少し雲の多いお昼下がり。ドンと親分、ボスの近くでスヤスヤとお昼寝している姉妹にブランケットを被せてあげ、私は商家脇に建つ倉の中を整理しています。
姿お兄様の送ってきたプレシャス関連は『封』のモヂカラで力を弱めつつ、しっかりと管理できる位置に置き、絶対に開けることが出来ないようにお札を貼る。
「左之助さんは色々と見ますし。こういうものは隠すのも難しいですからね」
隠しているつもりはないんですけど。
こういう曰く付きの代物を大切な家族が触って危ない目に合うところは見たくないですし、左之助さんは悪い道具に頼ったりする人でもありません。
……しかし、姿お兄様の送ってきたプレシャスは随分と多い。私の非力な身体で運べるものは何とか頑張りましたけど。私だけだったら何年掛かるのかしら?
そう思いながらも古びた小箱を開けるとあからさまに怪しい道具を見つけ、そうっと小箱の蓋を閉じる。まず、どうしてプレシャスに混じっているのかも気になりますけど。
おそらくドクトル・バタフライが悪戯か愉快な目的で世界各地に置いているとも考えられるけど。彼は理知的な人だからこういう行為はしない。
そうなると、もっと昔になるのでしょうね。
戦骨の生きていた時代に他の転生者が居なかったという考えていましたけど。「彼」も同じ時代に生きていた妖怪ですから、ひょっとしたらドクトル・バタフライのようにコミュニティーを作っている可能性もある。
現に彼の魂は残っていますし、そう考えるのは妥当であり当然です。
正直、あまり魂を剥き出しにして生きるのはどうかと思いますけど。戦骨の所業を考えると地獄も天国も冥界も出入りを禁止にしていそうなんですよね。
いえ、絶対に出禁になっています。
きっと私が『鬼灯の冷徹』と繋げたら『出禁のセンコツ』とかそう感じになるはずです。流石に、そうなったら未来の子供達に申し訳無いです。
「景、こんなとこに居たのか」
バタンと重い石扉を閉める音にビクリと身体を震わせて後ろに慌てて振り返ると笑みを浮かべている左之助さんが其所に立っていました。
「さ、左之助さん?」
「なんで下がるんだ?」
ジリジリと迫ってくる左之助さんの目がいつもより怖くて後ろに下がっていると直ぐに戸棚にぶつかってしまい、私は逃げ場を失う。
「そういう事だろ?」
「ひぃんっ」
眼鏡を取られてしまえば何も出来ず、私は左之助さんに捕まってしまった。まだ荷物整理も終わっていないのにやめましょう?
そうでしょう、ね?