また、再戦するために来ると言い残して坪内君は帰っていき、私に話す内容とは何だったのでしょうか。
しとりは人の事を「○○ちゃん」とアダ名を付けて呼ぶことが多いですが、剣路君の事はたまに「けんじ」と呼び捨てにしたりしています。
私の娘は小悪魔系なのでしょうかと静かに悩みつつ、ひとえをお膝の上に乗せて一緒に仲良く本を読んでいるしとりを微笑ましく思いながら台所に向かう足を止め、居間に戻って二人を見る。
何故、貴女達が「妖逆門」を読んでいるの?とビックリしていると左之助さんも一緒に読んでいます。いえ、それは構わないのですが、個魔の方は止めてくれても良かったんじゃないですか?
「母者、漫画版だけなの?」
「
「欲を言えば、そうだね」
個魔の方の珍しいお願い。
ここは母親として答えてあげるべきですね。建物や話しはこの明治時代に合わせていますが、それでも転生者の人達は直ぐに気付ける内容です。
「冒険ねえ?」
「……なんですか?」
「いや、姿のヤツもお前の絵物語に感化されて世界中を走り回ってたんだろうと思っただけだ」
私だけが理由ではないんですけどね。
そう考えながらも四人にお茶を差し出すも、しとりは自分の持つ撃盤を見つめています。自分の参加する「妖逆門」に想いを馳せているのでしょうね。
「これにしとりも参加するのか」
「ひーもいきたい!」
「むふぅ」
自慢げに笑うしとりに、ひとえはぷくーっと頬っぺたを膨らませて不満げに怒っています。けど、ひとえはまだまだ小さな女の子ですからね。
「個魔の方、始まりは何時なんですか?」
「ぎゃもんが決めた日取りは明治22年だ。今回は荒れると思うけど、私の選んだ『ぷれい屋』は妖逆門史上最強になるだろうね」
「ん!しとりはさいきょー!」
「フフ、そうですね」
しとりとひとえの可愛さは世界最強です♪︎
「個魔のヤツがまた話してるのか?」
「左之助さん、そんな不用意に手を出さないで下さいね?触ることが出来ないとはいえ、いきなり女の子のお尻を触るのはダメです」
「……どういう立ち方してんだ?」
どうと言われても横向きに立っていますね。
基本的に個魔の方はしとりの影に潜み、たまに出てきて雑談したりしていますけど。おそらく影の中で「妖逆門」に戻り、開催の日取りや妖怪の選抜を他の個魔の方達と行っているのでしょう。
そうでなければ危ないところも沢山あります。
みんな仲良く「げぇむ」を楽しみましょうね。