雷鳥 の 瑠璃紫苑 -らいちょう の るりしおん-   作:LeeMinwoo

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【注意】
この物語については、パラレルワールド(並行世界)、マルチバース(多元宇宙)などを題材とした、クロスオーバーがメインとなる作品です。

関連するキャラクターは「ローカルヒーロー」がメインですが、ヒーローやヴィランは実在します。
しかし実在するヒーロー様や実在する団体様、公的機関や行政機関や企業様などにはなんの関係もございません。
先方へのお問い合わせはご遠慮頂き、もしご用命ございましたら作者までお問い合わせ下さい。

オリジナルキャラと他作品のキャラクター、流用設定等が登場します。
キャラの性格違い、解釈不一致、ご都合展開などが苦手な方はご遠慮下さい。

「ローカルヒーロー」がメインの作風ではありますが。
作中「ローカルヒーロー」と言う言葉が出ることはございません。
あくまでもこの世界では各地に点在する「ヒーロー」である事を予めご留意ください。

誤字脱字や駄文ご容赦ください。
誤字脱字はコメント欄にてお伝えいただき、ご教示頂けると幸いです。

以上の事をご理解頂いた方へ

お楽しみいただける事を深く祈ります。




第1羽 『異変、異星人、変異体』

⬛︎北見某所 山岳地帯⬛︎

 

 

普段なら静かな筈の山頂付近

 

そこにはロッジがある。

 

景色を堪能した人々の憩いの場であり、重要な休憩所。

 

だが今は

 

見るも無惨に廃墟と化した“ロッジだった物”が残るだけ。

 

弾痕と空薬莢が辺りに散乱している、自然界の中には似つかわしくない物々しい光景でありながら、朝焼けの光が何処か儚く、優美さを演出していた。

 

そこに数十名の作業服を纏った男女がいた。

 

「いいかみんな!徹底して清掃するんだ!その後に修繕を行う!ここは自然保護の観点でも大事な場所だからな!」

 

横2列に並ぶ作業服に酸素マスクを装備した集団に向かって喝を飛ばす女性がいた。

 

彼女もまた、作業服を着用し、両手を腰に当てて声高々に啓蒙する。

 

みな各々に掃除用具らしき物を携え、高山にて規則正しく並んでいる。

 

「班長!」

 

ピシッと手を上げて、一歩前に出る正面に立つ男性作業員が女性に向かってそう呼ぶ。

 

「なんだ!!」

 

「今回の現場は誰の戦闘跡ですか!」

 

「資料に書いてあっただろう!!ちゃんと読め!!バカタレ!!!」

 

激しくどつかれる作業員、表情は見えないが、何やら喜んでいる様子に。班員一同それを目にして呆れている。

 

「いいか!!我らが北見の守護神『ミントリガー』と急遽助っ人を買って出て下さった『オークジャック様』の戦闘跡だ!!」

 

その場にいる誰もが思った

 

今、班長、「様」って言った?

 

班長は少し俯く

 

 

 

◇数時間前-22:00-◇

 

けたたましい音を鳴り響かせながら、銃撃による弾幕がロッジより四方へと放たれている。

 

とあるヒーローが2名

斜線上にある岩陰に身を屈めながら、状況の打破を思案していた。

 

「お?弾いた」

 

「え?」

 

「あれ弾けるのか、ならやりようはあんじゃね?」

 

「弾いた」と喜ぶのは

黒をベースに金色の装飾と紫の彩りが美しく

左右非対称ながらもバランスよくまとめられたシルエットとスタイルを有し

大きく鋭い眼と角が特徴のヒーロー

 

『飛翔演舞 凰孔雀-オークジャック-』

 

「何の話だ?」

 

不思議そうに彼を見つめながら質問するのは、オークジャックと対照的に、純白をベースに黄色と黄緑の豊かで暖かく涼やかさを醸し出し

オーロラの様に複雑な色を映し出す顔が特徴の

大きな鷲の様なヒーロー

 

『鳥戦士-ちょうせんし- ミントリガー』

 

今この2人は

 

山岳部のロッジを

占拠した未確認適性勢力の調査、及び討伐に来ていたが、想定していたよりも相手の強い火力、主に銃火器を用いた攻撃に手こずっていた。

 

そんな時オークジャックは、低く屈みながら、愛用の武器である「鞭」を飛び交う弾道へ向けてひらひらと振り回し、それに直撃した弾道を鞭が弾いた事に喜んでいた。

 

「この状況で何か良いことでもあったのか?」

 

「おぉ!さっきの見たろ?あいつらの弾を俺の鞭が弾いたの」

 

「ああ、確かに見えたよ」

 

近づいて肩を組んでくるオークジャック。

 

「俺に…間違えた……私に良い考えがあるっ!」

 

「おまえそれフラグだぞ」

 

好きな作品の名台詞を言いたいがために言い直したオークジャックに対し、冷静であり作品を知るファンならば「うんうん」と頷いてくれそうなツッコミをするミントリガー。

 

「あ、そっか、そらまずいな」

 

満足気に笑いながら返すオークジャック。

 

「それで?わざわざフラグまで建てて何をしようって言うんだ?」

 

呆れるまではいかないも、半信半疑なミントリガー。

 

「まぁ聞けって!一気にこの場をひっくり返すための方法が思いついたんだからよ!それには俺だけじゃなくって」

 

ミントリガーを指差すオークジャック。

 

「おめぇの協力が不可欠なんだからさ」

 

「んで?何するんだ?そんでもって俺は何すれば良い?」

 

フフンと誇らしげにするオークジャック

 

「これから俺はあの弾幕の中心地へと鞭の結界を使って突貫する」

 

「ハァ!?おまえ正気か!?」

 

突拍子もなくパワープレーな作戦立案に驚くミントリガー

 

鞭の結界と言ってはいるが、実際のところ器用かつ常人離れの力を使って鞭を振り回すだけだ。

 

「あっという間に蜂の巣だぞ」

 

「だ〜か〜ら〜、おめぇの力が必要って言ったんだろ?」

 

更に強く引き寄せてオークジャックは言う。

 

「せいぜい俺の再生込みでも弾ぁ弾けるのは数十秒が限度だ。そのうえ敵さんとこに辿り着くとして、全速力でも直線ならいざ知らず避けながら行くとすれば1分いくかいかないかだろうなぁ」

 

オークジャックの能力の一つ、自己再生を駆使して突貫する模様。

2人のいる岩陰から敵の位置までは直線距離にして約500m、オークジャックが本気で走れば1分もかかる距離ではないが、弾幕を掻い潜りながらの目算では彼自身の見立てて「1分」と決定づける

 

「だからよ、おめぇは敵を撃ち抜いて数を減らせ、そうすりゃなんとか1分保てる」

 

「つまりおまえが囮になってる間に……いや待て!無茶言うな!」

 

オークジャックの意図が読めたミントリガー

 

彼らにとって一番重要なのは敵を無力化する事、そのためには正確な位置と敵の数の情報が必要。

場所が特定できていても、位置はできていない。

 

オークジャックは自分が“動く的”になり、その間にミントリガーだけが行使できる狙撃ポイント。

 

ミントリガーの愛銃【蒼弾空-あぜく-】を用いて

「上空」からのスナイピングで敵を無力化する

 

発見方法は

 

敵の銃口から放たれる「発火炎-マズルフラッシュ-」を目視

 

これはオオワシの特性を有しているミントリガー本人だからこそ出来る

 

しかし

 

「もっと他にいい作戦はあるだろ!考えよう、オークも俺も傷つかない方法を」

 

この作戦に意を唱えるミントリガー

 

「…適材適所って言葉……あるよな?」

 

言い終わるとほぼ同時に動き出すオークジャック。

 

「オーク!ああもうっ!!」

 

脱兎の如く駆け出したオークジャックは、低い姿勢のまま鞭を器用に自身を中心として旋回させ、文字通り「鞭の結界」を作って駆け抜ける。

 

それを止める間もなく、意を決して上空へと飛び上がるミントリガー。

 

オークジャックの動きを高所より観察し、マズルフラッシュの方向と位置を特定するミントリガー。

愛銃のカートリッジを狙撃仕様に変え、ひとまず5発撃ち込み命中、狙われるリスクを考えて狙撃ポイントを変える。

 

弾幕が幾分か減ったのを認識したオークジャック。

それに合わせて直線ではなく、弧を描く様に回り込む動きをしていたが。左右に振ってフェイントをかけながら、弾幕を掻い潜り、着実に敵の元へと近づいていく。

 

地上ではオークジャックが猛スピードで近づいてくる。

上空からは機械制御されたかの様なミントリガーの精密射撃。

お互いベストなタイミングを見計らい、息の合ったコンビネーションと言える猛攻に、敵はなす術もなく。

 

ロッジの屋根はミントリガーによる上空からの空襲により半壊。

ただただ撃ち続ければ位置が特定され、されど止めると猛スピードで黒い紫電が近づいてくる。

自らの選んだ戦場と戦法に対し、予想だにしない方法で攻め入ってくるヒーローに、位置を露見して墓穴を掘る敵方。

 

オークジャックが駆け出してからジャスト1分。

 

ついにロッジの窓枠まで近づき、敵1人の顔面目掛けてジャンピングニーをお見舞いして、室内へと入ったオークジャック。

 

ミントリガーの射撃によって行動不能な相手は一旦捨て置き。

動ける敵を排除する。

 

そこでやっと敵の姿をまともに拝む事となったミントリガーとオークジャック。

 

人型をしている、まるで特殊部隊かの様な防弾仕様の服を纏ったおよそ20人の一個小隊。

 

残存兵は指揮官らしき人物とそれを守る様に陣形を作った6名。

 

接敵距離、およそ7m

 

オークジャックは鞭をしならせ、再び結界を作る。

 

立ち止まった事も相まって、先程よりも精密で高度な結界を作り、防御特化の姿勢に入った所を。

カートリッジを狙撃から近接戦において制圧力の高い散弾に変え、上空から急降下し、上空約15mの低空で止まり6発。

 

瓦礫も同然の屋根ごと、散弾で破壊し、のこりの敵は破壊した瓦礫の下敷きとなった。

 

ミントリガー、オークジャック

 

適性勢力

 

鎮圧完了

 

「オーク、いきなり飛び出すのは勘弁してくれ」

 

ミントリガーは自ら作った天井の穴より室内へと降り立った。

 

「悪ぃなミントリ、けどどうよ?」

 

「何が?」

 

「フラグ折ってやったぜ、これで俺も某司令官をッ!ー……」

 

銃声と同時に、大きくオークジャックの頭が傾く。

 

「オーク!!」

 

先程オークジャックが足蹴にした敵が、オークジャックの顔面目掛けて銃を撃ち込んでいた。

 

紫色の血飛沫とともに地面に伏すオークジャック。

 

ミントリガーはカートリッジを使い果たす程の勢いで、敵に全弾撃ち込み無力化する。

 

敵が完全に沈黙した事を確認した後、倒れたオークジャックに駆け寄るミントリガー。

 

「オーク!おい!オークジャック!」

 

倒れたオークジャックは、ゆっくり撃たれた眼を押さえて、ゆっくりと状態を起こす。

 

「あぁくそっ…」

 

「オーク!大丈夫か!?」

 

「死なねぇからってよぉ〜、痛くねぇわけじゃねぇんだぞ」

 

ホッとするミントリガー。

 

「分かってはいたが、本当に死なないんだな」

 

「ま、Phoenix だしな」

 

オークジャック

不死鳥の特性と力をその身に宿すため、不死身である。

 

「見事にフラグ回収したな」

 

「やめろや嬉しくない。ところで、倒したのか?ひょっとして死んだ??」

 

辺りを見渡すオークジャックにミントリガーは答える。

 

「気絶してるだけだ。撃ったのも全部殺傷能力のない弾を使ったからな」

 

「そんなん出来んの??すげぇじゃん俺も欲しい、くれ❤︎」

 

「おまえほんとなんでも欲しがるよな…それに無理だ、カートリッジを生成出来る俺しか使えないよ、これは」

 

腕を組み不服そうにするオークジャック。

 

「さては、ケチで真面目かおめぇ」

 

「さてと、身元の確認しないとだな」

 

「おい、シカトはやめろ」

 

ミントリガーの方に腕を乗せて寄りかかるオークジャック。

 

「わかった悪かっただから一旦離れて…おい…これ」

 

お願いをしつつも敵の1人が被っていたフェイスガードを外すミントリガーは驚く。

 

「あ?おい…これって…更に被り物してるとか、どんな変わりもんだよ」

 

フェイスガードの下は、何処かのプロダクションの生み出した、蝉の様な顔の異星人にそっくりだった。

 

「違うよオーク。俺もそう思ったけど、剥がせないこれ」

 

「は?それおかしいだろ?まさかこいつら全員じゃねぇよな?」

 

彼らからしてみればまさに

荒唐無稽な事が目の前で繰り広げられている現状。

 

目の前にあるのは、空想特撮そのものだった。

 

「とにかくだ、全員拘束しよう。諸々の確認はそれからだ」

 

「ったく、わっけわかんねぇ………あ…」

 

呆れ返るオークジャックだったが、ふと何かに思い至る

 

「なぁミントリ」

 

「ん?」

 

「こいつらがいるって事はだ」

 

「うん」

 

「いるのかな?」

 

「うん?」

 

「ウルトラマン」

 

「あぁ…どうだろう…」

 

「もしいるなら…」

 

オークジャックは天を仰ぎながら言う。

 

「ジョーニアス…会いてぇじゃん?」

 

「………否定はしない」

 

いいから手伝えと言いたかったミントリガーだったが。

 

誰もが知ってるウルトラの戦士に会える可能性の方が勝っていた。

 

 

◇現在◇

 

「資料にもあったとおりだが、オークジャックさm……は負傷した様だ。血痕の処理が必要となる、注意する様に。まずは新人!」

 

何かを誤魔化す様に班長は新人を指名する。

 

「はいっ!!」

 

呼ばれて近づく新人作業員。

 

「副班長と共に血痕の確認と処理を任せる!」

 

「かしこまりました!!」

 

ピシッと敬礼する新人。

 

「よし!いけ!!他の者はこれから割り振るぞ!!いいな!!」

 

テキパキと指示をする班長は、列に並ぶ作業員1人1人に分担の振り分けをする。

 

新人はトントンと肩を叩かれ、振り向いた先には、マスク越しにも分かるほどの優しい雰囲気を持つ副班長が立っていた。

 

「じゃあ行こうか。場所あっち、ロッジの中のあそこの窓の近く」

 

「わかりました!」

 

元気よく、返事する新人。

 

数メートル先にある、廃墟と化したロッジの窓を指差す副班長。

 

歩いて向かいながらも、薬莢が散乱している所を確認する。

 

ここで戦闘があった事を、嫌でも物語っている様だった。

 

「あまり張り切りすぎない様に。血痕は外にもあるかもしれない、僕は中に入るから、窓の外側見てもらえる?」

 

「わかりました!」

 

元気良く駆け足で向かう新人、辺りを見渡し、そこに異様な物を見つける

 

言われたとおり。

 

血痕はあった。

 

しかしそれと共に。

 

1羽の紫色と銀色の羽毛をした

 

“鳥”が息も絶え絶えの様子だった。

 

その鳥を丁寧に抱きかかえる新人。

 

「ふ…副班長」

 

そのままの体制で窓の外から中へと呼びかける。

 

それに反応し、近づく副班長

 

「どうしたの?」

 

「あの…これ…」

 

美しくもツヤの少ない紫色の羽毛に、頭頂部は銀色の変わった鳥を目にする副班長。

 

「え?どうしたの?その子」

 

「そこに倒れてたんです…息はしてますし外傷もなさそうだけど、だいぶ弱ってるみたいで」

 

「わかるの?」

 

「一応鳥類の獣医資格は持ってるので」

 

新人の意外な一面を目の当たりにする副班長は、すぐに切り替えて指示を出す。

 

「わかった。ここはいいから、その子を班長まで連れて行って、たぶん指示があるはず」

 

「え、でもここの処理を」

 

「新人くん、生命優先、大事」

 

その言葉に促され、指示に従う新人。

 

「わかりましたっ」

 

そのまま回れ右をして班長の方へと向かう新人。

 

丁度班長もこちらに向かってくるところだった。

 

「なんだ新人!なぜ戻って…どうした!?なんだどうしたんだそれは!?」

 

相変わらず大きな声で話す班長は予想外の珍獣の姿に多少狼狽える。

 

「現場の確認をしていたら見つけました!かなり弱ってる様です!」

 

条件反射の如く、新人も大きな響く声で状況説明する。

 

「なに!?わかった!新人は直ちに下山!これを持ってメディカルラボへ急行しろ!事情は説明しておく!!」

 

そう言って首から下げたIDカード入りのネームプレートを渡される新人。

 

「メディカルラボですか!?」

 

メディカルラボ

動植物はもちろん、緊急時に市民に負傷者が出た時に行政が運用する科学研究所兼医療研究所である。

彼らは清掃班という役職の行政機関に所属する職員である。

普段は役所の窓口にて雑務をこなす傍ら、今日の様な後始末が必要な際に、実務的な作業を執り行う立場のチームでもある。

 

ラボへは一部職員にしか入れないため、セキュリティレベルの高い権限を有する班長のIDであれば新人でも入れる。

 

「ぐずぐずするなっ!!生命優先だ!!いそげ!!!だが走るなよ!!!」

 

「はいっ!!」

 

指示通り、走らず、しかし確実に無駄なく、急いで下山する新人。

 

注意深く、保護した鳥に負担がかからない様に。

 

 

その腕の中には

 

弱々しくも

 

複雑に彩る青紫の瞳を輝かせ

 

懸命に強い意志で「生きる」思いが滲み出ていた

 

「大丈夫…君は助かる」

 

そう何度も声をかけながら

 

新人職員『友山』は下山する。




読んでくださってありがとうございました。

色々緊張していますし、凄く不安です。

初めてのオリジナルキャラを題材にした小説を書き。

恐れ多くも非公式に、私利私欲に近い形で好きなヒーローと絡めて行く物語に、拒否反応を示す方が出るでしょう。

願わくば、あたたかい目で見ていただけると事を祈ります。
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