某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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六人目ではない 破

二ヶ月ほど振りに志葉家へとやって来た私と左之助さんさお座敷に座って志葉様の事を見据える。他のシンケンジャーは席に着いていない。

 

個々の仕事かお休みになっているのでしょうが、谷さんはニコニコと笑っている。この最中にも我が家に忍び込んでいたりするのかしら?

 

流石にあり得ないですね。

 

「召集に応じて貰い、感謝する」

 

「いえ、此方もお世話になっていますから」

 

そうお互いに言葉を交わし、此処に呼んだ理由を聞けば志葉様の隣に控えていた恰幅の良い初老の男性が御膳に乗った赤色のショドウフォンを差し出してきた。

 

何故、赤色のショドウフォンを?

 

「六人目になって欲しい」

 

「私も同意してますよ!」

 

谷さんは受諾すると確信したように私の手を握った瞬間、左之助さんが彼女の手を弾き、私の肩を抱き寄せ、苛立ちを隠さずに二人を睨んだ。

 

「テメェら、いい加減にしろよ」

 

「左之助、悪いが部外者は黙っていてくれ」

 

「部外者じゃねえ。オレは旦那だ」

 

「モヂカラを持っていないお前は部外者だ。黒子達のように力は無くとも手助けしてくれる訳でもない、元荒くれ者のお前に用は無い」

 

「お前に無かろうがオレには有るんだよ。志葉、お前は景が戦えると思ってんのか?」

 

そう左之助さんが二人に疑問をぶつけると、二人の視線は私という人間に集まる。しっかりと姿勢を正して、二人の視線を受け止める。

 

怖い、とても怖いです。

 

「先生は剣の達人ですよね!」

 

「いいえ、違います。剣の達人と言えるかは分かりませんが、剣道を習っているのは娘です。包丁や裁縫ハサミ以外に刃物は握ったことありませんから」

 

本当の事を伝えると「それならその子を」と言いかける谷さんに「まだ娘は七歳です」と伝えると項垂れてしまった。

 

しかし、こうしておけば娘達を勧誘する事はないはずです。そう思いながら赤色のショドウフォンを受け取らず、私は視線を逸らすばかり。

 

私は、ヒーローにはなれない。

 

英雄を目指せるのは英雄だけ。

 

私は、ただその姿を見る観客か端役。

 

「…まあ、もしものときに備えて持っておけ。備えあれば憂いなしと言うだろう」

 

「それは、お断りします」

 

「なんで?」

 

「谷さん、私は怖いんです。左之助さんがいるから普通に過ごしているけど、本当だったら人の前になんて立つことだって話すことだって出来ない。……侍なんて出来るわけがないんです」

 

卑屈でも否定でもなく本心です。

 

正義を振るえるほど高潔ではない。泥臭くてどんくさくて何もかも彼に寄り添って、ただの重しにしかならない私がこれなんです。

 

 

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