某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

941 / 1072
舜花の後 序

明神君が武蔵野泰春を倒し、更正を願って斎藤一に彼を預けた翌日のお昼頃。斎藤一が何者かの手によって彼が死亡したことを明神君に伝え、彼の慟哭が響いた。

 

「(私は彼が知っていたのに、何もしなかった。本当に浅ましく自分勝手な女です)」

 

「…弥彦のヤツは立ち直るのかね」

 

「……立ち直ってくれると、思いたいです」

 

「やっぱ、ダチが傷付くのも死ぬのも辛えよな」

 

その言葉に私は頷くことしか出来ず、ぼんやりと居間のちゃぶ台に置かれた湯呑みを触り、空っぽの中身を静かに見つめることしか出来ない。

 

辛く重い空気に滅入ってしまう。

 

私よりも交流していた明神君のほうが辛いはずなのに、本当になんでこんな事ばかり。ですが、ドクトル・バタフライも動いている事態です。

 

せめて、何かを……。

 

「っ、またですね」

 

ああ、本当に本当に本当に本当に怖い。

 

また、意識が戦う人達を見たいというものに塗り潰されそうになった。瑪瑙幸隆と話してから、まるで吸い寄せられるように、こうなっています。

 

「糸色君、少し良いかね?」

 

「今は帰ってくれ。オッサン」

 

私がドクトル・バタフライの名前を呼ぼうとした瞬間、左之助さんが私の言葉を遮ってドクトル・バタフライの問いかけを否定し、拒絶する。

 

多分、私を気遣ってくれているんですよね。

 

「いえ、お聞きします。左之助さん、私は大丈夫ですからお願いします」

 

「……オレも聞くぞ」

 

「はい、構いません」

 

そう言うとドクトル・バタフライも「ありがとう。それに左之助君が聞くのは問題ない話だ」と続け、縁側に腰掛けて私達に背中を向けたまま語り始める。

 

「一つ、瑪瑙幸隆の目的は『地獄の鍵』を入手し、再びこの世に死者を呼び戻すこと。二つ、時雨滝魅の目的は『懺悔と贖罪』だ。そして、最後は天草翔五の存在を確認した」

 

「っ、やはりですか」

 

「あまくさ?」

 

「四人目の飛天御剣流の使い手です。緋村さんの天翔龍閃、姿お兄様の飛天無限斬、その二つと異なる独自の奥義を持つ方と聞いています」

 

「剣心と姿以外の御剣流だと!?」

 

左之助さんの驚きは最もです。

 

本来、登場する予定のなかった四人目の登場に驚かない人はいません。私自身も「アニメオリジナルキャラクター」が登場する時期に違和感を感じています。

 

まるで、意図的に時期をずらしているよう。

 

そうなると黒幕がいることになるのですが、また緋村剣心に私が後ろで糸を引いていると思われ、怪しまれるかも知れないですね。

 

でも、本当に私は無関係なんです。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。