更に二週間ほど経過し、左之助さんと緋村剣心は骨折した部位の状態も少しずつ回復傾向にあり、核鉄を怪我を負った箇所に宛がって軽く縛っています。
リハビリも行えるようになったものの、あまり無茶できる身体ではありませんし。なにより大怪我を負った左之助さんと緋村剣心の事を狙う人もいる。
闇乃武もその一つですね。
姿お兄様やお父様のところに所属したいと打診していたそうですが、私の事を殺そうとした事実を知っている二人は物凄く怒っている、とのことです。
「景、味が薄いぞ」
「濃口はダメだそうですよ」
「お粥で腹は膨れねえよ」
「? 私はこの一杯を食べきれませんよ?」
そう言うと左之助さんは気難しそうに押し黙ってしまったものの、私の差し出すお粥は素直に食べてくれます。緋村剣心も同じです。
「そう言えば、しとりと剣路君の許嫁の件はどうなるんですか?左之助さんが勝ちましたけど」
「ああ、そのことか」
「勿論、決まっているでござるよ」
「当然、お断りだ」「喜んで託せる」
「「ん?」」
私の何気無い質問で顔を見合わせて困惑する左之助さんと緋村剣心の二人を見つめつつ、薫さんに目配せすると「私は良いわよ。剣路はしとりちゃんのこと大好きだし」と言ってくれました。
一応、妻同士は快諾済みです。
「オレ以外全員良いのかよッ」
「一番大事なのは二人の気持ちですけど。二人とも何だかんだと仲良しですから」
「そうね。剣路はちょっと意地っ張りだけど。しとりちゃんをよく見ているわね」
「ただ、しとり殿に気を向けるのは良いのでござるが拙者に飛天御剣流を乞うのは止めて欲しい。師匠か、姿殿に頼んで欲しいでござるよ」
「師匠にしとけ。鎌足で歪むぞ」
確かに、あれだけ可愛いのに定期的に男の人に戻って姿お姉様と逢瀬を重ねているという手紙を受け取ったとき、人としてどう返すべきかと悩みました。
しかし、鎌足お義姉様と姿お兄様の関係は良好であり、夫婦円満のおしどり夫婦です。それぞれ双子を出産したという話を聴いたときは思考が固まったけど。
「では、大きくなったら比古先生にお預けして飛天御剣流を習った後、左之助さんに認めて貰うために戦うということですね」
「そうなるわね」
「それが良いでござるよ」
「二度と世迷言を言えねえように殺す」
ひとりだけ怖いことを言っていますけど。
多分、大丈夫な筈です。
……大丈夫ですよね?と思いながら左之助さんを見ると笑顔のまま黙っています。悪いことを企んでいるのがすぐに分かってじいますね。