「景、コイツら地獄の門のときに居たヤツだろ」
そう左之助さんの指差すセレクト画面を見ると陸奥天斗、不破虎彦や陸奥狛彦、その他にも沢山の修羅や強敵達が画面に並んでいた。
私の記憶だと殺し合っていた間柄の人ばかり。そうっとセレクト画面を横にスライドして、何も見ていない風を装うものの。左之助さんは真剣に修羅達を見つめる。
戦うつもりですか?
やめましょう。アレは、修羅です。
彼らと戦っていたらきっと左之助さんまで鬼になってしまいます。あの夜、左之助さんが死ぬ気で止めた外道に成り掛けていた不破信二の事を思い出して下さい。
「ダメか?」
「ダメです」
「お萩でどうだ」
「……甘味では釣られませんよ」
「ん!しとりたべる!」
「ひーもためう!」
くっ、左之助さんの狙いはしとりとひとえだったんですね。いくら私が我慢しても娘達を利用して、私を甘味処に連れていくなんてズルいです。
渋々と四人だけで甘味処に行こうとする左之助さんの袖を掴み、断った手前の恥ずかしさに顔を赤らめながら「わたしも、いきたいです」とおねがいする。
「みんなで一緒に行こうな」
ケラケラと私の頭をワシャワシャと撫でて笑い、ゆっくりと手を差し出す左之助さんはズルいです。カッコいいから、何してもカッコいいんです。
「かーしゃま、て!」
「フフ、お手手繋ぎましょうね♪︎」
「ん!しとりは父様と繋ぐ!」
「おう。しっかり繋いでくれよ?」
ゆっくりと玄関を出ると同時に私はイヤな物を見た。人影。ただの人影ではなく妖怪です。取り憑くタイプの妖怪ですが、サンピタラカムイ様の加護のおかげで、私とひとえは大丈夫ですけど。
左之助さんとしとりは危険で、そう思って二人に視線を向けた瞬間、個魔の方によって妖怪は別の影に逃げ込み、私達の傍にはよりつかなくなりました。
いったい、何をしたのかしら?
「変な風が吹いたな」
「ん!妖怪いた!」
「よーかいしゃん、どこぉ?」
キョロキョロと妖怪を探すひとえに個魔の方のいる方を教えると不思議そうに小首を傾げながら「こまちゃん、よーかいちがう。ひーのねーしゃまだもん」と言い、私はクスクスと笑ってしまう。
「私が姉か。なら嬢ちゃんのお姉さんかな?」
「ん!しとりはお姉ちゃん!」
フンスと胸を張って対抗するしとりに個魔の方は楽しそうに笑い、そのまましとりの影に潜り、また静かに周囲に影の結界を張り巡らせる。
「オレは薬や陣を使わねえと見えねえんだがな」
「いつか裸眼で見えますよ」
「そうかあ?」
えぇ、そうですよ。