ソリテール様結婚しましょう…貴方が旦那様です。   作:ごすろじ

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▼第45話▶炸裂するアウラパンチ

 

 

 

呪いとは、既存の魔法体系では理解不能な特異性を持つ魔法だ。

常識から外れた全く未知の原理、解除するには術者本人が解くかそれを上回る異常性を持って対処する他ない。

 

 

魂への干渉能力、魂を隷属させる呪い、これらを以てアウラはフリーレンに掛けられた幻影を取り払う必要がある。

両方揃えば確実に呪いを解除出来る自信がアウラにはあるが…後者の手段が通用する望みは余りにも薄い。

 

 

魔力差が大きい場合相手の魂への遠隔干渉は出来ない。

しかし、直接触れれば多少なりとも干渉することは出来るのだ。

 

 

ほぼ賭けに等しいが、アウラは服従の天秤ではなく、フリーレンの魂へと衝撃を叩き込み、幻影を解くつもりでいる。

夢のような意識から強引に現実へと引き戻し、自意識を強制的に覚醒させ、フリーレン自身の意思で幻影を振り払って貰おうと考えていた。

 

 

上手くいかなければ……そんな最悪の想像は切り捨てる。

そもそも、この場に至ってやらないなどという選択肢は存在していない。

 

 

日和って逃げるなどアウラのプライドと秩序が許さないのだ。己の魂に決して背かず貫き通す……それこそがアウラをアウラ足らしめるのだと考えている。

 

 

母がくれた名に背かない為、勇者が愛してくれた己の存在を裏切らない為に、どれほど不確定であろうとアウラは後ずさる事はない。

己の魂が……己の在り方が……一歩足を踏み出す勇気をくれる。

 

 

これまで生きてきた全てがアウラを後押しする。

たいして関わりもないエルフの尊厳を守る為に命をかける……そんな一文の得にもならない行動を実行する意義をくれるのだ。

 

 

「――ッ!?」

 

 

世界一面が炎で燃え盛る中、見慣れた閃光がアウラの視界を覆い、防御魔法が展開される。しかし閃光は弾けることなく、アウラの左肩を掠め血が吹き上げる。

完璧に対応したつもりだった。しかし現に、左肩の浅い肉が抉り飛ばされていた。

前方には夜空を赤く照らす大地があり、傷一つないエルフの姿があった。

 

 

 

更に三発杖の先が輝き、防御する。……だが、光の位置から魔法の軌道を算出し展開した防御魔法をすり抜け、再び魔法がアウラの肉を抉る。

 

 

フリーレンは虚ろな目とは裏腹な、探るような慎重な目でアウラの挙動を観察していた。

杖先を一点に定めず、揺れ動かすようアウラに向ける。

 

 

――これが人間の魔法戦…ここまで小賢しい魔法のフェイントなんて魔族じゃまずやらないわね。視覚と魔力探知を信じすぎたわ、魔力探知の先読みで防御展開……それを見越して撃ってきている。

 

 

直感が囁く。このまま長期戦を繰り広げれば、先に行動パターンが読まれ殺されるだけだと。

目的を果たすためには、フリーレンでも対応出来ない程の大胆な戦略が求められていることを理解する。

 

 

「子供の頃からお母様に散々大げさな話を聞かされて……正直貴女を倒せるイメージは沸かないのよね」

 

「……」

 

「それが戦わない理由になんてならないけど……。魔法戦の素人相手にちょっとは手加減してくれないかしらッ!」

 

 

「GYU……aaaaa!!」

 

 

龍の尾が地面を叩く。地盤に亀裂が入る程の衝撃と共に浮き上がる岩石。それらを全身を旋回させ弾き飛ばす。

石の散弾が、前方に向け放たれフリーレンへと襲いかかった。

 

 

一面至る所に着弾した岩石が小さな砂埃を立て、連鎖的に巨大な土埃を巻き上げていく。

揺らめく土埃の先には小さな人影が見えた。

 

 

閃光が瞬く。

 

 

この大規模な破壊をもろともしていないかのように、フリーレンは煙の先からアウラに杖を向け魔法を躊躇なく放つ。

空を駆け弧を描くように回旋し、魔法をやり過ごし、死角に回り込むと同時に龍のブレスをお見舞いする。だがフリーレンの全面に展開された強固な防御魔法を溶かすことは出来ない。

 

 

炎も嵐も決め手になるとは思っていない。

 

 

多彩な手段と状況適応能力に優れたフリーレンが持つ手札を、出来る限り切らせないための小細工だ。

嵐の中での飛行魔法に割かれる制御。炎による蜃気楼を考慮しての魔法の射出。熱を遮断するための防衛維持による魔力消費。

 

 

アウラはとにかく魔力を消費させつつ、対応能力を削ぎ落とすように立ち回っていた。

決め手となる魔法を放つには、可能な限りフリーレンの防衛能力を削いでおく必要がある。

絶対に空振る訳にはいかなかった。

 

 

魔族とエルフは広大な平原を縦横無尽に飛び回り、魔法の応酬を繰り広げる。

フリーレンは適時適応最適な魔法を選びぬき、アウラと龍へ浴びせ続け、アウラは防御魔法と龍のブレスによる砲撃で広範囲を焼き尽くす。

 

 

渦巻く猛風、本来であれば制御を失い墜落するような嵐の中……フリーレンは魔法を駆使し器用に乗りこなす。時には己の風魔法で調節し、大地を伸ばし足場を形成。反動が生じる魔法をあえて撃ち龍の巨体を掻い潜る。

 

 

最早呆れる程の絶技。アウラは内心舌を巻きながら追いすがる。

一見アウラが押しているように見える戦況。しかし時間と共にアウラの全身に生々しい傷が増えていき、どちらが優勢なのかは明白だった。

 

 

医療知識に秀でるアウラは、抉られた箇所を治療しながらも攻勢を止めない。軽い傷は衣類を破り圧迫するように締め上げ、酷い流血は炎で止血し戦闘を継続し続ける。

 

 

燃え盛る平原に絶え間ない爆炎が炸裂し、七色の花を咲かせる。

爆音と衝撃波。大地をズタズタに破壊する灼熱の熱波は高原全てを焼却していく。

 

 

 

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「此処まで差があると少しショックだわ。魔力云々の前に出血死するかもしれないなんて……流石に想定外なんだけど」

 

 

言葉とは裏腹にアウラは一歩足りとも怯まない。

魔族の魂と身体が痛みによる動揺を鈍らせてくれる。

 

 

頑張ったやつは報われなければならない。

享受すべきは魔族の支配などではなく、それに応じた幸福だ。

 

 

こんな子供でも顔を顰める綺麗事がアウラは好きだった。

南の勇者が笑顔でいてくれることが幸せだ、誰かの頑張りが虚しく消えることなく実を結ぶ光景が自分のことのように嬉しかった。

 

 

魔王が君臨していた頃から知っている……この血生臭い現実は、努力が全て報われる程甘くはない。

それがこの世の摂理であり、当たり前というものだ。…だが不条理だと、理不尽だと感じずにはいられないのも確か。

 

 

だからこそ、そんな状況にある誰かが目に入ると放っておけない。

損しかしない生き方でも、後悔せず選んでしまう。

南の勇者が勇者の仮面を外して見せてくれた笑みを思い出して……身体が自然と動いてしまう。

 

 

――フリーレンがどんな風に生きてきたかなんて知らないけど……。魔王を倒せるくらい頑張ったんだから。そんな魔族の傀儡なんてやってないで……さっさと今貴女がいるべき場所へ帰してあげる。

 

 

アウラにとって、それが誰であろうと関係ない。勇者だろうとエルフだろうと眼の前不条理を放置する理由になり得ない。

努力が実を結ばなくとも何か得るものがあるべきだ、そう信じている。

 

 

眼前に展開される魔法陣の数々、籠められた魔力が弾けた瞬間。

術式で変質した火炎が、光流が、雷光が、敵を滅ぼさんと噴き荒ぶのを知っている。

だが、その危険性に怯むだけの理由をアウラは持っていない。

 

 

故に肌が焼かれ、肉が抉れ、血の滴りに目眩を起こそうが喰らいついていく。

回避した光弾が大地を土砂の山へと変える、魔法の規模にそぐわない大破壊を行使しながら、怖気立つ程無機質な瞳がアウラを捉えて離さない。

 

 

アウラも勝ち気な目を釣り上げながら、フリーレンの一挙手一投足を凝視する。

撃ち、反らし、防ぎ。撃つ、撃つ、撃つ。距離を維持するフリーレンへと怯みない猛攻で噛みつき続ける。

 

 

 

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攻めれば攻めるほどに、アウラは血まみれになってく。

止血したはずの片脚に手を当てると、粘着質な血が糸を引き掌を赤黒く染め上げる。

傷が開いたのか、同じ場所に魔法が当たったかはわからないが……ともかくこの状況を維持し続けるのは既に限界だった。

 

 

アウラはここが引き際と定め、フリーレンの防壁を破り接近する決め手を打つことにした。

 

 

――も少し粘りたいけど…リンドブルム、この辺りで決めに入るわ

 

 

「GUAA……」

 

 

 

アウラから流れ込む意思に龍は小さく唸り、目眩まし代わりの炎を広範囲に吹き散らす。

 

距離を取ることを一切許さなかったアウラと龍は、フリーレンから数キロ離れた上空からその姿を見下ろしていた。

 

 

フリーレンの次の行動をアウラは予測出来ない。

無限に枝分かれする選択肢を予想するなど、魔法戦の経験の浅いアウラには不可能なのだ。

不安は残るが、負傷を負いながら……これ以上同じ土俵に立つことは出来ない。

 

 

生半可な一撃では対処されるだけ。

可能な限り消耗はさせた、ならば後は……。

その豊富な対処手段すら意味を成さない、弩級の超火力で全てをねじ伏せるのみ。

 

 

 

 

「――服従の法典(アベディーネ)

 

 

 

……ぶっつけ本番でいくわよ。身体の主導権は私が貰うわ、貴方は私に身を委ねなさい」

 

 

「GUAAA……」

 

 

アウラは天秤ではなく法典を取り出す。本を開き龍の魂から全身の一片まで自身の制御下へと置く。

行うのは、天秤では不可能な瞬間掌握。

 

 

龍の全身に流れる感覚と思考、魔力の流れ、それらが己の身体のように伝わってくる。

より精密により直接的に、一切のラグなく思考をリンクさせていく。

 

 

「術式伝播……全魔力を集中……圧縮、イメージ構築……。駄目ね……魔力制御は貴方が行って。後には引けない……全部出し切りなさい」

 

 

「GU?……GUAAA!!」

 

 

アウラの脳内を行き交う学び獲得した魔法の術理、それらが寸分違わず龍の脳へと同期されていく。

 

 

それは最も多くの人類を殺した魔族の魔法。

人類の歴史に名を刻み、美しいとまで称された史上初の貫通魔法。

 

 

 

人を殺す魔法(ゾルトラーク)

 

 

 

アウラのやろうとしていることまさしく前代未聞の試み。魔物……それも龍相手に人類と魔族が扱う魔法を使わせようとしていた。

完全な制御下であれば理論上は可能……しかし、身体の構造そのものが違う上に魔力の流れも全く違うのだ。

案の定魔法構築の段階で躓くも……アウラは魔力制御を龍へと明け渡す。

 

 

彼女は傲慢な大魔族でも、一方的に支配する独裁者でもない。……魔物の意思と尊厳を尊重する理想的な雇用主だ。

だからこそ、己一人で無理だと悟れば即座に助けを求める。同時に魔物がそれに応じてくれると信じていた。

 

 

龍は鼻息を漏らし当然のように肯定を示す。

やりたいことは脳内に流れている、なら後はそれに沿って補助を行うだけ、美しく入り組んだ水路に魔力という水を流し込むだけだ。

ならばと龍は、主の期待に応え……用意された回路へとありったけの魔力を流し込む。

 

 

「ありがと。

 

 

どうにか出来るならしてみなさい……フリーレン」

 

 

龍の顎が開かれ、龍が保有する全魔力……それらを全て高圧縮した魔力の塊が構築されていく。

それはまるで小さな太陽、今にも暴発しそうなエネルギーが波動が空気を震わせ世界そのものが脈動する。

 

 

対するフリーレンは対ゾルトラーク用の防御魔法へと切り替え多重展開。

最早アウラからはフリーレンの姿が見えない程、分厚く何重にも重ねられていく。

 

 

 

アウラは上等と言わんばかりに笑みを深め、切り札を切る。

 

 

 

 

 

 

「存分にブチかましなさい!!

 

 

 

 

 

――人を殺す魔法(ゾルトラーク)』ッッ!!!

 

 

 

極大のエネルギーが示された指向性に従い放たれる。

瞬間――魔力の塊は赤い閃光となり空間を歪ませ程の衝撃波を放った。

丘や崖……地形そのものを変形させる衝撃の波は留まることを知らずありとあらゆる物体を粉塵とし、遥か彼方へと吹き飛ばしていく。

 

 

 

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その世界を焼く極光と人類が編み出した最新鋭の防御魔法が触れ合った瞬間…

 

 

 

 

 

――ガガガガガガガガガガガガッッッッッッ、キッン!!!

 

 

 

 

 

極光はけたたましい摩擦音を鳴り響かせながら、幾重と重ねられた防御魔法を砕き貫通。

アンチ魔法である防壁など諸共せず、圧倒的出力による力技で全てを破壊せしめる。

 

 

 

貫通した魔法は一秒経たずしてフリーレンの最後の砦である球状の防御魔法へと到達する。

一瞬の抵抗と共に散らされたエネルギーの火花が宙を舞う。

 

 

狙いの位置からズレた。

大丈夫……完全に魔法をコントロール出来なかったとはいえ命中した。

球状に展開された防御魔法の斜め端……ここから全部溶かし尽くして……

 

 

 

 

 

――は?いえ、流石にそれは色々おかしいでしょ)

 

 

 

 

 

 

ギャリギャリギャリギャリッッッ!!

 

 

 

 

 

 

一瞬の拮抗、そのはずだが……独特な摩擦はいつまで経っても鳴り止まない。

アウラはフリーレンを見下ろしながら巫山戯んなと怒鳴り散らしたい感情に襲われる。

 

 

 

 

 

 

球状の防御魔法が――回っていた。 

 

 

 

 

 

回転するボールのように、熱線の勢いを逸らし流すかのように、高速回転していたのだ。

一瞬の拮抗で溶け落ちる防御魔法を回転が一周する前に補強。再び一瞬の拮抗へと繋げていく。

一切想定していなかった変態的な技を披露されアウラは呆然とする。

 

 

 

逸らされたエネルギーはそのまま高原の大地を走り、雲を突き破らんばかりの火柱を上げていく。

炎の帯がどこまで続き伸びていく。

そして遂にはグラナト伯爵領からうっすらと見える、数百キロは先にある広大な雪山まで到達。……後方の山々も巻き込み消し飛ばしてしまった。

 

 

 

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障害物のなくなった熱線は空へと直進し只管伸びていく。

アウラはその威力を見て、再度フリーレンを観察する。完璧に対応されたと思い込んでしまったが、如何に人類最高峰の魔法使いとはいえ、完璧に凌ぐなど不可能なはずだ。

 

 

目を凝らし凝視する。徐々にだが球体全体に罅が走り熱線の接地面が脆くなっていた。

それは防御魔法の修復が回転速度に追いついていないことを意味する。

 

 

「ッ……リンドブルム!このまま吐くまで打ち続けなさい!ようやく一発決める好機到来よ!!」

 

 

 

 

 

 

Ga……

 

 

 

 

――GAAAAAAAA■■■ッ!!!!

 

 

 

 

アウラの声援と共に熱線は更に太く勢いを増していく。それに合わせ龍の高度が落ちていく……飛行に回す魔力すら絞り出しているようだ。

 

 

だがそれも一瞬、放たれる熱線は徐々に先細り消えていく。

しかし間に合った。

 

 

 

ビキビキビキッッ!!

 

 

 

 

防御魔法全体に限界を示す深い亀裂が走り……――砕かれた。

龍の頭部から飛び降りたアウラが上空から蹴りを叩き込みフリーレンの前へと舞い降りる。

 

 

背後に龍が墜落する落下音と共に土煙が場を満たし、ギュッという音と共にフリーレンの瞳に拳を握りしめた魔族の姿が映り込む。

 

 

「ご苦労さまリンドブルム。さぁ……お目覚めの時間よフリーレン!」

 

 

拳が迫る、肩の入った右ストレートがフリーレンの頬へと吸い込まれていく。

逃げられないように左肩をがっしり捕み、アウラの拳がスローモーションとなりフリーレンへと振り抜かれる。

 

 

 

 

「――ぶ、ふぅ!!!??」

 

 

 

魂に狙いを付けた渾身の右ストレートパンチが炸裂。

鈍い音と共にフリーレンの首が90°回転し口内の唾液が叩き出され夜空にキラキラと舞う。

 

 

自力で脱出不可能な程強力な幻覚も冷めさせ、三日三晩の眠気も覚める魂を覚醒させる強烈なブローだ。呪いを解除出来ない以上、自力で帰ってきて貰うほかない。アウラの拳は確かにフリーレンの魂を捉え打ち据えた……後は信じてもいない神に祈るだけだ。

 

 

「フリーレン……正気に戻ったかしら?」

 

「……痛い」

 

「ち、治療くらい後でいくらでもしてあげるわよ、それより呪いから覚めたの?あ、一応言っておくけど私は魔族だけど別に敵……じゃ―――」

 

 

フリーレンは赤く腫れた頬を撫でながら痛いと元気無く呟いた。

アウラは正気に戻ったのかと問いかけるが、肝心の答えは無く二度問いかける。敵じゃないことをアピールするように声を数トーン高めて語りかけるも……

 

 

 

――話の最中にアウラの全身が揺れる。

 

 

 

胴体へと熱が走り喪失感に満たされる。まるで一気に体重でも落ちたかのように全身が軽く、本来あるべき部分への喪失で頭が満たされていた。

 

 

熱くてどうしようもない部分……横腹を掴もうと手を伸ばすも、そこには何も無かった。

伸ばした手は空を切るのみで何も触れられない。

 

 

アウラは油汗をかきながら視線を下に向ける。フリーレンの垂れ下がる腕に握られる杖の先が極々自然にアウラへと向けられており……その直線上にある脇腹がゴッソリ抉り取られていた。

 

 

アウラは己の失敗を悟る。

魂を揺さぶるだけではグラオザームの呪いを脱することは叶わず、至近距離で致命傷を貰う結果となった。

 

 

失敗した場合は考えていない。

アウラは魔族の強烈な生存本能のままに動く。フリーレンの肩を鷲掴みにしたまま獣地味た動きでヘッドバットをお見舞いする。

 

 

「ま、こうなるとは全く考えていなかった訳じゃないけど。フリーレン……あんた寝相悪すぎるわよッ!!――ぅ゛!?」

 

「――ぶ、ふぅ!?」

 

 

 

ガンッ!!

 

 

 

鈍い音が炸裂。フリーレンの鼻から鼻血が吹き上がり、再びアウラの身体が跳ねる。

フリーレンが頭突きで怯むと同時に放った魔法がアウラの左手から肘を消し飛ばしていた。

 

 

 

 

「う゛…ごふぅ…」

 

 

 

アウラの意識が点滅しフラフラと空から落ちていく……飛行魔法を維持する余裕は無く、重力に従い落下していく。

頭部から真っ逆さまに燃え盛る地面に落ちていき、このまま衝突するかと思われた瞬間。

黒い四足歩行の影がアウラを受け止め攫っていく。

 

 

「……ご、ほぉ……貴女、まさか街から私を追ってきたの?見ての通りリンドブルムは飛べないしわ……逃げるなら私を置いて逃げなさい。フリーレンの最終的な狙いは私だけ……ぅ……」

 

 

それはフリーレンから逃げ、共に街中を駆け回った猟犬達の母親。

燃え盛る大地を器用にジャンプし安全地帯を進んでいく。

 

 

「ガウガウ」

 

 

フリーレンから距離を離すように走る猟犬は、アウラの安否を確認するかのように吠える。

大きく抉れた脇腹から止まること無く、血液が溢れ出し猟犬の毛へと染み込んでいく。人間であれば誰がどう見てももう助からない。そう理解出来るだけの致命傷を負っていた。

 

 

かろうじて魔力で構築された頑丈な魔族の身体、という要素一つで息を繋いでいるに等しい状態だった。

傷口から魔力流出が止まらない。アウラは残った片腕で服を破き、口に噛ませ歯を食いしばる。……そして脇腹の肉を一気に焼き尽くす。

 

 

苦悶の表情で処置とも呼べない延命を行う。

血は止まった。しかし本当にただ止めただけだ。損傷部位が大きすぎた……最早生命を生き永らえさせる血の巡りは詰まり、致命的なまでにエラーを引き起こしていた。

 

 

数秒先を数分にまで伸ばす……アウラに出来たのはその程度のことだけだった。

 

 

猟犬は主人のそんな様子を見て首を横に振る。アウラを置いて逃げるなどという提案に対し断固拒否の姿勢を示す。

 

 

「ぐうぅッ~~!?はぁ……か、はぁ……ッ流石に痛いわね……。はぁ……頑固者。なら私のお願いをきいてくれるかしら?」

 

「ガウ…ガウ?」

 

 

頑固者はお前だと言わんばかりに猟犬は呆れの溜息を漏らし、意図を問うように首をかしげる。

共に逃げるのなら願うまでもないと、猟犬は脚を早めて灼熱の大地を駆ける。

 

 

「ふふ……逃げる?この私が……有り得ない。ひゅーひゅー……わ、わた、私の方が圧倒的に優位なんだもの」

 

 

「……くぅ~ん」

 

 

濃密な死臭を放っておいて何を言っているのか。猟犬は息も碌に出来ていない主人を背負い返事に困ってしまう。

ただ……間もなく死を迎える主人への嘆きを漏らさずにはいられなかった。

 

 

アウラはこんな状況でも勝ち気な笑みを崩さない。今さっきのフリーレンとの接触で確信できた。

猟犬の協力さえあれば目的は果たせると。

 

 

「死ぬ?……私は五百年以上生きた大魔族だ。そう簡単に死ぬ、わけないじゃない……はぁ……――げほぉッ!?ふぅ……」

 

「……ガウ」

 

 

徐々に言葉を紡ぐ言葉すら弱々しくなっていく。気管に詰まった血の塊が咳と共に首筋を伝っていく。

猟犬は痛々しくも気丈に振る舞う主人を見て首を縦に振る。それを見たアウラ倒れ伏したまま背を撫でる。

 

 

「……ありがと。これは……多分私の最後の我儘になるかもしれないわね。何も聞かずフリーレンの元に連れて行って頂戴……出来るかしら?」

 

 

膨大な魔力を消費させたとはいえ、これだけ距離を離した以上、もう一度フリーレンによる狙撃の嵐が見舞われることは確実だ。

アウラは無茶難題と知りながら、そんなお願いを付き合いの長い猟犬へと頼み込む。

 

 

「ガウ……」

 

 

行った所で何が出来る、なんて野暮なことは聞かない。

猟犬は得にもならない無駄なことに命をかけてしまう困った主人を鼻で一笑し、来た道を戻り逆走する。

 

 

「そう、良い娘ね……ゴ、ふぅ……ふぅ。それと南の勇者がフリーレンを殺しそうになったら止めて頂戴。勢い余って……なんてされたら全部台無しだから」

 

 

アウラのボソボソ呟く追加の頼み事を猟犬は聞こえていないとばかりに無視を決め込む。

自分で止めろと言いたいのか、全く答える気配がない。

 

 

「全く……――さっそくきたわよ」

 

 

夜空を映すアウラの瞳に小さな陰が見えた、フリーレンだ。

もう嫌という程見慣れた青白い閃光が向かってくる……アウラは何かするでもなく、頼んだわ、と猟犬の背を叩く。

 

 

猟犬は遮蔽物を駆使し立体的に駆け回る。

リンドブルムが大暴れし作り出した岩石や燃え盛る炎でフリーレンの視線に入らないよう接近していく。

 

 

さしものフリーレンもこれ以上魔力を無駄に消費出来ないのか、弾幕が想定よりも遥かに薄い。

嬉しい誤算だ。しかしアウラにはフリーレンなら想像も及ばない手で対処してくるだろうなという嫌な信頼があった。

 

 

その予感を的中させるように、背後から地面を震わす振動音が聞こえてくる。

ゴーレムだ。それも城ぐらいはある巨大なゴーレムが立っていた。

 

 

「ゴーレム……あんな足の遅いものでなにができ――全力で走って」

 

「が、ガウ!?」

 

 

造形に拘り抜いた特異なゴーレムを除き、簡易な石塊を重ねたようなゴーレムは動きが鈍い。

それも城ほどに巨大となれば、その鈍さは実戦では使い物にならないレベルだ。

 

 

――なのに……どうして、あんな飛び跳ねてるのよ……。

 

 

その巨大なゴーレムは……

 

 

――ブレイクダンスをしていた。

 

 

巨大な粉砕機が如き高速回転を披露しながら、周囲の瓦礫を粉々に打ち砕きアウラ達に接近してくる。

その軽快さと身のこなし、まさにただダンスをしているだけの挙動。

 

 

一見巫山戯ているように見えるそれも、その質量と範囲が合わさり全く笑えないものになっていた。

瓦礫に身を隠そうが、射線を避けようが関係ない、追いつかれた瞬間ミンチにされる。

 

 

猟犬は脚の回転速度を更に上げゴーレムの追跡から逃れようと走る……しかし、こちらが瓦礫を避けて走るのに対し、ゴーレムは障害物などお構いなしに砕いて直進してくる。

 

 

一歩……ではなくダンスで滑る速度が早すぎる。

力なく倒れ伏すアウラへと巨大ゴーレムの影が差し迫っていく……そうして猟犬の尾が今にも摺り下ろされる瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

G■■■…GYYAAAAAAA!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

馴染みある咆哮が大地に轟き、長く巨大な影が蛇のように地を這いゴーレムに絡みつきその動きを止める。

ギチギチと音を立て踊りだそうとするゴーレム締め上げ、その動きを完全に静止させていた。

 

 

アウラはその蛇……否、龍に向かい礼を告げるように片腕を上げ感謝する。

龍もそれを見届けアウラを後押しするように咆哮をあげた。

 

 

 

再び魔法による狙撃が始まるも、アウラは既にフリーレンの脚元まで到達していた。

猟犬は近場で一番高い岩石に上り一際大きく跳躍する……そして――背負っていたアウラを頭に引っ掛け、フリーレンの浮かぶ方角へと全力でぶん投げた。

 

 

 

アウラは温存していた最後の力を振り絞りフリーレンを見据え放物線を描き飛んでいく。

 

 

 

「すぅ……はぁ……これで最後よフリーレン。仲間っていいものでしょ、貴女にも待ってる仲間がいるんだから、早く帰って安心させないとね」

 

 

 

全身の力を右腕に集め掲げる。やることは依然変わりなく。

フリーレンの顔面に一発叩き込む、それだけだ。

 

 

 

 

「ヒンメル、アイゼン、ハイター……来るよ」

 

 

 

 

仲間の名を呼び、背を預けるように信頼しきった顔。

アウラはその顔を見て苛立ちを隠さない、血を吐き思いの丈を吠えまくる。

 

 

 

 

「…いい加減にしときなさいよフリーレン……。

 

 

貴女の仲間は――まだ生きてるじゃない!?

 

 

思い出に浸るのだなんて百年早いわよ!

 

 

仲間は二人生きてて、自業自得で牢に入れられても見捨てず走り回ってくれる仲間がいるんでしょ!?

なのに……何、ぬるま湯に浸かってそんな人達を蔑ろにしてるのよ!

 

 

 

聞こえてない……そんなの知らないわよ!大きなお世話、そうねぇ!!勇者ってのはどいつもこいつも他人のことばっか考えてるお人好しな上、自分のことは後回し……そんな勇者が大切に思っていたあんたが!こんなことになってるのを……

 

 

 

――私は黙って見過ごせないのよ!

 

 

 

聞こえてないと理解して尚吠えるの止めない。

閃光が瞬きアウラの進路上に魔法が添えられる。身を捩り即死だけを回避する。

身体が軽くなる……アウラには見なくてもわかる、左肩から腕が完全に消えていた。

 

 

だがそれがなんだというのか、今のアウラに死の恐怖はない。

あるのは自身の信念と行動に従いそれを果たせないことへの恐怖のみ。

このままグラオザームの策略通り、フリーレンが一生人形として生きるかもしれないという反吐が出そうになる怒りだけがアウラを突き動かしていた。

 

 

どこまでいってもそれはただの我儘だ、自分の命すら顧みない大魔族らしい傲慢な考え。

綺麗事が好きで、愛した人がそんな自分の行いを好きだと言ってくれた。

 

 

 

自分に恥じない自分でいるため。好きな人にずっと好きだと言って欲しくて。ただ助けたいから助ける。許せないし我慢できない。気がつけば身体は動いていた……難しいことなんて何一つない。

 

 

 

全てアウラの感情論、命を賭してフリーレンを助ける理由はたったそれだけだった。

 

 

 

「貴女はよく知ってるでしょ、私は魔族。こんなデリカシーのないことも平気で言っちゃうし、行動にも移すわ!……貴女がどんな思いで!どんな顔で!どんな気持ちで勇者の死を看取ったかなんてわからない!

 

だけどねぇ……!大切な人との思い出をこんなクソみたいなことに利用されて……

 

 

 

 

 

 

 

――へらへら幸せそうに笑ってんじゃないわよ!」

 

 

 

 

 

 

拳を握り掲げる、放物線は最高地点を通過しアウラは勢いを増しフリーレンへと襲い掛かる。

杖先がアウラの頭部に向けられる、フリーレン程の腕があれば外すことは決してないだろう。

それはアウラも理解している、だがここまで来たのなら最後までやり切るしかない。

 

 

 

魔力が収束し閃光が弾ける瞬間……――空気を先何かがフリーレンへと飛来する。

 

 

 

 

 

 

一般攻撃魔(ゾルトラー)――っ!?」

 

 

 

 

――ガ、キンッ!!!

 

 

 

 

フリーレンは魔法を中断し防御魔法を展開、その飛来物は防御魔法を半分ほど貫通し停止する。

それは剣。人間が握ることの出来ない程大きな西洋の大剣がフリーレンを意識を完璧なタイミング逸らしていた。

 

 

 

 

秒にも満たない僅かな隙……しかしアウラが拳を振り下ろすまでの時間としては十分過ぎる程だった。

 

 

 

アウラはフリーレンの魂へと直に触れ、その魔力残量を正確に測ることが出来ていた。

目に見えるものは一切信用ならない。だが魂は正直だ、今のフリーレンは既に魔力を一割も残していない。

 

 

 

アウラに至っては魔力流出によってほとんど底をついているに等しい状況だ。

だが諦めはしない。目的を達することが出来る可能性は最初よりも遥かに大きいのだから。

アウラはフリーレンに対し魂の隷属を試みる。

 

 

フリーレンの魔力は残り僅か、しかし呪いの支配下におくにはアウラの魔力では不足している。

だから親の力を借りることにした……アウラはフルーフの娘だ、当然自身の魂を燃料にする方法を知っている。

 

 

天秤へと燃え盛る魂を焚べフリーレンの魔力を瞬間的に上回り、支配下に置きその一瞬で呪いで歪む意識を正常に戻す。

呪いの影響を呪いで上書きする。アウラはやるべきことはたったそれだけだ。

 

 

 

 

 

(『魂を魔力に変える魔法ッ』(ゼーレ…エンダーッ) )

 

 

 

 

フリーレンにアウラの拳を防ぐ手立ても時間も既にない。

アウラは喉が避ける程感情を高ぶらせ、最期を飾るように大きく吠える。

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女が魔王を倒した勇者の仲間だって胸張って言うなら!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………いい加減目を覚ましなさいよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ヒンメルはもう……いないじゃない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――」

 

 

 

 

 

 

 

「歯ぁ食いしばりなさいフリーレン…… 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――『服  従  の ………(ア、ゼェ゛………)

 

 

 

 

 

 

 

―――天  秤  !  !  !(リュ゛ゥ゛ッッ゛ゼェ゛----ッ!!!) 

 

 

 

 

 

 

 

 

落下する勢いを乗せた拳が振り下ろされ、握りしめる掌には天秤が握られている。

かざす余裕も効果範囲も無い、だから直接魂に天秤を叩きつけてやる。

 

 

 

 

呪いを纏ったアウラの拳は、フリーレンの赤く腫れた頬へと吸い込まれていき。

 

 

 

 

――ーゴ、きッ!!

 

 

 

 

「―――ん、ぶぅふッ!?」

 

 

 

 

完璧無欠のクリーンヒット。

 

 

拳を通し魂を強引に天秤の皿へと押し付け――隷属は完了。

魂の専門家であるアウラにとって隷属下の魂など自由自在に弄り回せて当然なのだ。

ほんの微かな一瞬で、アウラはグラオザームの施した幻影の無力化に成功した。

 

 

 

 

――はぁ…しんどかったわ。

 

 

 

 

全ての力を使い果たしたアウラとフリーレンは真っ逆さまに落ちていく。

そしてデジャブのように黒い影が飛び出しアウラとフリーレンを背負う。

 

 

 

 

アウラは背に乗せられフリーレンは首根っこのマントを咥えられ首が締まっていた。

 

 

アウラはゆっくりと地面に下ろされ光の無い瞳で夜空を見上げる。

フリーレンは適当に放り投げられ地面に打ち付けられる。頬の痛みで悶絶しているのかイモムシのように縮こまり呻いていた。

 

 

――馬鹿なことをしたとは思うけど……そう悪い気分でもない。案外スッキリ逝けそうね。ただ……南の勇者が気がかりなのと、最後にお母様の顔を見られないのは残念ね。

 

 

「フリーレン……あなた。私がここまでやったんだから精々……長生きしなさい」

 

 

返事は無い、意識が遠のく中アウラは“どれだけ痛がってるのよ”と愉快そうな笑みを見せ瞼を下ろす。

全身が粒子となり崩壊していく感覚の中……ただじっと静かにその時を待つ。

 

 

 

「……ひ……ア……ッ!!!!!!!!わ、……す め……!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそんな生者が終わりを迎える瞬間に……絶叫が遠くの空から聞こえてくる。

それはどんどん近づいてきて、益々大きな声で絶叫する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――え、何……遠くから…――煩ッ!こっちは静かに終わりを迎えたいのに……夜中なんだから静かにしなさいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉおぉ!ちょぉ!?ちょっと~~!し、死なないでぇ!私の娘!!アウラちゃぁ~~ん!!お母さんが来ましたよ!!だから待って!まだ死なないで!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――これが走馬燈ね……お母様の間抜けで騒がしい幻聴が聞こえてくるわ。最後にお母様の声が聞こえてだけで私は満足よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ば!?そのままだと死ぬ!マジで死んでしまいます私・の・娘ぇ!!目を目を閉じないでぇ!後五秒…いや三秒でいいんで!お願い!お願い!お・願・い・し・ま・すぅ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、うるさ。

もう覚悟を決めていたアウラであったが、ほんの少し様子を窺うように首を傾け夜空を見上げる。

 

 

 

すると空には一筋の赤い流星……ではなく。

 

 

 

――真っ二つにされた胴体から臓物を撒き散らし空を飛ぶ変態の姿があった。

失った部位を半端に高速再生させながら血の噴射でアウラ達の方へと向かってくるフルーフがいた。

 

 

アウラは一瞬幻聴に続き幻覚かと自身の正気を疑うも……余りに煩い娘死なないでコールに確信する。

あれは……本物だ。

 

 

 

 

 

「……え、キモ。えぇ、あのキモさは……本物のお母様で間違いないわ」

 

 

 

 

 

こうして500年ぶりに魂で繋がった娘と母親はグラナト伯爵領前……焼け野原と化した高原で再会する。

ちなみにフリーレンは殴られた頬が痛すぎてずっとメソメソと泣いていた。

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