某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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左之助さん視点になります。


巫女でも神子じゃない 破

斎藤の野郎の寄越した手漕ぎ舟を使い、海岸を経由して天草翔伍の建国する予定地を探る。剣心は倭杖を片手に先に上がっちまったが、オレらはどうするかね。

 

「左之助、アイツら見えるか」

 

「見えるぜ。一人は禿げ蛸、拳法使いだな」

 

ギィ…と櫂を捻って振るう。

 

ちと蛮竜や斬馬刀と比べると軽い上に脆いが、意識を向けさせるにゃ十分だな。月明かりで光る海面に櫂を突き刺し、オレよりも先に跳んだ弥彦が拳法使いに木刀を振り下ろす。

 

「なッ、どこから!?」

 

「海に決まってんだろう!」

 

素早く振り下ろされた木刀を仰け反って回避し、刹那の瞬間に振り抜ける。弥彦の切り上げも紙一重で避けるが、ヘンテコな首飾りが海に落ちる。

 

「メダリオが!貴様ァ!!」

 

「手ぇ出すなよ、左之助!」

 

「人様の喧嘩に割り込むかよ。なあ、オッサン」

 

「フン。翔伍の噂を聞き付けてきた粕の分際でよく吠えるものだ。良いだろう、俺自ら相手してやる!」

 

御大層な肩当てを脱ぎ捨て、十文字槍とは形状の異なる三叉槍(さんさそう)とか言われる槍を構える禿げ蛸を見る。こいつ、あの拳法使いよりも十倍は弱いヤツだな。

 

「死ねえっ!!」

 

「蛸は黙ってろ」

 

槍の穂先をへし折って脳天に踵を叩き落とす。

 

剣心のヤツも崖の上で戦ってるかも知れねえが、ここからじゃ何も見えねえな。そんなことを考えながら、弥彦と拳法使いの戦いを観戦する。

 

「火龍!!」

 

「つむじ風?!」

 

「なんでえただの拳圧を飛ばす技かよ。石動のオッサンと由太郎がやってた飯綱みてえだな。弥彦、代わってやろうか?」

 

「ハッ、誰が頼むかよ。勝つのは、オレだ!」

 

「クソガキが!」

 

「もうすぐ親父だボケ頭!」

 

「………ちょっと待て、マジか?」

 

あの感じだと景と薫にも伝えてねえな。 

 

いや、燕なら伝えるか。

 

「づおっ!?」

 

「禿げ蛸は寝とけ。弟分の喧嘩だ」

 

頭を踏みつけ、逃げる前に意識を刈り取る。しかし、弥彦と燕の子供か……男だったら、ひとえに手出しする前に注意しとかねえとな。

 

そんなことを考えていた刹那、強烈な殺気を崖の上で感じ、よく聞けば刀をぶつけ合う音が異様に響いてきやがる。木刀の剣心で本当に大丈夫なのか?

 

「……ふ、ふふ、お前達では翔伍に勝つことは出来ん。アイツは正しく神の子、多少腕が立ったところで人間が神に勝つなど不可能だと思い知れ!」

 

「そうかよ。なら、修羅王とやり合えるオレはおめえらの神様と互角って訳だな。で、オレに勝ち越しの剣心はもっと強ええわけだ」

 

コイツらの言っている天草翔伍は神の子ってのも飛天御剣流の使い手だからと考えた方が良いかもな。

 

 

 

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