「レイスの脊髄と左半身を覆っているのは骨格機能特化型人造人間『エクゾスケルトン』だ。究極の八体の1番目、骨密度、骨の拡張、可動域の変化を行える」
「───ですが、脊髄と一体化しているところを見るに、反射神経の反応速度を高めていますよね?あの尾てい骨に生えた尻尾型の背骨、あの範囲内に入り込めば即時反射の攻撃を受ける筈です」
「嘗めるな。私の造り上げた運動神経特化型人造人間のヒューリーにとっては反射神経など少し速い的だ。見える範囲に居る限り、必ず追い付ける」
そうDr.ピーベリーと話し合いながら通行人の認識外に居るヒューリー・フラットライナーと、彼の怒りの根源たるレイス・アレンの二人を見下ろす。
「(骨格機能の強化を使用するなら外付けではなく、装甲の様に纏う見た目にフォルムを作り替えて、自動迎撃機能を追加しておけば良い筈です)」
ひみつ道具として作る場合、「決め技スーツ」や「なりきりセット」系統の道具と融和性はありますけど。あの骸骨のデザインは無しです。
日本の変な知識を得た「死」のエンブレムは本当にダメだと思います。こう、悪乗りして後々後悔する感じの雰囲気を感じています。
「目視不可能の速度か」
「ん!しとり、見える!」
「ホホウ、良い目をしているな」
「し、しとりに変な事はしないでくださいっ」
ぎゅうっとしとりのことを抱き締めた瞬間、高速で駆け抜けるヒューリー・フラットライナーのナイフと骨の槍が部屋の中に飛び込み、反対側の壁に突き刺さる。
「ひ、っ……し、しとり、座りましょうか?」
「やっ!ひゅーちゃん、勝つよ?」
「それは知っています」
「やはり、未来が見えるのか」
ただの原作を読んで得た知識です。
そもそも怖いものに関わろうとするDr.ピーベリー達の感覚はよく分かりません。怖いものは怖いから危ないと思えるんです。
「ヒューリーも決めるようだな」
「ひゅーちゃん、がんばれ!」
しとりは楽しそうにヒューリー・フラットライナーを応援しています。イギリスに渡英する数ヶ月前に「妖逆門」で優勝して帰ってきたしとりは、やっぱり少しだけバトル漫画のヒロインっぽくなっています。
勿論、戦えるタイプのヒロインです。
それぐらい、しとりは強くなっています。なんならもう筋力は私より上かも知れません。十代の子供より筋力が劣るのは、母親として情けないですけど。
「─────母様、音が変わった」
「え?」
「カチカチから、バキバキって言ってるよ」
まさか、もう機能変化を?