しとりとひとえの無事を確認していたその時、ガルヴァーニ電気の、生体電流の放電を繰り返し、怒り狂うヒューリー・フラットライナーの狂気の怨嗟が響く。
その怒声にパチリと目を開けたしとりは物凄く不機嫌そうに目元を擦ろうとするので、彼女の目元にハンカチーフを当てて汚れを拭い取ってあげる。
「母様、おはよー」
「えぇ、おはようございます。しとりはもう少し眠っていても良いんですよ?」
「んーん。ひゅーちゃん、泣いてるから助けてあげなきゃいけないの。こまちゃんも分かってくれるよ?」
「フラットライナーさん達の喧嘩に、しとりが入ってはいけない関係です、見守ってあげましょう?」
そう言って諭してあげると、渋々としとりは頷いて太陽光発電を終えた電光丸を軽く振り、素早く鞘に納める。この子は何処に行こうとしているのでしょうか。
不安と期待の入り交じった感情を抱きつつ、しとりはスヤスヤと眠っているひとえの頭を優しく撫でると窓を開け、狭い路地を駆け回る放電する
「しとり、危ないですから…」
「大丈夫だよ、母様にも見えるよ?」
にこりと笑ったしとりは完全充電を終えた電光丸を窓の外に放り投げる。慌てて窓の外に身を乗り出して、見下ろした瞬間、電光丸はヒューリー・フラットライナーの右手に収まった。
まだ小柄な女の子のしとりにとっては普通の刀のように扱える電光丸ですが、左之助さんより背丈の高い彼にとって電光丸はナイフと代わりない。
「ホウ。外付けの簡易電池にも使えるのか」
「ひゃんっ?!」
のっそりと頭の上に顎を乗せてきたDr.ピーベリーに悲鳴を上げつつ、電光丸の性能と利用法について思案を巡らせる彼女の顔付きは子供のようです。
「ケイ、私にもアレを寄越せ」
「お、お断りします。あれはしとりの刀ですから」
「シトゥリ、くれ」
「しとり、しとぅーりじゃないよ?」
「クッ。発音が難しいな」
しとりに電光丸をねだるDr.ピーベリーに苦笑を浮かべていると追加電気を受けて更に加速するヒューリー・フラットライナーは正しく雷速に匹敵します。
しかし、超神速にはまだ届いていない。
フランケンシュタインより素早く動ける緋村剣心と姿お兄様の脚力はどうなっているのでしょう。そして、その超神速を越える縮地の使い手の瀬田宗次郎と、光速に到達するススハムは更に何者なのかと悩んでしまいます。
人間のまま強くなった人達はある種の超人です。