某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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娘達の修行 急

深夜、グースカとイビキを出して眠っている左之助さんの両腕を枕代わりに眠るしとりとひとえの二人を見つめて寝室の戸を閉じて居間に移動し、座る。

 

暫しの沈黙を楽しみつつ、湯呑みにお茶を注いで冊子を開いて本を読もうと本棚を見た瞬間、金色の蝶が緩やかに羽を振るわせ、舞う姿が見えました。

 

「Good Night。糸色君」

 

「こんばんは、ドクトル」

 

「君に頼まれていたショドウフォンの修復を終えたから届けに来たのだが、少々時刻を間違えてしまったようだ。こんな真夜中に申し訳ない」

 

「いいえ、大丈夫ですよ。左之助さんはドクトルが来たときに起きたみたいですから」

 

そう言って私は居間と廊下を隔てる戸を少し開け、此方を見ている左之助さんを見上げる。八尺様の男の人バージョンだと思えば良いんです。

 

左之助さんは183cmですので、八尺様には二尺ほど足りませんけど。私の150cmだと本当に大きくて、重たいですし、寝ていると窒息しそうになることもあります。

 

「ふむ、左之助君も大変だね」

 

「特にオッサンのせいでな」

 

「フフ、仲良しですね」

 

「「仲良しに見えるのか?」」

 

違うの?と聞けば否定される。

 

そういうこともあるんですねと私は納得する。喧嘩するほど仲良しなのは左之助さんと緋村剣心で理解しているつもりだったんですけど。

 

やっぱり、人其々で違うところはありますね。

 

「ああ、そうだった。左之助君、これを」

 

長方形の木箱を差し出すドクトル・バタフライに少し警戒しつつ、左之助さんは木箱を受け取り、紐を解いて木箱を開けると手甲(しゅこう)が入っていました。

 

「具足か?」

 

「うむ、左之助君は防御より攻撃を選択するタイプなのは理解している。だが、こうして手甲を着けておけば即座に防御できるだろう?」

 

「コイツだと二重の極みを撃てねえな」

 

「確かに手の甲まで伸びてますね」

 

「ムッ。主力攻撃を失うのはいかないか」

 

チラリと私に視線を向けるドクトル・バタフライですが、私に出来るとしても精々結界を張ったり応援することだけですよ?

 

そもそも重たいものは持てません。

 

最近はしとりとひとえを抱っこ出来なくて、お膝の上に座らせたり乗せたりするのが精一杯なんです。それなのに、そんなものを着けたら二人の頭を撫でてあげることが出来なくなってしまいます。

 

「ふぅむ、伸びるぞ?」

 

「手甲じゃなくて、それはパタですね」

 

そうドクトル・バタフライに言いつつ、贈り物が不発だったことに不満を抱く彼に苦笑いを向けながら、しとりとひとえのために包具を作って欲しい事を伝える。

 

 

 

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