更に四日後。
ディオゲネス・クラブの外来室。其処に呼ばれた私と左之助さんはアシュヒト・リヒター、マイク・ロフト、アバーライン警部達と一緒に「
「やあ、待っていたよ。特に、世界最高峰の頭脳を持つ糸色景、おっと今は相楽景だったか」
『死』というエンブレムを張り付けたシルクハットを動かして、そう語り掛けてきた長身の男、生きた人間ではなく死んだ人間を愛する死体卿の声色は穏やかで不気味に響く。
ゆっくりと振り返った彼は赤目。白目の部分が過度な改造で赤く変色し、瞳孔はネコ科動物のように縦細く伸び、じろりと私を見下ろす。
「ふむ、想像より小柄な様だが問題ない」
「何が問題ないんだ、てめぇ?」
「おお、お前が相楽左之助!!噂に違わぬ至高の領域に到達した強靭な肉体、筋肉繊維に至っては鋼線を束ね集めたように分厚く柔軟性を兼ね備えている!素晴らしい、是非とも死体として貰い受けたい」
「……景、何言ってるんだ。こいつ?」
「左之助さんの身体が欲しいそうです」
「オレに衆道の趣味はねえ!」
そう言って怒る左之助さん。伝えるニュアンスを少し間違えたかな?と思いながら、死体の提供を求める会話を聞きつつ、品質の問題に変わり始める会話にこめかみを押さえてしまいます。
どうして、そんなに誰かの死体を簡単に品質で決めることが出来るのか。全く分かりません。いえ、そういう場所で育っていたのは知っていますけど。
だからと言って、流石に倫理観の欠如です。
「では、Mrs.糸色に訊ねよう。効率良く死体を手に入れるにはどうすればいい?」
「知りません」
「ふむ、本当の事を聞きたいのだが?」
「そもそも私は
そう左之助さんの背中に隠れながら伝え、ゆっくりと深呼吸を繰り返して、左之助さんの背中から身体を逸らして、顔を覗かせる。
「まず、
つい、思っていた事を言ってしまった瞬間、物凄い殺気を放れ、ビクリと身体を強張らせながら左之助さんの背中に隠れる。
「少々、私も気になる言葉ですが、貴方の『不完全な存在』という言葉で確信しました。Mrs.糸色、貴方は人造人間の再人間化の方法を知っていますね」
いえ、私は、そんなこと知りませんけど?
どうして、左之助さんまで納得するんですか?