某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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しとりと妖怪達 破

ドンを除けば我が家の妖怪はスネコスリの親分とムジナのボス、家守の影茶碗、そして、妖逆門(ばけぎゃもん)の案内人にして「ぷれい屋」を導く個魔の方────。

 

我が家の妖怪達は右往左往と走り、しとりの持つ「吸魔封印の霊符」を恐れて逃げています。妙さんが近頃妖怪の噂があると話していた事もあり、色々と用意してくれた物の中に混じっていた本物です。

 

「んーーっ!!」

 

「母者っ、吸われる!吸われてる!」

 

轟ッ!と変わらない吸引力で妖怪を吸い込み、封印しようとする吸魔の霊符を逃れるために必死に大黒柱に影を巻き付け、親分とボスを抱き締め、影茶碗を握った個魔の方を見つめる。

 

サンピタラカムイ様の加護を受けている私もジワジワと吸い寄せられているようにも感じますし、ひとえも吸い込まれそうになっています。

 

「無差別に封印していますね」

 

「景とひとえは父ちゃんの腕の中に居ろよ?」

 

「あい!」

 

チラリと蛮竜に視線を向けると結界を張り、霊符の効力を遮っているのが見えました。ズルいですね、私達も守って下さい。

 

「ひーちゃんもしよ?」

 

「やう!んーっ!」

 

しとりの呼び掛けに嬉しそうに笑ったひとえは手足をパタパタと動かすも左之助さんは離してあげず、頑張っているのに動けなくて目尻に涙を溜める娘を取り返し、涙を拭いてあげます。

 

「娘を虐めないで下さいっ」

 

「いや、そういうつもりはねえんだが。景に似てるからよ、反応が一々可愛くて仕方ねえんだよ」

 

そう言って、うにうにとひとえの頬っぺたを触る左之助さんに「そんなこと言ってもダメですからね?」と言い、ひとえをしとりのところに送り出してあげる。

 

しとりもひとえも嬉しそうに笑って、一緒に霊符を翳していたそのとき、普通に霊符を押し退け、剣路君が不思議そうにしとりとひとえを見つめていた。

 

剣路君、どこから?と私はビックリしながらもやって来た剣路君に呼ばれて小首を傾げつつ、霊符を懐に仕舞ったしとりは剣路君の近づき、徐に彼の彼の頭を撫でて笑っています。

 

「ちょっとぶん殴ってくる」

 

「左之助さん、ダメですからね?」

 

そう彼に注意しつつ、どうやって入ってきたのかを

 

しかし、楽しそうなので許しましょう。

 

「むう、ひーのねーしゃまなの!」

 

「ん!ひーちゃんもしとりの妹!!」

 

ニコニコと姉妹は嬉しそうに笑い合いながら、剣路君は困ったように首を傾げています。そういうこともありますが、左之助さんは一旦落ち着きましょうね。

 

子供に怒っちゃダメですからね?

 

 

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