核鉄を使えば直ぐに治療できるけど。
骨を整形していないまま回復させると拳は歪んでしまうため、今回は核鉄を使わず、左之助さんと緋村剣心の二人は病室で将棋を打っています。
あまり言えたことではありませんが、お二人とも本当に元気一杯すぎると思います。そういうところも可愛いとは思いますけど。
私に娯楽を求めるのは、どうなのでしょうか。
いっそのこと「修羅の門」を描いて、地続きに「ストリートファイター」や「THE KING OF FIGHTERS」を描いてしまおうかと考えてしまう。
「やはり、潮殿は良いでござるな」
「流の気持ちは少し分かるぞ」
蒼月君の存在は幕末の動乱を生き抜いた人や闇を抱える剣客達にとって特攻効果を持っているのでしょうか?と考えながら、私は蜜柑の皮を剥いている。
「ん!ひーちゃん、どーぞ!」
「あーん!んへへぇ…」
しとりとひとえは嬉しそうに蜜柑を受け取って、食べさせあいっこをしている。可愛いです。やっぱり、子供は小さくてとてもかわいいです。
それにしても、です。
この病院の戸棚にも「うしおととら」全巻が置いているのは予想外です。月毎に増えているような気はしていましたけど。まさか恵さんが買ってくれていたのだしょうか。
「ああ、それ?旦那の私物よ」
「九能君の私物ですか」
残念です。
しかし、私と同じく絵柄を完全模倣して描かれた糸色名義の漫画「幽☆遊☆白書」を描いたのは、向こう側の私のものでしょうね。
『物語を繋げる能力』も向こう側と此方の世界で連鎖的に効力を発揮し、新しく「物語」を呼び込んでしまう可能性も有り得るわけです。
そうなったら大変ですね。
もっとも自発的に描いたのは「うしおととら」と「からくりサーカス」の二作品ですし。此方の意思で物語を増やしている訳ではありません。
「景、此方に来てくれねえか?」
「どうしたんですか?」
「お馬鹿、行っちゃダメでしょう」
「ひぎゅっ」
ペチンと頭を軽く叩かれた事に驚きつつ、どうしてダメなの?と恵さんを見ると左之助さんの手元を指差す。複雑骨折した手を酷使するから危ないわけですね。
理解したものの、触れ合えないのは寂しいです。
いえ、そういう作戦ですね。
「恵殿、すまぬでござるな」
「良いのよ、剣さん。そこの馬鹿は怪我した癖に暴れるし、景さんに無理させるからダメだけど」
「なんもしてねえよ!」
そう言っていますけど。
恵さんがいないときは、よく私の事をお膝の上に乗せていたりします。緋村剣心も起きているし、見ているのに恥ずかしいです。