不破信二の三途の川鬼ごっこは無事に終わりを迎えたものの。我が家にぬらりひょんが来てしまった。流石に目立つ行動(北海道での白面の者、外道衆の襲来、妖怪軍団のドロドロ、牙鬼軍団のヒトカラゲなど)をしていましたから来るとは予想していました。
「ぬらりひょん……だっけか?」
「お前の話しは聞いているぞ。蛮竜の遣い手」
「オレの女房にどういう用なんだ?」
「何、大した事ではない。ワシがまだ日本諸国を渡って率いる者を募っていた。そうさな、ちょうど
四百年前?
それだと初代糸色家当主ということになりますが、糸色家が裏名家としての役目を請け負った理由を、ぬらりひょんは知っているということでしょうか。
そう考え込んでいるとぬらりひょんの姿が消え、トンと私の帯に佩いていた懐剣がいつの間にかぬらりひょんの手の中に収まり、静かに刀身を見つめています。
「刀々斎の遺刀か。血の曇りもなく人を守る事に心血を注がれた一振り。良き刀を持っている」
カチンと鯉口を鳴らして納刀し、私に懐剣を手渡して返してくれたぬらりひょんにまた驚かされ、左之助さんも警戒心を顕にしている。
「てめぇっ」
「そうカッカするな」
「ぬらりひょん、お話しは終わりですか?」
「
妖刀「
『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場する妖気を吸収し、自らの使い手の力に換え、所有者を妖怪に作り替えてしまう恐ろしい妖刀です。
スーパー戦隊にはそれこそ「裏正*1」や「分離剣*2」、「ギラサメ*3」など妖刀や魔剣の名前を持つ武器は幾つかあります。
その力は正しく強大です。
使い手の身を削り、滅ぼすほどに危険です。
「ぬらりひょん、私はお勧めしません。あの刀は貴方のように強い妖怪も容易く食い破ります」
「無論、承知している。だが、きな臭い西洋妖怪共に遅れを取るわけには行かんのでな」
そう言って笑うとぬらりひょんは笑みを深める。その姿はゲゲゲの鬼太郎に登場するコミカルな敵役ではなく、本物の妖怪の総大将たる畏れを纏っています。
「……分かりました」
静かに私は頷き、袖の中に手を伸ばす。
妖刀「浦鮫」の所在は親善試合のときに把握しています。そうしなければ、もしも子供達が触れてしまったら危険だと思っていたんです。