某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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最後の喧嘩 急

二合、三合、四合、当たれば必倒の超重量級の大鉾を緋村剣心は逆刃刀で使って受け止める。いえ、大鉾の重さを刀身を傾けることで殺し、瞬時に逆刃刀の一刀を胴に叩き込み、彼は間合いの外に飛び退く。

 

口の中に溜まった血を吐き捨て、左之助さんは地面に突き刺さっていた蛮竜を引き抜き、担ぐ。全くダメージを受けていないわけではない。

 

むしろ、その逆です。

 

左之助さんは緋村剣心の剣戟を受け続け、この一刻の間に大なり小なり無視できない傷を負っている。だけど、彼は楽しそうに笑っています。

 

「剣心、アレ撃ってこいよ」

 

「あれ?」

 

「決まってるだろう。お前の九頭龍閃だ」

 

「承知、拙者の九頭龍閃を撃とう」

 

そう言うと左之助さんは、ドッシリと腰を沈めて蛮竜の柄を力強く握り締めて振りかぶった。技も流派も無い超重量級による「圧し斬り」です。

 

そして、左之助さんの渾身の一撃────。

 

「飛天御剣流、九頭龍閃ッ!!!」

 

「迎え撃つぞ、蛮竜ッ!!」

 

九撃必殺の剣戟。

 

一撃必殺の鉾戟。

 

二つの技がぶつかり合う。

 

壱、幹竹、振り下ろし、相殺。

 

弐、袈裟斬り、裏拳間に合わず、直撃。

 

参、右薙ぎ、肘落とし、撃退。

 

肆、右斬上、右拳の振り下ろし、相打ち。

 

伍、逆風、飛び退き、回避。

 

陸、左斬上、前蹴り、迎撃。

 

漆、左薙ぎ、蛮竜、防御。

 

捌、逆袈裟、裏拳、追撃。

 

玖、刺突、頭突き、相殺。

 

瞬きの一瞬、刹那の最中に行われた九回分の攻防は同時に攻撃を繰り出してお互いの身体を痛め付けた。圧倒的な速さを誇る九頭龍閃を相打ち覚悟の乱打で返した。

 

「ッ、ごぶぇ゛…!?」

 

「ぐっ、がふっ……!?」

 

左之助さんと緋村剣心はすれ違い、片膝を地面に落として血を吐きながら鉾と刀を杖代わりに立ち上がって、お互いの事を睨みつける。

 

「はぁ゛……強いなァ、剣心」

 

「ゴホッ…左之も流石でござるな」

 

緋村剣心は、ゆっくりと逆刃刀を鞘に納める。

 

決着をつけるつもりですね。

 

緋村剣心の持ち得る技の数々の中で、唯一無二の強さを誇る飛天御剣流「奥義」────。私は、雪代縁と戦っているときに見た一度だけですけど。

 

左之助さんは既に何度も見ているはずです。

 

「……悪いな、蛮竜。こっからはオレだけだ」

 

そう言いながら蛮竜を地面に突き立てた左之助さんは左手で右手首を掴み、右手に全身全霊の渾身の力を込めるように握り締めると頭上に掲げる。

 

「飛天御剣流、奥義」

 

「コイツがオレの」

 

 

一歩、音を踏み越える────。

 

さらに一歩、地面を踏み締める────。

 

 

「天翔龍閃ッ!!!」

 

「二重の極みッ!!!」

 

不殺の誓いを掲げた逆刃刀と、救世を願う明王の破壊の拳の衝突は強烈な余波を生み出し、左之助さんの右拳は大きく後ろに弾け、逆刃刀が勝る────。

 

「剣心の勝ちだな」

 

「いいえ、まだですっ」

 

左之助さんはまだ負けていません。

 

「もう一発だアァァァッ!!!」

 

「オオオォオオオォォォッ!!!」

 

左拳を握り締めた左之助さんに応えるように、緋村剣心は二撃目の天翔龍閃を繰り出した。一瞬、力は拮抗する。しかし、左之助さんの左拳が、逆刃刀諸とも緋村剣心を殴り飛ばしていた。

 

「…ぐがッ、どうだ!…オレの勝ち、だぁ…」

 

「…拙者の、敗けで……ござるな」

 

一瞬、緋村剣心より遅く左之助さんが気絶した。

 

「お疲れさまです、左之助さん」

 

 

 

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