某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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もう一つの理由 破

『地獄の鍵』

 

『オロチ』

 

『ヤトノカミ』

 

この三つは絶対に揃えてはいけない。既に二つ揃っているけれど。あくまで「オロチ」は地球意思、いわゆる思念体のため私達に干渉するには依代を必要とし、その依代は最強の存在でなければいけない。

 

恐怖心は彼らの力を強める。

 

私のように怖がりで臆病な人間ほど彼らにとって最上の贄ということになります。しかし、それはとても恐ろしく怖いことです。

 

絶対に負けないという自信も持てず、ずっと怖くて怖くて怖くて仕方ない。それでも封じ込めるか送り返す事は出来ます。

 

「景、あれどこやったんだ?」

 

「不具合もあったのでドクトルに返却しました」

 

「あー、そうか」

 

私の言葉に残念そうにする左之助さんに申し訳ない気持ちを抱きながら、左之助さんがあれだけのめり込んでしまうほどに改良版『ヒーローマシン』は危険です。

 

強さを求める人ほど呑まれる。

 

「ん!父様、けがしてない!」

 

「とーしゃま、おけがない?」

 

「おう。今日のオレは元気だ!」

 

しとりとひとえの問いかけに、左之助さんは笑顔で答えながらも僅かに闘志が溢れ、しとりが電光丸を抜き掛けたその時、トンと手のひらで電光丸の抜刀を止めた。

 

やっぱり、また速くなっています。

 

バランスの良い喧嘩殺法のスタイルだったのですが、今の左之助さんは喧嘩殺法を我流に仕上げ、ある種の格闘体系を築き掛けています。

 

言わば、相楽流────。

 

賛さんや武藤君の動きが左之助さんに似ていた理由はこれなんでしょうね。誰しもが強くなれる訳じゃないけれど、左之助さんの強さは未来に繋がっている。

 

でも、危ない事はダメです。

 

「んーっ!!」

 

「イテテッ。叩くなって」

 

「ねーしゃまつおい!」

 

「あらあら、どうしましょう?」

 

畳の上で胡座を掻く左之助さんに抜刀を止められた事を怒り、ペチペチと彼の頭を叩くしとり。そのしとりを左之助さんのお膝の上に座ったまま褒めるひとえに、どうしようかと私は首を傾げてしまう。

 

しかし、本当にどうしましょうか?

 

そう悩みつつも楽しそうに戯れる父娘の姿に笑みを浮かべてしまいます。無理に考えず、こうして穏やかに過ごすほうが良いのかも知れませんね。

 

もしものときは、みんなを頼ります。

 

ダメだったらドクトル・バタフライや他の人にも頼んで、みんなで守れるように私も手伝います。けど、そうならないのが一番良いことなんですけど。

 

左之助さんは分かってくれますよね?

 

「ん!しとりの勝ち!」

 

「景、なんとかしてくれぇ」

 

ぐったりと倒れた左之助さんに近づき、ゆっくりと膝枕をしてあげる。

 

 

 

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