某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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切り裂き、バネ足、孤高 破

「あきゃきゃきゃっ!!」

 

「HAーHAーHAーHAー!!!!」

 

「全く本場の紅茶が台無しだ」

 

「テメェら、加減しろっ!!」

 

「人造人間か、お前も!」

 

不自然な排気音が吹き荒れ、撥条の軋む音が響き、黄金色の鱗粉が渦を成す。其処に蛮竜の雷撃を纏った左之助さんと、僅かに帯電したヒューリー・フラットライナーが巻き込まれ、激しい攻防を繰り広げている。

 

その様子に煙草を咥えていたDr.ピーベリーは困惑し、アシュヒト・リヒターは眼鏡のブリッジを押し上げ、非現実めいた竜巻の中を見上げる。

 

「私達の想像を越える動きですね」

 

「ヒューリーは兎も角、お前の男は生身のまま竜巻の中を自由に移動できる驚異的な身体能力の持ち主か。中々に改造甲斐ありそうな素体だ」

 

「私としては、あの蝶髭の男が気になりますね。確か錬金術師を自称していましたが、どうやら眉唾と思っていた錬金術の産物については事実の様ですね」

 

そう言うと人の居なくなった路地を歩くアシュヒト・リヒターは鉄製のトランクケースを地面に落とし、ぎっしりと路地に詰まった人造人間を見据える。

 

「ポーラールート製の人造人間(フランケンシュタイン)、その劣化品ばかりですね。魂と意志を継ぐと言ったところで所詮は烏合の集まり」

 

「まあ、そう言うな。コイツらに自我は無い、あるのは規則に則った行動だけだ。下手に動けるヤツより分かりやすい。糸色、折角だ。お前の実力も見せろ」

 

「え?む、むりです!戦えません!?」

 

「クククッ。アシュヒト、日本人は謙虚だなァ?」

 

「美点だとは思いますよ」

 

私の言葉を謙虚すぎる否定だと決めつけ、私の事を戦える人間だと思っているDr.ピーベリーは笑いながら、私の背中を押してきます。 

 

死ぬ!

 

死んじゃいます!ぺちゃんこになります!

 

「夫がアレだ。お前の秘密を教えろ」

 

「みんな、助けてくださぁい…!」

 

上擦った声で背負っていたトランクケースの施錠を開けた瞬間、グポォンッ…単眼(モノアイ)を淡く光らせた足軽型の具足を身につけたドクトル・バタフライと一緒に作った殺駆(ザク)光子槍(ビームジャベリン)を構える。

 

うぅ、また変な噂が拡がってしまいます。

 

「なんだ、お前は人形遣い(プッペンシュピーラリン)か?」

 

「自我を持つ人形、興味深いですね」

 

「み、みんな、倒して下さい…!」

 

半泣きになりながら殺駆達にお願いすると「ざこー!」という掛け声をあげて、路地裏の攻防が開幕し、私は壊れずに倒しきる事を願うばかりです。

 

 

 

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