某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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真夜中の会話 序

左之助さんとドクトル・バタフライの喧嘩するほど仲良しすぎる会話を聞きつつ、のんびりとお茶を飲む。ドクトル・バタフライとしても私達の情報を聞きたいらしく、わりと真面目な話が多いです。

 

「景はどう思うよ」

 

「糸色君はどう思うかね」

 

「…まず、一言言わせて貰えるなら私が人を誑かす様に話すのは止めてもらえますか?」

 

誰かを誑かす様な行為も、誰かを誘惑する事なんて一度もしたことありませんよ。それに、私は人妻です。NTRは悪い文明だと何度も言っていますよね。

 

「だが、糸色君の人を惹き付ける才能は正直に言ってしまうと劇物のごとく拡がりやすい。現に左之助君もかなり不満を募らせている」

 

「そうなんですか?」

 

「そうなんだよ」

 

それは知らなかったです。

 

いえ、焼きもちを焼いているのかな?と思うときは幾つかありましたけど。まさか娘達にも焼きもちを焼いているのでしょうか。

 

少しだけ苦笑を浮かべながら私の隣に座っている左之助さんの頭を膝立ちになって、よしよしと優しく彼の頭を抱きしめて撫でてあげる。

 

「なんか不服だ」

 

「ふむ、やはり左之助君は愛すより愛し潰すほうが好きなようだね」

 

「あいしつぶす?」

 

よく分からない言葉に私は首を傾げつつ、左之助さんに腰を掴まれ、そのまま彼のお膝の上に座るように向きを変えられてしまう。

 

やっぱり、なにかあるのかしら?

 

そう思いながらもお腹に手を回す左之助さんに無抵抗のまま抱き締めて貰う私にドクトル・バタフライは呆れたように「そういうところだよ、糸色君」と言った。

 

成る程、ハグを受ける側とする側の違いですね。

 

言いたいことは大凡そ理解しました。

 

「まあ、左之助君は最初から決まっているし。特に何かを助言できる立場ではない。が、強いて言うなら彼女の負担も考えることだね」

 

「?私は大丈夫ですよ」

 

そう言って、フンスと力こぶを作る。

 

もっとも袖は左之助さんに押さえられて私の筋肉はドクトル・バタフライに見て貰う機会はなかったです。……なんだか最近の左之助さんは独占欲が強いです。

 

悪くはないのですが、身が持ちません。

 

「景はずっと一緒にいような」

 

「?はい、ずっと一緒です」

 

「人の愛ほど狂ったものはないね」

 

いきなり、どうしたんですか?

 

確かに左之助さんは愛が重たいですが、私も似たようなものなので困ったことはありません。まあ、私と彼の体格差を考えると心配するのも否めません。

 

ごくたまに潰されるのかと思うぐらい抱きしめられることがありますし。あれは本当に怖いです。

 

 

 

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