四乃森蒼紫と渡り合う左之助さんは右腕を使えず、片手両足のまま戦っています。ただ、あの出会った当時の強さまで戻っている四乃森蒼紫では、今の左之助さんに勝つことは不可能です。
「二重の極みを三連発か…」
「
「ローリング?」
左片手による高速の三連打突。
人間の急所の三つを正確に打つボクシングの技術であり、『リングにかけろ』という漫画に登場する志那虎一城の必殺技「ローリング・サンダー」又の名を「雷光流転拳」をどうして左之助さんが使えるの?
まだ私は『リングにかけろ』も『聖闘士星矢』も『風魔の小次郎』も『男坂』も描いていない。いえ、左之助さんの野生の勘なら最適解を導き出す事は可能ですし、あの技を無意識的に使ったということもあり得ます。
「二重の極みの高速三連突き。今のが初見だったら俺もヤバかったかも知れないが、見ちまったからもう避ける方法も分かった」
「……不破さんっ!そろそろ、いえ、今すぐ左之助さんを返して下さい。このままだと左之助さんが出血多量で死んでしまいますっ。おねがいします!」
「えぇ~っ?」
「っ、な、なんでもしますからっ、だから」
私は左之助さんが死ぬかもしれないという不安で不破信二に土下座しようとした瞬間、彼に肩を掴まれて止めるように言われる。
でも、そうしないと左之助さんが……。
「はあ、男にそう言うの言っちゃダメだぞ。えーっと、コイツを押せば出るな?」
「オレの女に手ェ出してんじゃねえ!」
『ヒーローマシン』を飛び出すと同時に不破信二の事を殴り飛ばした左之助さんは青白い顔で前のめりに倒れ、ジロリと彼の事を睨み付ける。
「……確かに、俺が悪かった。早急にし過ぎるのも良くないってわけだな。うん、糸色も悪かった。今度なんか贈るから許してくれ」
「いえ、大丈夫ですから…」
そう私は話しながらも核鉄を左之助さんの傷口に当てて、治癒力を高める。しとりとひとえに緋村剣心を呼ぶように伝えて、個魔の方にも着いていって貰う。
ダメなら無理やり連れてきて、恵さんに連絡して貰えると助かります。そう伝えながら私は意識が飛びそうになっている左之助さんを呼び掛ける。
「左之助さん、眠っちゃダメですからね?」
「おお」
「起きていて下さいね?」
「おお」
「寝たら、その、してあげませんからっ」
「絶対眠らねえッ」
クワッと目を見開く左之助さんのおでこをペチンと叩きながら「素直なのは良いですけど。あまりそういうので反応しないで下さい」と無茶なことを告げる。