戌亥番神の纏う「無敵鉄甲」は傾斜を利用し、太刀筋や銃弾の軌道を狂わせ、如何なる攻撃も防ぐ絶対的な防御力を誇る反面、重たく肉厚な鉄拵えのため彼のように鍛えていなければ手首の可動域を狭める。
外印の機巧芸術家としてのセンスもそうだ。
いくら才能を有していると云えど漫画の正確に内部構造を書き記していない
此方は転生者や特典とは違う。
おそらく私の生まれ変わった「るろうに剣心」はスターシステムのように原作者様の描いた世界を共有し、本来なら有り得ない筈の邂逅を与える要因になっている。
「…………」
「私の手のひらが気になるのかな?」
「あっ、いえ…すみません…」
「フフフ、直ぐに謝るのは良いが多用すれば言葉の価値は減ってしまうよ」
そう言うと着流しに独特の装飾を身につけた長髪の男乙和瓢湖は手のひらを私の顔を掴むように張り付けてきた。……大丈夫、私を殺すならもう殺しているはずだから、大丈夫なはずだから。
刹那、乙和瓢湖を囲うように死なずの忍びが鉤爪や刀を構えて現れる。そして、いつの間にか外印が乙和瓢湖の背後を取っていた。
「乙和、私の才能を刺激する大切な相手だ。余り手荒な真似は止めて貰おうか」
「……フフフ、冗談だ。しかし、彼女の恐怖に怯える顔は中々に唆るものを感じるよ」
ゆっくりと私の顔から手を離した乙和瓢湖は楽しそうに鼻唄を歌い、そのまま何事もなかったかのように部屋を出ていく。
「私の仲間の無礼を謝罪します」
「……謝罪は受け入れます。だから、もう私を解放してほしいんです」
「こうして閉じ込めるのは私としても創作の妨げになるのは事実です。─────ですが、あの縁が貴女を逃がすとは到底思えない」
たった、数十の言葉に込められた「逃げるのは無理だ」という現実を突きつける外印の言葉に俯き、静かに唇を噛み締めて涙を流すことを我慢する。
左之助さんが助けてくれる。絶対に、私を助けに来てくれると分かっている。どれだけ怖くても、あの人ともう一度会うためなら耐えてみせる。
「ところで。この
「知りません!」
私の頼みは断ったのに自分の相談を受けて貰おうとする外印に少しだけ怒ってしまい、ふいっと顔を逸らして私は彼の相談を無視する。