雷鳥 の 瑠璃紫苑 -らいちょう の るりしおん- 作:LeeMinwoo
この物語については、パラレルワールド(並行世界)、マルチバース(多元宇宙)などを題材とした、クロスオーバーがメインとなる作品です。
関連するキャラクターは「ローカルヒーロー」がメインですが、ヒーローやヴィランは実在します。
しかし実在するヒーロー様や実在する団体様、公的機関や行政機関や企業様、クリエイター様とはなんの関係もございません。
先方へのお問い合わせはご遠慮頂き、もしご用命ございましたら作者までお問い合わせ下さい。
オリジナルキャラと他作品のキャラクター、流用設定等が登場します。
キャラの性格違い、解釈不一致、ご都合展開などが苦手な方はご遠慮下さい。
また重ねて、これらを生み出した作成者様、クリエイター様などとは本編ストーリーとは一部監修はあれども、あくまでも二次創作である事をご容赦願います。
「ローカルヒーロー」がメインの作風ではありますが。
作中「ローカルヒーロー」と言う言葉が出ることはございません。
あくまでもこの世界では各地に点在する「ヒーロー」である事を予めご留意ください。
誤字脱字や駄文ご容赦ください。
誤字脱字はコメント欄にてお伝えいただき、ご教示頂けると幸いです。
以上の事をご理解頂いた方へ
お楽しみいただける事を深く祈ります。
※キャラ目線での語りとなります
⬜︎甲板⬜︎
「どうだ?ガリヤー」
「だいぶ近づいたとは思います」
「遠路せずはっきり言え!気になる事あんだろ?」
「あぁ…まぁ」
僕らは操舵室から甲板に誘導され
織戸班長とガリヤーさんは話しているところに近づいた
室岡さんが話し合う2人の間に入る
「信号伝達がやはり遅いですか」
信号伝達?
「無茶を言ってるのはわかっているんですけど…やっぱり完璧に連動なんか無理ですよね」
「動かすだけなら一般的なパワードアシストスーツと同じでイイんだがな」
「そうですね、感覚や神経系の様に複雑にしすぎると強度が落ちますし」
様子を見ていた室岡さんが話に入って行った
「肝心な時に動かねぇじゃ話にならんからな。それでも一般使用には問題ないんだがなぁ」
聞いてる限りだと、失敗ではないけど、成功でもないってところなのかな?
「あの、ガリヤーさん」
瑠璃がガリヤーさんに声をかけた
「やぁ瑠璃、翡翠、どうだった?」
僕は端末を叩く
〈火を噴くドリル、とてもカッコよかったです〉
「アーム?指?もなんか動いてる時ワクワクしました!ジャンケンとか出来そうだったよね??」
僕はその問いかけに首を縦に振る
「ジャンケンかぁ…今のままじゃあ、後出しで負けるかもね」
〈素人考えですみません〉
僕は端末を向けて質問してみることにした。
〈事前に動きを記憶させたり、補助させたりは出来ないんですか?〉
それを聞いてガリヤーさんは織戸班長を見た
「どうですか?織戸班長」
「そこはもうやってるんだよなぁ……」
織戸班長は項垂れていた
それを聞いていた室岡さんが、僕らに向けて説明をしてくれた
「人工知能ほどの優秀さはありませんが、既にこの試作機には、その様に動く様“予測演算”を組み込んであるんです」
「よそくえんざん?」
予測演算
なんだかすごく現実離れした話しになって来てる
室岡さんは困った笑顔を浮かべて続ける
「まぁ私たちが勝手にそう読んでるだけなんですけどね。実際は腕を上下に振る動きと左右に振る動きを記憶させて、最初の動きを読み取ってシステムが補助してくれるだけなんです」
「なんだかよくわかんないけど、それって結構凄い事なんじゃないですか!?」
瑠璃は眼を輝かせていた
瑠璃の言う通り、僕も同じことを思った
僕も凄くワクワクした
「そうだね、僕も最初それ聞いた時は同じこと思ったよ」
僕らの頭に手を乗せて、ガリヤーさんはいつもの優しい声で言ってくれた
「でも、そんな凄いのに、失敗なんですか?」
瑠璃がガリヤーさんに聞いた
それに対してガリヤーさんは、困った様子だった
「失敗と言えば…失敗かなぁ」
ガリヤーさんは、自分の右手を見ながら話し始めた
「思う通り、思う動き、同じ感覚で動かせたらって言う…所謂僕の我儘に付き合って貰ってるんだ」
「なぁに言ってんだ!受け入れてやる奴がいないならそいつぁ我儘だがな!いるならそいつぁ我儘じゃなく目標ってもんだろ!!」
織戸班長はガリヤーさんの肩を組んで
豪快にガハハと笑っている
僕は端末を向けた
〈質問いいですか?〉
それを聞いた室岡さんが、目線を合わせて屈んでくれる
僕はもう一度端末を叩いた
〈どうして皆さんは、そう言うのがすぐ思い浮かぶんですか?〉
凄く聞いてみたかった
知識としての興味もあったけど
ただ取り入れるだけじゃなく
それを元に考えて
その手で作り上げるってのは
とても凄い事なんだと感じた
それが出来るこの人たちは
きっと凄いんだ
僕の質問に対し
織戸班長、ガリヤーさん、室岡さんは考えていた
室岡さんが答える
「“思い浮かぶ”に関しては正直、ちゃんと説明できないでしょう、それはおそらく班長もガリヤーも一緒です。今回の件も、元はガリヤーのスーツに搭載された、支援システムを参考にしたんですよ」
〈支援システム?〉
「僕のスーツには、装着者の補助のために、サポートAIが搭載されてるんだ。僕の動きや癖とかを記憶して、僕が何をしたいのか、何をしようとしたいのか、どう動きたいのかを読み取ってくれて。それに合わせて、一緒に動かしてくれる秘密の相棒みたいなのかな」
秘密の相棒
端末をまた叩いた
〈その相棒さんとはお話は出来るんですか?〉
この世界に来て僕は色んなモノに興味を持った
中でも特に僕らが半自室としている
資料室に保管されている映画、アニメに特撮、ゲームなど
その中でも
『鉄腕アトム』と『魔神英雄伝ワタル』
僕ほどじゃないけど
主人公は小さい身体を持ちながら
強く、優しく、元気
時には戦い
時には対話をして
そんな彼らの“心の強さ”に
僕はとても強く惹かれた
その影響が強いせいか
ロボット、人工知能、剣、龍
これらを耳にするとつい反応してしまう
今回のテストに興味が湧いたのも
ロボットに関連する、機械工学が中心だろうけど
僕の本当の興味は、人工知能についてだった
本当はアトムやワタルの相棒『龍神丸』の様な存在がいたらとは思うけど
この世界ではサイボーグやサイバーパンクな存在はいても
アンドロイドやロボットの様な自立型で自ら考える様な存在は多くない
いないわけではないけど
決して多くはない
もう少し多くてもイイとは思うんだけど、きっと結構難しいんだろう
そう思ってたけど
目の前に人工知能らしい存在を知れた
直に話をしてみたいと思った
「えっとぉ…期待してる様で申し訳ないけど、装着時に脳波で簡単な意思疎通するだけだから…会話のキャッチボールは、あんまりないよ?」
そうか、できないのか
仕方がないけど残念だ…
「大丈夫?翡翠」
肩にしがみついていた僕の頭を撫でながら、瑠璃はそう言っていた
「そんなにがっかりするなんて…なんかごめんね翡翠」
そう言われてハッとなった
僕は誰が見てもガッカリしてるのがわかるくらい
仕草に出してたみたいだ
僕はすぐに肩から降りて
すぐに端末を叩く
〈ごめんなさい、ただの我儘です、だから気にしないでください〉
「いや、翡翠さんが謝らなくて良いのです」
屈んだ状態の室岡さんが僕の目線を合わせ、僕の手を握って言った
「まだ期待に添えられなくてすみません。いずれは……」
室岡さんの動きが止まった
と思ったら
突然勢いよく立ち上がる
どうしたんだろう?
「ちょっと宜しいですか?」
そう言って織戸班長の近くに置いてあった、タブレット端末を手にして何かを操作する
「さっきの翡翠さんと瑠璃さんの発言を聞いて思ったんです、私たちはナックル自体に“機構”“強度”“制御”を全て載せようとしてましたね?」
室岡さんは操作しながらも、何かを呟いている
「機能面を“機構”と“強度”に絞り、制御は……やっぱり!!」
何かが花開いたんじゃないかと思うくらい、室岡さんの表情が明るくなった
「見てください!」
そう言ってタブレット端末を織戸班長に向ける室岡さん
「……そうか、そおおだよなああああ」
織戸班長はまたガハハと笑っていた
室岡さんは僕の発言を聞いてって言ってたけど
僕何言ったっけ?
織戸班長は興奮気味に大きな声で話し出した
「何も腕に全部載せる必要ないよな!なんでそんな無茶しようと思ったんだろうな俺たちは!とんだお笑い草だぜ!」
それを見てガリヤーさんは班長に尋ねた
「あの、僕にもわかる様に説明してもらえます?」
「簡単な話だ!お前のスーツに搭載されてるサポートAIと、コイツを装着時にリンクさせて」
タブレット画面を叩いてガリヤーさんの目の前に向ける織戸班長
「制御と処理はお前のスーツができる分、ナックルの強度問題を解決できるし、お前の希望通りのシームレスに動かせるって事だ!これ見てみろ!!」
手にしたタブレットをガリヤーさんに向けてバンッと液晶画面を叩く織戸班長
そう言われたので僕は改めて瑠璃の肩に飛び乗り、2人でなんとかタブレットの画面を見ようとした
が
タブレットの液晶は
ヒビが入って何も観えない
たぶんさっきバンッて叩いて割れたんだ
「あの…画面割れてて観えないです」
「しかし問題は……今のシステムで補えたとして、稼働時間は約10分と言った所でしょうね」
「それだなぁ…もうアレか…でもなぁ〜いいのかぁ?それで」
置いてけぼりを食らっている僕らを他所に、2人は楽しそうに談笑している
「なんだか僕らにはついて行けそうにないし…2人ともおいで、ジュースでも飲もうか」
ガリヤーさんは僕らを見下ろして手招きしてきた
ジュース
喉も乾いてたし
何飲もうかな
「ガリヤー、いや!ミナト!!」
移動しようとした僕らを呼び止める様に、ガリヤーさんの肩をガッシリ掴んだ織戸班長
ガリヤーさんも本名『鴻野ミナト』の下の名前を呼ばれて驚く
「は、はい!!」
肩を掴む力が強まっている
「おめえのスーツ!俺らに預けろ!!今すぐだ!!」
織戸班長の掴んだ肩からなのか、腕からなのか
ギチギチと音が聞こえる
「班長!なんかアーマーからヤバイ音してます!ヤバイ音してますって!!」
この人の筋肉はどうやら伊達じゃないらしい…
仕事する人の身体って、色々凄いって事なのかな?
「うるせえ!!ちゃんと聞け!!」
「理不尽!!」
ツッコミを一蹴されたガリヤーさん
室岡さんがいつものニコニコした表情でガリヤーさんに近づく
「もういっそのこと、スーツをリニューアルしましょう」
「え!?」
しれっと凄い事を聞いた
「ねぇ翡翠!聞いた!?」
〈うん、聞いた〉
ガリヤーさんのスーツが
今でもカッコいいガリヤーさんが
もっとカッコよくなるのかな!
それは凄く楽しみだ!!
「ミナトさん」
今度は室岡さんから本名で呼ばれるガリヤーさん
「これから忙しくなりますよ、なんせ」
どこからともなく別端末を取り出してきた室岡さんはガリヤーさんにそれを見せる
「今後のガリンコナックルⅡ(仮)としておきましょうか、その方針が決まったのは良いとして。全ての制御系統をスーツに集約させるとしたら、今のままではスペック不足です。元々サポートAIの能力はもっともっと高い水準で運用できるものですが、今まではスーツだけをカバーする様に組み込まれておりましたので、正直ずっと“勿体無い”と思ってました。ひいては今後の対応として、サポートAIに合わせてスーツの機構とナックルとのリンクに耐えうる最適化をする必要があります。」
今までゆったりと喋っていた室岡さんが、突然スラスラ喋る
「頑張りましょうね!」
すごくすごくたくさんいろんな事を言っていた
僕も瑠璃も
おそらくガリヤーさんも
半分も理解できてなかったと思う
「やらなきゃいけないってことだけは、わかりました…」
仮面で表情は見えないけど
きっと微妙な表情してると思う
「そうですね、あとこれは今更ながらの話なのですが」
室岡さんは急にいつも通りの穏やかさに戻った
「サポートAIにも、対話機能を追加して、名前をつけませんか?」
「え?」
「え?」
え?
ガリヤーさん、瑠璃、僕の3人は
同じリアクションをしていた
「室岡さん?対話機能って?」
ガリヤーさん言う通り、さっきは出来なさそうな雰囲気だったのに
え?出来るの?
「名前なかったんですか?」
そうだね瑠璃!そこもそう!
「そうですね、まず対話機能は現状“無理”です。ただし、スーツ自体をリニューアル、と言うよりも、最早作り直しするレベルですが、それによって機能を追加する事は“可能”です」
ガリヤーさんと僕は納得する
「名前については、前任の方があまり興味を示していなかった事もあるのと、このサポートAI自体、製作者が不明な点などいろんな要因で先送りしていたんですよね」
瑠璃と僕は納得と共に思う
一体誰が作ったんだ
「まぁ、それも“本人次第”なので、それとなく聞いてみていただけますか?」
室岡さんはそう言ってガリヤーさんの肩に手を置いてた
「僕が?…ですよねぇ…やってみま………あぁ〜………」
なにやら変なリアクション
「そのぉ〜…どうやら…決まったみたいです」
決まった?
「何がですか?」
瑠璃がガリヤーさんに尋ねてみた
「えっと…AIさんの、名前」
もう!?はっや!
「もう!?はっや!」
瑠璃が僕の思った事を代弁してくれた
「きっとこの状況を聞いてたんでしょうねぇ。それで、なんて言ってるんですか?」
気になる
僕と瑠璃はワクワクしながら目を見合わせていた
「言ってると言うか…視界にデカデカとI‘m MERUって主張されてます」
I’m MERU?私はメルて事?
「おそらくこの【ガリンコ号Ⅲ IMERU-イメル-】から取ったんでしょうね」
IMERU-イメル-
ガリンコ号Ⅲについている名前
確かアイヌの言葉で「光」って意味で、たくさんの応募から選ばれた名前だったと聞かされた
MERU-メル-
その言葉に意味があるのかわからないけど
可愛くて
素敵な響きだと思った
◇数時間後◇
その後も色々教えて貰った
・ガリンコ号について
・流氷について
・クリオネについて
・ガリメタルについて
たくさん色んな話しが聞けた
主に説明してくれていたのは室岡さんだったけど
凄く楽しかった
「おおい坊主どもぉ!迎えが来たぞぉ!」
織戸班長が端末を片手に、大きな声で僕らを呼んだ
「はい、わかりました」
「もうそんな時間か、思ったより時間が早く流れちゃったね。2人とも、今日は来てくれてありがとう」
ガリヤーさんが僕たちに目線を合わせてくれた
「いえ、声をかけてくれてありがとうございました!」
瑠璃がお礼を言っている間僕は端末を叩いた
〈ガリヤーさん、班長さん、室岡さん、また来ても良いですか?〉
「ああ、もちろんさ、ですよね?」
そう言って2人に目を向けるガリヤーさん
2人は笑顔で答えてくれる
「いいぜ!おめえらのおかげで大きな一歩が出来た!いつでも大歓迎だぜ!」
「翡翠さん、瑠璃さん、今日はありがとうございました。またお会いできる時を楽しみにしてます、いらっしゃる時は、連絡を下さい」
室岡さんは自分の端末を取り出して、僕の端末に向ける
やった!許可が出た上に連絡先ゲットだ!
今日は大収穫だ!
「ありがとうございます!」
〈ありがとうございます〉
僕と瑠璃はお礼を言って、そのまま入った時の搬入口に走って向かい
出迎えてくれた村上さんと合流して、車に乗せてもらった
⬜︎車内⬜︎
「瑠璃くん、翡翠くん、どうでしたか?楽しかったですか?」
運転中の沼上さんが僕らに聞いてきた
「楽しかったです!知らない事を知れることはとても!」
〈僕もたのしかったです〉
「それはよかった!また機会があったら是非アテンドしますね!」
〈沼上さん〉
僕は端末を運転席に向けた
「どうしました?翡翠くん」
〈うちわ、とてもかわいいです、ありがとうございます〉
そう伝えて
僕らは丁寧に包んであったうちわを抱えてテンションが上がっていた
後部座席から見えてはいないけど、なんだか沼上さんも喜んでいるみたいで、流れている曲に合わせて鼻歌を歌っていた
「あ!先生と市長さんだ!」
瑠璃が正面を見てそう言う
そこには先生たちだけでなく
ヴィーク兄さんと
天城家の人々が勢揃いで僕らが乗ってる車を見ていた
〈みんなもいるね〉
僕が端末を向けると
瑠璃が嬉しそうに言った
「焼肉楽しみだね」
僕はそれに対して頷いてみせた
本当に満足な1日だったと思うけど
まだ今日は終わってない
夕飯も楽しんで
残りの時間も楽しんで
明日も楽しい日にするんだ
読んでくださった方
ありがとうございました。
今回の話はかなり私の個人的な解釈と“エゴ”がございます。
並行連載している作品と一部繋がる様にしているのですが
これを読まなくても、十分それぞれ内容は飲み込めていただけると思いますが。
両方読んでいただけたなら、私としてはとれも嬉しいです。
ローカルヒーローをご存知でガリヤーさんをご存知の方は
察していただけると思いますが。
今までは旧スーツのままでした。
スーツがリニューアルする事は良くある事です。
その点に対し、私なりに理由を作っておきたかったので、今回の話の流れにしました。
一部ファンの方々からは怒られてしまうかもしれませんが
それらも含めて
ご意見を頂戴したいと思ってます。
次回は戦闘パートを考えております。
どうぞ、よろしくお願いします。