ソリテール様結婚しましょう…貴方が旦那様です。 作:ごすろじ
▶上
ある夕暮れ、少年デンケンの家を魔族が襲った。
両親は目の前で殺され、家は炎に呑まれ、彼の世界は一瞬で灰色に染まった。
何も守れなかった無力感と、感情の欠片もない魔族の瞳が、幼い心に深い傷を刻む。
身寄りを失ったデンケンは、遠い親戚にあたる城塞都市ヴァイゼの領主グリュックの屋敷へ引き取られる。
心を完全に閉ざした彼は、誰とも口をきかず、与えられた広すぎる部屋に閉じこもった。
そんな彼に根気強く寄り添ったのが、グリュックの娘レクテューレだった。
彼女自身も母を病で、兄を政争で亡くしていた。
しかし痛みを知るからこそ、彼女はデンケンを放っておけなかった。
毎日三度、律儀に扉をノックし、返事がなくても廊下に座り込んで食事を共にし、蝶の話や料理の話など他愛もないことを語りかけ続けた。
三週間が過ぎた頃、デンケンは初めて扉越しに「おはよう」と返した。
やがて「母さんの作るシチューが好きだった」と過去形で自分の話をし、レクテューレが「一緒に作らない?」と誘えば、戸惑いながらも拒絶はしなかった。
「俺には作ってあげる相手もいない」と呟くデンケンに、レクテューレは叫ぶように言った。
「私がいるじゃない!」と。
グリュックの命により、魔族でありながらヴァイゼに仕える七崩賢の一人マハトがデンケンの魔法指南役となる。
デンケンは師が魔族であることを承知の上で、憎悪を燃料に驚異的な速度で魔法を習得していく。
湖を越えた岩盤を一般攻撃魔法で撃ち抜く才能を見せ、マハトすら感嘆させた。
訓練の合間に届くレクテューレの手作り弁当、「魔法、楽しい?」という素朴な問い、「いつか楽しいって思える日が来るといいな」という願い。
憎悪一色だったデンケンの心に、彼女の存在が少しずつ別の色を差し込んでいく。
季節が何度も巡り、デンケンの背中は確実に変わっていった。
マハトの多重防御を初めて破った日、彼は嬉しさという感情に戸惑い、レクテューレの笑顔を見るたび正体不明の温かさに胸を締め付けられた。
二人で街へ出かけた日、本屋で魔法書に目を輝かせるデンケン、広場で旅の楽師の音楽に合わせてぎこちなく踊る二人、そして食堂でレクテューレが真っ直ぐに告げた言葉。
「デンケンのことが、好きだから」
慌てて「友達として」と取り繕う彼女の真っ赤な顔。
そしてデンケンもまた「嫌じゃない」と不器用に返すのが精一杯だった。
帰り道、今度は自ら手を差し出したデンケン。
はぐれないための言い訳はもういらなかった。
握り返された手の温もりが、憎悪とは全く違う新しい力の渇望を彼の心に芽生えさせた。
▶中
想いを通わせてから、二人の日常は小さな幸福で満たされていった。
朝の挨拶で目を合わせて微笑み、訓練の合間に視線を送り合い、夕食後は肩が触れる距離で読書をする。
デンケンは魔法の楽しさに目覚め、レクテューレに光の魔法を教え、彼女の手のひらに蛍のような光が灯った瞬間、二人は子供のように喜び合った。
雷の夜、雷鳴に怯えるレクテューレの手を握り「俺がいる」と告げたデンケンは、ついに「お前のことが好きだ。一人の女性として」と告白する。
レクテューレも「一人の男性として、大好き」と応え、二人は初めて抱き合った。
デンケンは彼女を守れるくらい強くなると誓い、レクテューレはその誓いを涙で受け止めた。
だがデンケンは、レクテューレの隣に立つにふさわしい男になるため、ヴァイゼ軍への入隊を決意する。
身分も財産もない自分が領主の娘と結婚するには、実力で地位を勝ち取るしかない。
レクテューレは寂しさを堪えながらも彼の決断を応援し、旅立ちの前夜、デンケンは青い石の銀のペンダントを護符として彼女に贈った。
二人は初めて口づけを交わす。塩辛い、涙の味がした。
グリュックは「必ず生きて帰れ。立派になったら二人で私の前に来い」と送り出した。
軍での日々は過酷だったが、毎日欠かさずレクテューレに手紙を書き、彼女からの返事が唯一の光だった。
初めての魔族討伐で死の寸前に追い込まれた時、脳裏に浮かんだのはレクテューレの笑顔だった。
「こんな所で死ねるか」という一念が奇跡的な防御魔法を生み出し、彼は魔族を討ち取った。
数年にわたる功績の積み重ねの末、デンケンは魔導大尉に昇進。
一週間の休暇で屋敷に戻り、グリュックの前で正式にレクテューレとの結婚を願い出る。
グリュックは「許す。レクテューレを頼んだぞ」と応じ、レクテューレは「彼と共に生きていきたい」と即答した。
結婚式。
純白のドレスに身を包んだレクテューレと、正装のデンケン。
「病める時も、健やかなる時も、死が二人を分かつまで」の誓い。
レクテューレは「健やかなる時」がもう僅かしか残されていないことを悟りながら、それでもこの瞬間の幸せだけを心に刻んだ。
新婚生活は夢のように穏やかだった。
だがデンケンの出世に伴い不在は長くなり、レクテューレの体には静かに病魔が忍び寄っていた。
止まらない咳、消えない倦怠感、立っていられないほどの眩暈。
彼女はそのすべてを夫に隠し、「幸せな妻」を演じ続けた。
デンケンの輝かしい未来に影を落としたくなかった。
ある夜、偶然目にした妻の激しい咳と死人のような顔色に、デンケンはようやく真実を知る。
医者の宣告は残酷だった。「根本的な治療法はありません」。
デンケンは全財産を投じて治療法を探し回るが、レクテューレの衰弱は止められなかった。
帝都への栄転が決まり、デンケンは妻を救う治療法を求めて帝都とヴァイゼを何度も往復する狂気じみた二重生活を送った。
帰るたびにレクテューレは最後の力を振り絞って健康を装い、それが逆に彼女の命を削っていた。
デンケンの愛が、知らず知らずのうちに彼女を殺していたのだ。
容態が急変し、駆けつけたデンケンに、レクテューレは最後の願いを告げる。
帝都での叙勲式に出てほしいと。「あなたの努力の結晶を、私のせいで無駄にしないで」。
出発前夜、二人は最後の踊りを踊った。
音楽はない。月明かりの中、ただ抱き合って揺れるだけの踊り。
「約束は果たされたわね」とレクテューレは微笑んだ。
帝都の祝賀会の最中、使者が届けた一行の手紙。
「レクテューレが、昨夜、安らかに息を引き取った」。
デンケンの手から勲章が滑り落ち、大理石の床で空虚な音を響かせた。
▶下
レクテューレの葬儀の後、デンケンは彼女の部屋に引きこもった。
残り香、読みかけの本、開かれたままのページ、青い石のペンダント。
幸せだった記憶の一つ一つが刃となって心を切り刻む。
食事も拒み、友人レルネンの慰めにも「俺の人生は彼女と共に終わった」と突き返した。
夜の庭で、レクテューレが植えた青い花の前に崩れ落ちたデンケンの背後に、一人の女が現れた。
白髪に赤い眼、シルクハットを被った謎の女フルーフ。
彼女はデンケンとレクテューレの事情を詳細に知っており、二人が互いを想うあまり互いを傷つけ合った皮肉を、容赦なく言葉にした。
「仮に彼女を取り戻せるなら、悪魔と取引する覚悟はありますか?」
デンケンは迷わなかった。
「命でも魂でも好きなだけ」。
フルーフは覚悟を何度も確認した。
人殺しを要求されるかもしれない、愛を踏みにじることになるかもしれない、生き地獄を味わうかもしれないと。
それでもデンケンは頷いた。
レクテューレに生きていてほしい、ただそれだけのために。
フルーフは既にレクテューレの遺体を墓から回収し、精巧な複製と入れ替え済みだった。
マハトの監視の目を盗み、城壁に掘った穴から二人は脱出。
森の奥で待っていたのは、フルーフの協力者アインザーム。
異形の魔物でありながら聖典とロザリオを持つ僧侶だった。
彼はフルーフの息子であり、亡き妻マキナを救えなかったフルーフの過去を共有する存在だった。
禁忌の蘇生魔法が始まった。
フルーフは自身の魂を燃料にして死者の魂を引き戻し、肉体を修復。
アインザームが聖典の治癒魔法で全身を癒し、意識を制御した。
そしてフルーフは、レクテューレの病の正体を看破する。
魂から生成される魔力の循環不全。
魂に起因する病を、魂を知覚できない医者が治せるはずがなかった。
フルーフは自身の魂を切り分けて作った特殊な寄生生物をレクテューレの体内に植え付けた。
滞留する魔力を吸い上げ、濾過し、全身に送り出す「第二の心臓」。
不治の病への対処療法だが、確実に機能した。
レクテューレの顔色は桃色に戻り、力強い鼓動が蘇った。
蘇生が成功した瞬間、フルーフは崩れ落ちた。
かつて義娘マキナを救えなかった後悔が、デンケンとレクテューレを救うことでようやく解きほぐされていく。
アインザームに抱きしめられながら、フルーフは子供のように泣いた。
「ごめんなさい、マキナ」と。朝日の中、義娘の声が聞こえた気がした。
「許します。大好きです、義母さん」と。
目を覚ましたレクテューレは、泣きじゃくる夫の顔を見て微笑んだ。
二人は互いの過ちを認め合い、もう二度と手を離さないと誓い直した。
馬車の中で、アインザームが契約の対価を説明する。
生涯の対価は「半年に一度の定期検診」。
治療維持のため、フルーフの命から生成された赤い石を毎日一粒服用すること。
副作用として、レクテューレはほぼ不老となる。
夫だけが老い、妻だけが若いまま残される未来。
デンケンは「共に生きられるならそれ以上の望みはない」と即答した。
治療費としての三つの対価。
第一に、ヴァイゼには二度と戻らないこと。
マハトがレクテューレの蘇生を知れば、感情を知る実験として彼女を殺す可能性があるため。
第二に、帝国の宮廷魔導師を辞職すること。
死亡したはずの妻の存在が帝国に露見するリスクを排除するため。
第三に、他国で名を上げ重役になること。
レクテューレの不老という異常を「高位魔法使いの秘術」として納得させる権力の鎧を築くため。
そしてフルーフが本当に求めた対価は、ただ一つ。
「幸せであり続けること」。
その光景を見せ続けてくれることが、かつて義娘を救えなかったフルーフの魂を癒す唯一の方法だった。
レクテューレはすべてを受け入れた。
父グリュックに会えない悲しみも、故郷を捨てる辛さも。
そして静かに、しかし力強く宣言した。
「いつか、二人でマハトにお仕置きしてあげましょう」。
復讐ではなく「お仕置き」。
父の友人であり夫の師である魔族への、娘としての責任と情の形だった。
デンケンは妻の強さに背中を押され、共に歩む決意を新たにした。
▶終
五十年の歳月が流れた。
デンケンは約束通り帝国を離れ、他国で宮廷魔法使いの頂点にまで上り詰めた。
皺が深く刻まれ、口髭を蓄えた老境の男。
その隣には、五十年前と変わらぬ若く美しい姿のレクテューレが寄り添っている。
傍目には奇異な組み合わせだが、二人の間には半世紀以上を連れ添った夫婦だけが持つ深い信頼が満ちていた。
北端の港街シンビオシスで、フルーフとソリテールの結婚式が行われた。
泣きじゃくりながら「愛してます!」と叫ぶフルーフと、静かに「誓うわ」と応えるソリテール。
魔族と人間、あらゆる常識を超えた二人の祝福の場に、デンケンとレクテューレは来賓として招かれていた。
「儂らは約束を果たせているだろうか」とデンケンが問えば、レクテューレは「ええ、きっと」と微笑む。フルーフが涙の顔でこちらを見て笑い、レクテューレは大きく手を振り返した。
「いつ若返ってくれるの?」とレクテューレがせがむ。
フルーフの技術を使えばデンケンの老化も巻き戻せる。
だが彼は「まだいい。引退してからだ」と渋る。
レクテューレは「もっと強くなって、マハトにお仕置きしないと」と目を輝かせ、デンケンは苦笑しながらも「どこへでも付き添おう」と応じた。
祝福の鐘が鳴り響く中、老人と少女のような夫婦は肩を寄せ合う。
かつて交わした「生きる意味を忘れない」という誓いは、五十年の歳月を越えてなお、二人の胸に温かな灯火として息づいていた。
レクテューレがフルーフに願ったことにより、体内の寄生生物には最後の仕掛けが静かに眠っていた。
キャラクター詳細
デンケン
概要: 本作の視点主の一人。幼少期に魔族に両親を殺され、ヴァイゼの領主グリュックに引き取られた魔法使い。
経歴: 復讐心からマハトに師事し魔法を学ぶが、レクテューレの愛に触れて生きる意味を取り戻す。彼女に相応しい男になるため軍に入隊し、大尉にまで昇り詰め結婚。しかし彼女が不治の病に倒れ、治療法を求めて帝都の宮廷魔導師団へ出向するも間に合わず死別する。その後、 絶望の中、フルーフと「悪魔の契約」を交わし、自身の生涯を対価に妻を蘇生させる。契約の条件に従いヴァイゼと帝国を捨て、他国で宮廷魔法使いのトップに君臨。50年後には老人となっているが、不老の妻と共に幸せな余生を送っている。
レクテューレ
概要: 視点主の一人。ヴァイゼの領主グリュックの愛娘で、デンケンより9つ年上の妻。
経歴: 過去に母と兄を亡くしている。心を閉ざしたデンケンに寄り添い、彼を深い愛情で包み込んだ。不治の病に侵されていたが、夫の未来の邪魔にならないよう病状を隠し、孤独の中で息を引き取る。その後、フルーフとアインザームによって蘇生される。治療の副作用(赤い石の服用)により「不老」となり、50年後も20代の若々しい姿を保っている。デンケンから自衛のために「ゾルトラーク」や防御魔法などを仕込まれ。北部魔法隊から「ソルガニール」を独自に教わっており、過剰防衛気味なほどの戦闘力を身につけている。
フルーフ
概要: 自称「悪魔」の白髪・赤黒い眼の女性。実際は常軌を逸した不死性と理外の技術を持つ「ただの人間」。
内面: 過去に義娘を病で救えなかった深い後悔と呪縛を抱えており、デンケン夫婦に過去の息子夫婦を重ね、救済の手を差し伸べる。口では悪逆非道なことを嘯くが、本質は極度のお人好し。だが、優先順位は常に明確であり冷酷でもある。
アインザーム
概要: フルーフの義理の息子(マキナの夫)であり、蘇生の協力者。擬態時には長身の男の姿をとるが、正体は下半身がなくの霧を纏う魔物「幻影鬼」。
特徴: 魔物でありながら聖典を持ち、女神の加護(高度な治癒魔法)を扱う。空洞の眼窩には、亡き妻マキナから受け継いだ「夕焼け色の炎」が灯っている。フルーフの良き理解者であり、ツッコミ役。
グリュック
概要: ヴァイゼの領主でレクテューレの父。七崩賢マハトを魔法指南役として囲い、共犯関係を結んでいる。娘の幸せを誰よりも願っていた。
マハト
概要: 七崩賢、黄金郷のマハト。デンケンの魔法の師。人類の感情(悪意や罪悪感)を理解するためにグリュックに仕えている。アインザーム曰く「感情を知るためならレクテューレをデンケンたちの目の前で殺しかねない爆弾」であり、デンケンたちがヴァイゼを捨てて逃げる最大の理由となった。
マキナ
概要: フルーフの義娘であり、アインザームの亡き妻。病で命を落としており、フルーフが死者蘇生や魂の魔法を極めるに至った元凶であり原動力。
【重要な設定・用語】
魂の魔力循環不全
レクテューレを死に至らしめた不治の病。肉体や魔力器官の欠陥ではなく、「魂」から生み出される魔力が肉体へ正しく循環せず滞留し、内側から肉体を衰弱させる。魂を知覚できない現代の医師や魔法使いには原因の特定すら不可能だった。
悪魔の契約(フルーフがデンケンに要求した対価)
フルーフがレクテューレを蘇生・治療する代わりにデンケンに課した条件。悪魔の契約と称しているが、実態は「二人が安全に幸せに生きるための道筋」である。
生涯の対価: 半年に一度の定期検診、赤い石の毎日服用。そして「誰よりも幸せになり、それをフルーフに見せつけること(フルーフ自身の魂の救済のため)」。
治療費(安全確保の枷)としての3つの対価
ヴァイゼに決して戻らない(蘇生を隠す): マハトの実験対象にされ、レクテューレが殺されるのを防ぐため。
職を辞職し、帝国から離れる: 禁忌である「死者蘇生」を帝国の暗部に気付かれ、解剖や実験の対象にされるのを防ぐため。
他国で名を上げ、権力を持つ: レクテューレの「不老」という異常性を、「高位魔法使いの秘術」という噂でカモフラージュし、権力の鎧で彼女を守るため。
フルーフの蘇生魔法
神の理に逆らう禁忌の魔法(プロトタイプ)。自身の「魂」を燃料として爆発的な魔力を生み出し、血で描いた魔法陣を通して対象の心臓部へ注ぎ込む。離脱しかけた魂を魔力の糸で絡め取り、肉体を修復しながら魂を器に縫い付けるという、精密さとゴリ押しが同居した荒業。
アインザームの治癒魔法・幻影魔法
魔物でありながら聖典から「女神の加護(緑色の光)」を放ち、血管や臓器の細部まで完全に修復する。また、自身の身体である「霧」を対象の体内に流し込み、五感を制御して意識を強制的に沈める(麻酔のような役割)ことも可能。
赤い石(錠剤)
寄生虫を動かすための動力源。フルーフが自身の命を抽出・圧縮して生成した高純度の結晶。1粒で人間数人分の生命力に匹敵する。
副作用: 外部から過剰な生気を注入され続けるため、服用者の肉体の老化が極限まで遅延し、ほぼ不老となる。
■ 寄生虫(人工魔法生物)
フルーフが自身の魂を切り分けて創り出した半透明の甲殻類のような生物。レクテューレの魂に張り付き、滞留した魔力を吸い上げて全身へ強制循環させる第二の心臓として機能する。特殊な改修型な為メンテナンスが欠かせない(機能不全を起こす可能が高い)
以下。レクテューレの要望による寄生虫改修レポート。
【改修内容】
1. 人間性付与機能の再実装(調整版)
・概要: 検体開発当初に搭載されていた「人間性の強制付与」機能を再実装。
・調整事項: 宿主(レクテューレ)への精神汚染および人格改変を防止するため、
通常時は完全休止状態を維持。宿主の生命活動停止を検知した場合にのみ起動する
よう術式を再構成。
2. 転移・再寄生プロセスの追加実装
・概要: 宿主死亡検知時、検体が自動離脱し、直接死因をもたらした対象(加害者)の
魂へ転移・再寄生するプロセスを新規追加。
・発動条件: 宿主の心拍停止および魂の器からの離脱を感知。
・標的選定: 殺害実行者の魔力痕跡を追跡し、自動捕捉。
・再寄生動作: 不可視かつ高速で対象の魂へ侵入、定着。新宿主に対し、
保存された「人間性」を強制的に植え付ける。
【特記事項】
・本機能は不可逆的処理であり、一度発動した場合、検体は機能停止・消滅する。
・再生成・再利用は不可能。
以上。