某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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糸色検診 急

ドクトル・バタフライの用意してくれた気功健康法の巻き物を読んでいると分かったのは未来の物語で言うところの無差別格闘流の「八宝円殺」の闘気吸引体質に酷似していることです。

 

ただ、私の場合は吸引できる総量は十割中二割だそうです。左之助さんは肉体強度も相俟って、人間十人分の総量を蓄えておけるみたいです。

 

私の夫は基本的に器の大きい人だ。

 

「左之助さん、もう大丈夫ですよ」

 

「そうか?」

 

「はい。肩は凝っていませんから」

 

巻き物に載っている施術を少しずつ試しているけれど。劇的に体調を治したり回復したりする事はない。まだ初めて三日目で、効果が現れるわけもない。

 

本当に効いているのか怪しいけど。

 

「らんま1/2」では効いていたものですから、私の身体にも一応効果は出るのでしょう。ただ、五円硬貨や五十円硬貨の存在しない明治時代にどうすれば?

 

そう静かに考えながら昔の通過を思い出す。

 

「(こういうときに必要な知識だけを教えてくれる『前世の記憶の保持』は役に立つけど。製造法や使用法は送り込まなくていいから)」

 

ズキズキと痛む頭を軽く押さえながら寛永通宝を何枚か古道具屋で購入しようかと思ったものの、武器になりそうなものは怖いから止める。

 

つり銭返し。

 

吸引体質になったら使える可能性もあるけど、あんなに一気に闘気を放出したら、きっと私は干からびた干物のようにしわくちゃのお婆ちゃんになります。

 

「景、また考え事か?」

 

「少し不安なんです。このまま続けて大丈夫なのかな?とばかり考えてしまって」

 

左之助さんに何十回目かも分からない弱音を呟きつつ、私の事を見つめる彼の目を見る。いつもと変わらない私だけを見る目が少しだけ濁る。

 

邪念が私に向いている。

 

「……左之助さん、チョーカーを触らないで下さい」

 

いきなり首に手を置いてきた左之助さんに驚き、すすっと首元を守りながら、しとりとひとえを前に座らせて警戒する。

 

「いや、無性に噛みたくなった」

 

「吸血鬼ですか、左之助さんは」

 

「きゅうけ?」

 

「吸血鬼。血を吸う鬼です」

 

日本にはいないですけど。

 

昭和や平成の時代になったら増えるんじゃないですかね。地獄の鍵がありますから『ゲゲゲの鬼太郎』とも繋がっていますし。

 

きっと、そのときの私達の子供も大変な目に会うんでしょうが無事に乗り越えてくれると信じるしか明治時代を生きる私達は出来ないです。

 

そのときもまた我が家に来るのかな?

 

それとも来ないのでしょうか。いつか人になれた白面の者とも話してみたい気持ちもあるけれど。

 

 

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