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剣心の義理の弟・雪代縁によって連れ去られた景の無事を願うオレ達の前に現れたのはアイツの同志を名乗る三人だった。ただの二人なら、オレや剣心で簡単に倒せるが、あの時と同じように
クソ、斎藤のヤツらは何してやがんだ!?
「うぉらあっ!!」
巨大な大鉾の蛮竜を振るい、嬢ちゃん達の背後を狙って襲いかかる忍者を破壊し、弥彦と嬢ちゃんは死角を補うように戦っているが、一向に減る気配がない。
「ハッハァー!!オレを忘れるんじゃねぇ!!」
「ぐうぅッ!ゴブッ!!?」
斑模様の服を纏い、
「大層な得物を持ってるみてえだが、この戌亥番神の無敵鉄甲には通じねえ!!」
「……ペッ。なにが無敵鉄甲だ、只の鉄拵えの分厚い手甲だろう。コイツは大事な女に貰った新しいオレの相棒なんだよ」
オレは口の中に溜まった血を吐き捨て、蛮竜を肩に担ぎ、番神の野郎を睨み付けたその時、ドクン…!とオレの握り締めていた蛮竜の柄が鼓動した。
……そういや、景が妖刀って言ってたな。
「もういっちょ食らいなァ!!」
「っらあァ!!」
前腕を叩きつける体勢を取る番神に向かい、蛮竜を振り上げた瞬間、僅か数秒とはいえ強烈な炎熱を刀身に感じ、その熱を振り払うように蛮竜を叩き落とす。
刹那、
「なッッグオォオオアァア゛ァ゛ァ゛ッ!!?」
「…………マジか。すげえな本物かよ」
未だに熱を纏った蛮竜を見上げながら吹き飛んだ番神に視線を向ける。無敵手甲を盾にしたのか、辛うじて全身ズタボロだが、ちゃんと生きている。
しかし、この壊れた道はどうやって説明するかと悩みながら後ろに振り返った瞬間、弥彦と嬢ちゃんがオレを見つめて驚愕していた。
「さ、左之助が妖刀を手に入れやがった!」
「あ、有り得ないわ。なにか仕掛けがあるはず」
そう言って混乱する二人の頭を軽く叩き、二人に向かって「さっさと剣心を助けに行くぞ」と言い、大量の煙幕を巻き起こす機巧忍者に囲まれている剣心に近付こうとした瞬間、視界の端に景が映り込んだ。
「景ッ!!!」
「さ、さの、さ、ん…!」
フラフラと走っているのに遅い景を抱き締め、そのま景の近くに佇んでいやがる髑髏頭巾の男か女か分からないヤツを睨み付ける。
「おっと殴り合いは御免蒙る。私は喧嘩は不得手でね、こうして糸色先生を連れ出して此処まで運ぶのに苦労したんだ」
「するってえとお前が景を助けてくれたのか?」
「否、私は彼女を拐った一人ですよ。────ですが、一人の芸術家として彼女の才能を一介の上海マフィアごときが独占し、私欲のために扱おうとする相手に手渡すつもりはない」
そう言うと髑髏頭巾は静かにオレ達に向かって一礼し、闇夜の中に消えていった。だが、今はそれよりも無事に帰ってきてくれた景を力強く、二度と手放さないように抱き締める。
「無事で良かった…!」
「…心配させて……ごめんなさい…」
誰だか知らねえが髑髏頭巾には感謝だな。っと、それよりも嬢ちゃん達にも景の無事を知らせて、剣心にも加勢してやらないとな。
「……剣心、無事だったか!」
景を抱き抱えながら煙幕を掻き分けて進んだ先、道場の出入り口で座り込んでいる剣心を見つけ、景の無事を知らせようとした、そのときだった。
オレの目の前に、最悪が広がっていた。
「……なん…で…」
さっきまで一緒にいた筈の嬢ちゃんが頬に十字傷を刻まれ、心臓に深々と刀で貫かれた道場の壁にもたれ掛かり、倒れ伏していた。