某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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夜会へようこそ 急

「…………」

 

Dr.ピーベリーの潜入捜査を見送りつつ、私は静かに本を読んで待っていると不穏な足音と不規則に吹く風の音に気持ち悪さを感じ、口許と鼻を覆う。 

 

ここまで変わった臭いを嗅いだことはありませんし。そもそも不安ばかりで吐きそうです。どうして、こんなところに私は居るのでしょうね。

 

「HEY!」

 

「ひゃあっ!?」

 

突如、私の真横に座っていた人の叫びに身体をビクリと跳ね上げ、突然の出来事に驚きすぎて、ズキズキと痛む心臓を押さえつつ、黒い忍者装束を纏った青年の事を少し恨めしげに見つめる。

 

「助けに来たぞ。お姫様」

 

「じ、ジライヤさん、お願いですからもっと優しくして下さい。ドッキリ系や絶叫系は苦手なんです!このままじゃ心臓が止まりそうで……」

 

「HAーHAーHAー!!!Sorry OH!!Sorry!!!!」

 

「うぅ、何なんですか、もぉ……」

 

高らかに笑う黒い忍者装束の青年、アメリカン忍者にして「忍者戦隊カクレンジャー」に登場するジライヤの祖先たる19代目・ジライヤその人です。

 

ドクトル・バタフライのおかげで日本に残っている隠流の方々と交流しているそうですが、この人は本当にドッキリというか私を驚かせて、私の反応を楽しんでいる。

 

「逃げる準備を済ませているよな?」

 

「えと、はい、道具類は鞄に」

 

「Great!!!」

 

「そ、そうでしょうか」

 

この人の反応は良いんですよね、すごく。

 

「オン・ガマ・ニン!壁抜けの術!」

 

ぬるりと壁を通り抜けて、向こう側に移動したジライヤは扉を開け、謎の風圧を吹き起こす道を避け、ゆっくりも移動していきます。

 

「止まれ。変な音が聴こえる」

 

「? 変な音……」

 

耳元に手を添えてみるものの、特に変わった音は聴こえないと思っていた次の瞬間、空気の裂ける音が響き、ジライヤと古びた布を纏った誰かが建物の中を駆け抜け、斬り結ぶ姿を見上げてしまう。

 

速い。

 

ううん、速すぎる。

 

生身の人間が、あそこまで速く動けるのはススハムと瀬田宗次郎以外に見たことはない。いえ、緋村剣心も姿お兄様も超神速の速さですが、私の目は二人の事を辛うじて視覚して追える。

 

「HAーHAーHAー!!!!俺様を見たなあ!」

 

「ひっ…!」

 

「No コイツは俺達のお姫様だ。そう簡単に刻めると思うなよ、切り裂きジャック!!」

 

そう言うと二人は建物の外に飛び出す。

 

私はもうお姫様という年齢ではないですし、せめて奥方か奥様で呼び方を統一してもらえると嬉しいです。いえ、助けて貰った不満ではないですからね?

 

 

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