某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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ニート侍でござる 破

他流仕合を終えたしとりは最後まで不思議そうに向こう側の男の子を見つめていました。剣路君は対抗心を剥き出しにして睨んでいたけど。

 

まだ十歳にもなっていないのに、しとりを取り巻く関係はドロドロとした昼ドラ化しているように思える。左之助さんも珍しく子供に警戒していますし。

 

「ん!さっきの子!」

 

「本当ですね」

 

よく見れば坪内八郎もいます。

 

「自分は坪内刈羽(つぼうち かりわ)、もう一度仕合をして欲しくて待っていました。それと、そちらのお姉さんにもお話はあります」

 

「可愛げのねえ坊主だな」

 

「さ、左之助さん、失礼ですよ」

 

けど。私に用件と言うことは彼も転生者になるのでしょうかと考えながら、しとりに「もう一度仕合をしたい」と言ってきた理由も気になります。

 

しとりも仕合を受ける気ですし、左之助さんもひとえも何も気にしていない。やっぱり私の怖がりすぎる性格だから余計な事を考えているだけですね。

 

しかし、不安なのは事実です。

 

「相楽しとり、再戦を」

 

「ん!受ける!」

 

にっこりと笑うしとりに彼は一瞬だけ動きがぎこちなくなり、そうっと顔を背けた。左之助さんはそれだけで「クソガキが、オレの娘が可愛いからって惚れんなよ?惚れてもやらねえかならな?」と釘を刺す。

 

「どこで仕合をするんですか?」

 

「オレと剣心が()った河原でどうだ?」

 

「自分は問題ないです」

 

「しとりもいいよ!」

 

そう言うと男の子と私達の会話を見守っていた坪内八郎は彼の竹刀袋と防具袋を担ぎ、肩で風を切るように歩き、時折私達の事を見てきます。

 

寡黙ないぶし銀ですね。

 

ふと後ろに振り返ると、こそこそと尾行する剣路君と緋村剣心が居ました。多分、剣路君がしとりと話したくて近づこうとしたとき、タイミング悪く坪内君が先に声を掛けてしまったんでしょう。

 

そうこうしている間に河原につき、何故か私を怪しむ視線と、ああまた相楽の女房かという視線を感じつつ、河原に降りる。

 

ひとえは石を見て、キラキラしたものを拾って、笑いながら重ねて、また探し始めています。

 

「防具は着けるのか?」

 

「いえ、自分は竹刀だけで」

 

「しとりはどうします?」

 

「んー、こてつける!」

 

そう言うとしとりは左之助さんから防具袋を返して貰い、両手に小手を着けると正眼に構える。対して、坪内君は下段に構える。

 

道場で対峙したときと同じ構図だ。

 

剣路君も橋の上から覗いていますね。緋村剣心に左之助さんも気付いているけれど。特に何かを言ったりする様子はありません。

 

 

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