに戻った楯敷君の事を見つめている。
「要はマッサージ拳って訳だろ?そんなふざけた技は装甲を纏えば何も問題はない」
「うむ、確かに信二君にやる気を出させるために即興でやってみたが性に合わないね。やはり私は依然としてホムンクルスだ」
「なに?」
「不死身の強さを侮ったのだ。爆ぜよ」
お髭を触ってドクトル・バタフライが宣言したその時、ダークディケイドの周りを飛んでいた金色の蝶が溶解し、光を発して吹き飛ぶ。
……おそらく視覚情報に訴えかけて幻覚を見せているのでしょうが、私みたいに変わった目を持っている人には通じないタイプの技ですね。
「発光しただけか?」
「この一瞬が欲しかったんだ。感謝するよ」
顔を守っていた楯敷君のバックルに手を翳し、チャフを叩きつけるドクトル・バタフライの動きにススハムは「真っ直ぐ移動するのは蛾でしょう」と呆れ、不破信二は「おお、お?ん?」とまだ理解できていません。
あとで教えてあげますね。
「……変身の強制解除か?」
「生身のまま戦うのは得策ではないと思うが?」
「んにゃ、手段はあるさ」
まだ、戦うつもりなの?