「上手い!龍翔閃を柄で受け止めたわ!」
「あんにゃろう、あんだけ強くなってたのか」
人斬り抜刀斎の天を昇る様に振るった一刀を木刀の柄頭で受け止めた明神君は気迫の籠った頭突きを繰り出し、鼻を押さえてたたらを踏む人斬り抜刀斎の全刃刀を掴み、無造作にへし折った。
神谷活心流、奥義の極み「刃断」。
神谷活心流に存在する攻守の奥義を極めた明神君の編み出した技であり、対刀剣戦闘に於いて最も人の命を奪わず、無力化できる技法です。
「弥彦も強くなってやがるな」
「はい、そうですねえ」
「弥彦が勝てばオレも直ぐに使えるんだ。さっさと倒してくれねえか?」
「むっ。剣心がそう簡単に負けると思うの?」
「思ってねえよ。だが、アレは人斬り抜刀斎だ。今の弥彦のほうが強いのは見たら分かるだろ」
そう言われてしまえば薫さんは何も言えず、こくりと頷いて小太刀を構えた人斬り抜刀斎と最後の一合を交わし、此方の世界に切り傷だらけで戻ってきました。
「勝った…のか?」
「おう。お前の勝ちだぜ」
「は、はは、っしゃあ!」
グッと拳を握り締める明神君の大喜びする姿は微笑ましく、しとりとひとえもパチパチと拍手しながら、明神君の事を褒めています。
フフ、二人とも偉いですね。
「次はオレだな」
「
「なら、オレももう一回出来るな」
傷だらけの明神君もニヤリと笑みを浮かべて『ヒーローマシン』に寄り、左之助さんと一緒に相手を吟味し始めてしまい、私と薫さんは顔を見合わせる。
男の人って、どうして喧嘩好きなんでしょうね。
「なんだ、こいつ?」
「刺青か?」
その言葉に思わず、私は二人の手を掴んでしまった。対戦格闘ゲームで「刺青」となれば幾つか候補は浮かぶけれど。二人の見ていたのはオロチです。
「左之助さん、その人はだめです」
下手したら二人の身体を奪う可能性だってあり得る相手と戦わせるのはだめです。不破信二並みに規格外の肉体性能を持っていれば違うのでしょうが。
そう考えながら私の力ではボタンを押そうとする二人を止めることが出来ず、二人は同時に吸い込まれ、なぜか二人は向かい合っていました。
2P対戦モードですね、これ。
「……景さん、これってなんなの?」
「ドクトルの発明品です」
そう言って私は傷だらけの二人が喧嘩を始めたところを見ながら、静かに安堵の吐息をこぼして、左之助さんと明神君の戦いを見つめる。
しとりとひとえも遊びたいかもしれませんが、二人ともまだ小さな女の子ですからダメですよ?