数日前、私は娘達と甘味処に向かう途中、『侍戦隊シンケンジャー』に登場する外道衆のアヤカシ(おそらくナキナキテ)の能力を受け、しとりとひとえの事を認識することが出来なくなっていました。
目的は志葉家に協力する相楽景の捜索。でも、その私の顔を知る方法は向こうにはありませんし。先日の外道衆の作戦も大まかに予測すると「女の捜索」「子連れ」という手懸かりで始めたものでしょう。
私を探すためだけに町の人達を巻き込んだ攻撃を繰り返す外道衆に恐怖と不安を抱きつつ、私は茶色いショドウフォンを使い、しとりとひとえに安全な読み書きを教える。
モヂカラを使えば防御や逃走に使えます。
一応の対策は出来るものの、モヂカラを使っているところを見られてしまえば狙われる可能性もあり、教えるつもりはなかったことです。
「母様、どーしたの?」
「え?ああ、なんでもないですよぉ?」
「ほんとぉ?」
私の真似をして間延びした声を出すしとりの頬っぺたを触り、むにむにと捏ねてあげる。お母さんをからかったら頬っぺたを触っちゃいますよ?
良いんですか?モチモチの頬っぺたを好きに撫でて頭をよしよしして、ぎゅーっと抱き締めて逃げられないようにしちゃいますよ?
「むぅ!」
「フフ、ひとえもおいでぇ」
ポンポンとお膝を軽く叩いて、ひとえを呼べばパッと笑顔を咲かせて私としとりに飛び付いて嬉しそうに笑いながら、力強く抱き締めてくる。
二人とも甘えん坊さんですねぇ♪︎
とっても可愛くてお母さんは幸せです。
でも、あんまり危ない事はしないでね?
「んむぇ?」
「ん!おもち!」
お餅では、ないですね。もっと柔らかいもの、マシュマロ?いえ、あれは弾力もありますし。ひとえの頬っぺたは柔らかくていいものですね。
お母さん、とっても好きですよ。
「しとりもひとえも大好きです」
「しとりもすき!」
「ひーもすきぃ!」
「オレはどうなんだ?」
私達のやり取りを見ていた左之助さんの素朴な疑問に私はクスクスと笑いながら「大好きですよ、左之助さん」と伝えれば満足げに頷き、そのまま私のお膝に頭を乗せて眠り始める。
この前もですけど。
最近の左之助さんは娘達に対抗しているように思えるのは何故でしょう?やはり、そういう不満があるからなんですか?と思いながら、三人で彼の頭を撫でていると、何を思ったのか。
しとりは左之助さんの口を押さえ、鼻を摘まんだ。
「っ、つ、ぶはあっ!?」
「おー」
「『おー』じゃないですからね?」