雷鳥 の 瑠璃紫苑 -らいちょう の るりしおん-   作:LeeMinwoo

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【注意】
この物語については、パラレルワールド(並行世界)、マルチバース(多元宇宙)などを題材とした、クロスオーバーがメインとなる作品です。

関連するキャラクターは「ローカルヒーロー」がメインですが、ヒーローやヴィランは実在します。
しかし実在するヒーロー様や実在する団体様、公的機関や行政機関や企業様、クリエイター様とはなんの関係もございません。
先方へのお問い合わせはご遠慮頂き、もしご用命ございましたら作者までお問い合わせ下さい。

オリジナルキャラと他作品のキャラクター、流用設定等が登場します。
キャラの性格違い、解釈不一致、ご都合展開などが苦手な方はご遠慮下さい。
また重ねて、これらを生み出した作成者様、クリエイター様などとは本編ストーリーとは一部監修はあれども、あくまでも二次創作である事をご容赦願います。

「ローカルヒーロー」がメインの作風ではありますが。
作中「ローカルヒーロー」と言う言葉が出ることはございません。
あくまでもこの世界では各地に点在する「ヒーロー」である事を予めご留意ください。

誤字脱字や駄文ご容赦ください。
誤字脱字はコメント欄にてお伝えいただき、ご教示頂けると幸いです。

以上の事をご理解頂いた方へ

お楽しみいただける事を深く祈ります。



第7羽 『社会科見学-前編-』

 

 

※キャラ目線での語りになります

 

 

 

⬜︎北見ゲート⬜︎

 

 

北見のゲートに向かうと

ショートヘアにスーツの女の人が

僕らの名前が書いてあるうちわを持って待機してくれていた

 

僕らの姿を見るや否や凄く楽しそうにうちわを振ってアピールしてくる

 

見た目かっこいい人なのに

印象がだいぶ違った

 

「瑠璃くんと翡翠くんですよね!」

 

少し前屈みになって瑠璃とその肩に捕まってる僕に目線を合わせてくれる

 

「はい、僕が瑠璃で、こっちが翡翠です」

 

「お会いできて光栄です!今日案内役を志願しました『沼上』です」

 

志願って事は、僕らのために自分から名乗り出たって事なのか

 

なんだか嬉しい

 

それより何より気になってた事!

 

「そのうちわ!僕と翡翠の名前が書いてある!」

 

そう!それ!

 

「はい!仕事終わりにコツコツと作ってきました!」

 

瑠璃のうちわには黒ベースに青と紫で彩られて

僕のうちわには黄緑ベースに、

白と瑠璃のより明るめな青で彩られていた

 

〈それ、頂いちゃ駄目ですか?〉

 

と聞いたら

 

「包んでおきますね!」

 

と興奮気味に言われた

 

そこまで丁寧にしなくて良いのに

 

なんでも一生懸命でとても明るくて、素敵な笑顔を向ける人だなってのが

沼上さんに対した印象だった

 

移動には車を使う様で、ゲートを通って目的地まで送ってくれるらしい

 

僕と瑠璃は後部座席に座り

僕は身体が小さいので、チャルドシートを改造した座席に座ってシートベルトを閉めた

 

エンジンかけた瞬間

 

激しめの音楽が流れた

 

びっくりし過ぎて僕らはビクンッとその場で数cm浮いた気がする

 

慌てて止めてた沼上さんは

後ろの僕らに謝罪してきた

 

「あ…あの…その……すみません」

 

さっきの歌声、シャウト?とか言うのかな?

 

だいぶ喉を痛めそうな歌声で歌ってたけど

高く力強いながらも儚さがある歌声に僕は興味を惹かれて

 

僕は端末を向けた

 

〈興味があるので、良かったら聴いてもいいですか?〉

 

すごく驚いた顔しながらも

まるで花が咲いた様な満面の笑みを見せてくれた

 

帰りも送ってもらえるらしいので

 

後でバンド名聞いておこう

 

 

⬜︎紋別-ガリンコ号船内開発室-⬜︎

 

 

到着した僕達は貨物口から入る

そこにはガリヤーさんが待っていた

 

「お?来たね2人とも」

 

船内に通された僕と瑠璃は挨拶をした

 

「こんにちはガリヤーさん、お邪魔します」

 

〈今日はありがとうございます、よろしくお願いします〉

 

「うん、こんにちは、瑠璃、翡翠、君たちはほんと丁寧だね」

 

いつも思う

ゴツゴツして大きいけど

着用したスーツ越しでも伝わる

暖かい手

 

このセカイに来てからいろんな人が撫でてくれるけど

 

僕はこの手が

 

1番好きかもしれない

 

「あんだコイツらは!?」

 

そう言いながら何やら不機嫌さMAXで近づいてきた人物

ハチマキをした土方職人ぽい人が来た

 

「織戸-おりべ-班長、彼らが見学に来た子達です」

 

『織戸班長』と呼ばれた

いかにもいかつい体格の人は

瑠璃と僕を交互に見て何か考えていた

 

「二尺」

 

「え?」

 

織戸班長は瑠璃に向かってビシッと指差し、そう言っていた

 

そしてすぐにその指は僕に向けられた

 

「ニ寸」

 

にしゃく?にすん?

なんだそれ?

後で調べてみよ

 

「織戸班長、またどんぶり勘定で測らないで下さい。2人ともそんなに小さくないですよ」

 

測る?小さくない?

僕はお世辞にも大きいとは言えないけど

それより小さく測られたって事なのかな?

 

にすんってどんな大きさだ?

 

「気にすんな!俺が誰かを覚えるのに必要な儀式みたいなもんだしよ!!」

 

ガハハハと豪快に笑った織戸班長は、なんだかさっきと違って偉く上機嫌だった

 

「俺は織戸だ!おまえらは」

 

「はじめまして、瑠璃と言います」

 

〈はじめまして、翡翠です〉

 

「お?お前はなんでスマホなんか向けてんだ?」

 

良く聞かれる事なので、テンプレートから画面をタップして織戸さんに端末を向けた

 

〈僕は喋れないので、こうやって皆さんと会話してます〉

 

「なんだそりゃ!おもしれぇな!!!」

 

大きい声の人だなぁ

 

こんなに豪快に笑う人は初めてだ

 

「話は聞いてるとおもうが!これから新しい拳の試作品を調整をする!じっくり見ていけ!」

 

ガハハハと言いながら笑って奥の方に入って行った

 

「君たちは上で見ててよ、案内してもらうから」

 

そういうと後ろに控えていた男性が近づいて僕達の顔を交互に見てきて、ニコッと笑った

 

「はじめまして、本日案内と説明を任された『室岡-むろおか-』です。普段は資材在庫の管理等を担当しております、分かる範囲で質問があれば何なりと申し付けください」

 

「瑠璃です、今日はよろしくお願いします」

 

〈翡翠です、よろしくお願いします〉

 

物腰は低く、特徴のある低く掠れた声なのに良く響いて通る作業着の男性が、とても丁寧に一礼をしてくれる

 

職人気質な人が多い開発室や整備部にもこんな人がいるんだと少し僕は驚いた

 

とても話しやすそう

 

室岡さんは僕らの一歩前を歩き先導してくれる

 

エレベーターがあり、それに乗って上に向かう

 

上の方を押していたけど

なんの階なのかわからない

 

とりあえずそこは置いといて

 

僕は早速室岡さんに端末を向けた

 

〈質問良いですか?〉

 

「はい、なんなりと」

 

〈今回使った素材は何ですか?〉

 

僕の質問に室岡さんは少し目を丸くしてたけど、すぐに優しく微笑みながら返してくれた

 

「翡翠さんはそういうのに興味がおありなんですね?」

 

さん付けで呼ばれるのは新鮮だなと思いつつ

 

僕は首を縦に振った

 

「そうですね、お2人は『ガリメタルZ』をご存知ですか?」

 

【ガリメタルZ】

 

ガリヤーさんの装甲や武装に使われている特殊な超金属

【鴻之舞金山】と呼ばれる場所にしか出土しないらしく

特殊な加工技術の応用でしか精製出来ない

それがガリメタルZ

 

以前ガリヤーさんから聞かされた

 

僕と瑠璃はそれに頷く

 

「従来通りそのガリメタルを使用してはおりますが、今回は今までとは違い、一部に“とある鉱石”を使った金属を使用しております」

 

とある鉱石?

 

「鉱石って、金属とかの元になったりするんですか?」

 

瑠璃が室岡さんに質問した

 

「そうなんです、金、銀、銅と有名なところはあります、石の中にはその元となる成分があって、それを抽出と…言うと難しいでしょうけど…色々やって頑張ってかき集めたりすると思って下さい」

 

はははと笑いながら、なんだか困った様子だった

 

きっと分かりやすく僕達に伝えてくれたけど、伝わっているのか不安なんだろう

 

今度良く調べてみようかな

 

「中でも今からお話しするのは凄く特殊なモノでして。その鉱石を砕いた砂鉄は、どんな金属で精錬しても、その鉱石が持つ色と特性を併せ持つ事が出来るんです」

 

特性?色?

 

「はい、お2人は【ガーネット】と言う石を知ってますか?」

 

僕と瑠璃は目を見合わせて首を横に振った

 

「1月の誕生石として有名な深く赤い色が最もイメージとして近い石の一種なんですが…もう着きますし、見ていただいた方が早いかもですね」

 

エレベーターは止まりそこで一旦話をやめた

 

室岡さんは僕らを先に降りる様に手のひらで促してくれる

 

そこは色んな機材が横並びになっていて、何人かの職員らしき人が何かをいじっていたり

キーボードらしきモノや

タブレット端末を手に何かを話し合っていた

 

照明はあってもついていない

 

外が見える窓から陽が差しているから十分明るい

 

「お2人とも、そちらの窓の方に行って、下を覗いてみて下さい」

 

室岡さんの指し示した先には、不自然に用意された段差というべきか台のようなモノがあり

そこから外が一望できる様になっていた

 

「翡翠…ここって…」

 

外を見てようやく僕らは気付いた

 

案内された先は

 

ガリンコ号の操舵室だったんだ

 

言われた通り覗き込むと

 

下にはガリヤーさんと、さっきの織戸班長

そのほかに室岡さんと同じ系統の作業着を着ている人が数名

 

さっきも思ったけど

 

織戸班長は

 

どうして大工さんみたいな格好してるんだろう

 

あとで聞いてみようかな

 

「瑠璃さん、翡翠さん、右の方を見ていただけますか?」

 

そう言われたので見てみると

 

そこには

 

台に乗せられて横向きに設置された大きなドリルと

 

同じく横たわっている大きな手みたいなモノがある

 

「アレですか?ドリルと、なんか…棒?ロボットアームみたいにも見える」

 

「はい、まだ駆動系が出来上がったばかりで外装などもなく。ドリルは取り付けられてませんが、いずれアレが、ガリヤーの新武装となる予定です」

 

ガリンコナックルは写真や動画でしか見た事なかったけど

 

想像していたよりも大きい

 

〈大きいですね〉

 

「はい、従来のガリンコナックルよりも大きくしてます」

 

アレを装着して、活動するガリヤーさんを想像しただけでも

 

それはきっと凄くかっこいいはずだ!

 

「あの先端に行くにつれて尖っていくドリルを【ステップドリル】と呼びます。厳密には少し形を変えているのですが、ドリルのねじれている所に赤い色した部分があるのが見えますか?」

 

コーン型のドリルに螺旋状の赤い突起が見える

 

そこを言ってるのかな

 

「あの部分は、先ほど申しました鉱石と、刀鍛冶が使用する【玉鋼】を掛け合わせたモノです」

 

刀と聞いて

 

瑠璃が眼を輝かせていた

 

瑠璃は【忍者】が大好きなので

 

それに関わる話には目がない

 

室岡さん曰く

 

掛け合わせて熱した鉄を

伸ばして

折り返し

伸ばして

折り返す

同じ工程を繰り返す理由は

柔軟で壊れにくくするためらしい

 

その工程中に

加工して板状にしたガリメタルと

砕いた鉱石の粉を馴染ませる

そうしていくうち

鉱石の色に鉄が染まっていくらしい

 

螺旋状に捻ると言う気の遠い作業を経て

コーン型に作ったガリメタルに取り付け

 

全て手作業のため凄く大変らしく

 

そうそうできる作業じゃないと言ってた

 

正直

 

話だけでは何が何やらだった

 

〈その鉱石を使ったら、どうして赤くなるんですか?〉

 

僕は室岡さんに端末を向けた

 

「正直理由は未だ解明出来てません。わかっているのは、色だけでなく、特性も合わせて発揮される事です。それがー」

 

そう言って指差した先を見ると

 

台に乗せてあったドリルが回り出した

 

すごい勢いで回るドリルは

 

用意された分厚い鉄板に押し当てられ

凄い金切り音を鳴らしてズンズンとドリルが掘り進んでいっていく

 

想像していた通りと思った瞬間

 

「え?火が出た」

 

瑠璃が何かに気づいた

 

ドリルが1/3くらい掘り進んだ時

そこから小さな火がチラついた

 

僕は火花だと錯覚してたけど

 

「驚きましたか?」

 

室岡さんは僕らに向けて微笑みながら話してくれた

 

鉱石の名前は

【ガーナイト鉱石】

ガーネットの様に深く赤い色をしているその鉱石は、強い摩擦によって表面から火を噴く特性がある

 

これを粉状にして、鉄に馴染ませると、赤く綺麗な色の耐熱耐冷に優れた鋼が出来上がるらしい

それをドリルの[切れ刃]と呼ばれる部分に使用したと言う

 

「これを思いついたのは何を隠そう、私と織戸班長なんですよ」

 

「そうだったんですか?2人は刀鍛冶に何か関係してるんですか?」

 

瑠璃が興味津々だ

 

「残念ながら刀鍛冶に知り合いがいる程度ですね」

 

室岡さんは申し訳なさそうに謝るが

 

「刀鍛冶にお知り合い!?」

 

いつも静かに感情をうちに秘める瑠璃も、この一言にはワクワクが止まらないらしい

 

室岡さんは姿勢を低く跪く様な体制で、瑠璃と僕の目線に顔を下げてくれた

 

「機会があれば、紹介させていただきますので、それでいいですか?瑠璃さん」

 

「いいんですか??」

 

すごく嬉しそうに震えている

 

刀鍛冶かぁ

 

僕も興味があるな

 

〈僕も一緒してもいいですか?〉

 

室岡さんは優しく微笑んで頷いてくれる

 

「私と織戸班長は、ここに来る前とある工房で学んでいたのです。そこはヒーローさん達の装身具や武装、様々なツールを作る所でして、そこの親方の『高見』と言う人から「見聞を広げて、自分の道を探すのもいい事」と言われましてね」

 

高見さんって人の話しをし始めた室岡さんは、凄く良い顔をしていた

何処かで見た覚えのある表情だ

 

「今回の鉱石も、高見さんから餞別代わりにと幾つか譲って頂いたんです。すごく希少なはずなのに」

 

そうだ

 

瑠璃が先生の話しをする時と

 

全く一緒の表情だからだ

 

室岡さんにとって、高見さんってのは、僕らにとっての先生みたいな存在なのかもしれないなと感じた

 

「私たちの話はまたいずれするとして」

 

室岡さんは微笑みながら僕らに窓際を見る様に促した

 

次はガリヤーさんの腕に四角い箱の様なモノを持たせて…と言うより

取り付けてる?

 

箱からはコードが伸びていて

 

その先には例のロボットアームに繋がっていた

 

これってまさか!

 

そう思った時

 

ロボットアームがゆっくり、目に見えてわかる速度で動いていた

 

まるで手のひらの様に

 

開いては閉じてを繰り返して

 

閉じた後は親指から1本ずつ開いていく

 

「翡翠!あれってひょっとして!」

 

うん、間違いない

 

あれはロボットアームの様で腕-アーム-じゃない

 

〈あの一本一本が指なんだ〉

 

「やっぱりそうだよね!」

 

アレがガリヤーさんの求めていたモノ

 

なんでも掴むための指

 

「アレが出来る様になれば、様々な場面で活用できる筈なんですよ」

 

室岡さんはそう切り出して続けていた

 

「今でこそ、ガリヤー専用の武装にしか使用出来ないかもしれませんが。アレが運用を経て安定の実現できる様になれば、人災、自然災害による人命救助、医療や介護補助、土木などを含めた建築事業にも役立てる。と言う事は」

 

僕と瑠璃は、食い入る様に動く大きな指を見ていた

 

「戦いが起こった後の復興にも役立つ。と私は思ってるんです」

 

そんな風に考える

 

「私、織戸班長とガリヤーは、そうやって思いつく限りの理想を話し合い、実現に向けてるところです」

 

その後大きな指は何度か動かしていたが

やがてガリヤーさんが箱から腕を外し

織戸班長と何か話している

 

「瑠璃さん、翡翠さん」

 

その様子を目にした室岡さんが僕らを呼んだ

 

「テストも終わった様ですし、下に行ってみましょうか」

 

 




読んでくださりありがとうございます。

今回も翡翠目線で物語が進んでいます。

彼が興味を持った音楽は

MY FIRST STORYさんの楽曲 『Zero Gravity』の冒頭を聴いて
音楽に興味を示し
後のストーリーに繋がる様にしてます。

歌詞などを掲載しているわけではございませんが

念のため

コードを入れました。
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