ソリテール様結婚しましょう…貴方が旦那様です。 作:ごすろじ
モチベーション死んでるけど、死んで筆折れても良い箇所まで来れたぞ!
クオリティーはすまない。書き切るので精一杯だ。
――????年後。
霧の下には、一つの国があった。
北部高原から、かつて帝国と呼ばれた土地を越え、大陸最北端へ至るまでの国土。
白い霧に覆われた街路を、人間の子供と角を持つ子供が並んで歩いている。
魔族から魔法を学ぶ人間がいて、女神へ祈りを捧げる魔物がいる。
人間と魔族が同じ店の卓を囲み、同じ一室で、角のある頭と角のない頭が同じ黒板を見上げている。
同じ国のために働き、やがて同じ墓地に並んで葬られる。
霧は肌に触れると雨とは違う生温さを残した。
朝の息を吸えば、焼き上がったばかりのパンの匂いに、香と鉄錆の匂いが薄く混ざる。
石畳はいつも湿っており、荷車の轍だけが黒く濡れて続いていた。
どこかで祈りの鐘が鳴り、魔族も人間も同じ節を返す。
かつてなら奇跡と呼ばれたであろう光景は、数千年の歳月を経た今、誰も疑問に思わない日常となっていた。
だが、その日常を築いた者たちは、もうほとんど残っていない。
国を覆う白い霧もまた、既に死んだ魔物が遺した残り香に過ぎなかった。
――魔王城、最上階。
玉座の間から続く広いテラスに、二人の女が並んで立っていた。
一人は、小柄な魔族。
腰まで届く翡翠色の髪を冷たい風に揺らし、額から二本の角を伸ばしている。
右目は黒い眼帯で覆われ、右腕は肩口から失われていた。
腰には、赤黒い肉と血管に覆われた異形の剣が差されている。
鞘に浮かぶ翡翠色の眼球は閉じられ、今は深い眠りについているようだった。
北部一帯を数千年にわたって統治し、人類から魔王と呼ばれた大魔族、ソリテール。
もう一人は、黒い外套を纏った白髪のエルフ、フリーレン。
何千年を経ても幼い姿を変えないまま、眼下に広がる霧の国を静かに眺めている。
二人の間に、親しげな会話はない。
数千年以上もの時間を共に過ごしてなお、フリーレンがソリテールへ向ける態度は変わらなかった。
昔も今も、相変わらずの刺々しさを隠そうともしない。
互いの性格も思考も嫌というほど理解しながら、決して馴れ合わない。
長く引き伸ばされ、切れる機会を失った腐れ縁だけが二人を繋いでいた。
ソリテールは左手を持ち上げる。
それは、もはや生きた魔族の手ではなかった。
皮膚は水気を失って骨に張り付き、指先は炭のように黒く変色している。
爪には幾筋もの亀裂が走り、力を込めれば、そのまま崩れてしまいそうだった。
手首の内側に浮いていた血管は、枯れた蔓のように骨の上を這っている。
指を曲げれば、古い革を折る時と同じ硬い音が鳴った。
何度か指を曲げてみるが、感覚はない。
痛みどころか、冷たい風に触れている実感すら、とうの昔に失われていた。
風は確かに吹いている。眼帯のベルトが頬を打ち、髪が肩から流れ落ちていく。
それでも肌に届くのは温度ではなく、外套を押す圧だけだ。冷たいのか温いのかは、もう判別できなかった。
「霧が薄くなったわね」
ソリテールが呟く。
城下を覆う白い霧は、数百年前と比べても明らかに薄い。
かつては朝も夜も国の隅々を満たし、遠くの建物など影すら見えなかった。
今は地表近くに漂い、石畳と建物の輪郭を曖昧にする程度しか残っていない。
屋根の色が見え、旗の紋様が確認出来る。
数百年前まで、この高さからそんなものが見えたことは一度もなかった。
「彼の残した魔法も、もう限界なのね」
その言葉が誰を指しているのか、フリーレンは知っていた。
アインザーム――人を喰らう幻影鬼として生まれ、女神を信じ、人間の妻を愛した魔物。
彼は生涯の最期に、肉体のすべてを霧へ変えた。
国中に広がり、現実の認識を欺き、とうに寿命を迎えていた者たちの肉体と時間を誤魔化し続けた。
現実を欺くほどの幻影は、多くの人々を助け、心の病や不幸を遠ざけ続けた。
城下の者たちは、その霧を神の加護と呼んだ。
朝になれば霧に祈り、夜になれば一日の平穏を感謝する。
霧の中で生まれ、霧に守られ、霧の向こうに女神を見た。
祭壇には水を張った浅い皿を置き、朝の霧を溜めて聖水と呼ぶ。
生まれた子の額をその水で拭う習わしも、いつからか国中に広がっていた。
だがアインザームは、神ではない。
最後まで女神を信じ続けただけの、ただの魔物だった。
その魂は既にサヤの剣へ回収されている。
今も国を覆っているのは、彼が最期に遺した魔法の残滓。
術者を失いながら、惰性で現実を歪め続けている。
この霧が完全に消えれば、ソリテールの肉体も終わる。
数千年もの間、欺いてきた時間が一度に押し寄せるだろう。
骨も肉も魔力も、世界の流れへ追いつくように朽ち果てる。
「もう、長くは保たないわ」
「そうだね」
フリーレンの声は平坦だった。
「引き止めてはくれないの?」
「どうして私が、お前なんかを引き止めなきゃいけないの」
「冷たいわね」
「今更でしょ」
二人の視線が、再び霧の国へ向けられる。
この国の次の後継者は、既に決まっている。
フェルンとシュタルクの血を引く者たち。
その子孫から選ばれた統治者と将軍へ、何百年もかけて政と軍の権限を移してきた。
今やこの国は、誰が王であろうとも回る。
人間も、かつてフルーフによって魂を改修された魔族も、長い年月の中で子を成し、新たな種として根付いた。
全てが平等だ。誰もが共に働き、老い、死ぬ。
両者の間にあった境界は、数千年の歳月に削られ、ほとんど意味を失っていた。
かつての魔族を知る者も、もう僅かしか残っていない。
角を持つ子が人を喰らうと本気で信じている者は、今ではこの国の外にしかいなかった。
フルーフたちが始めた歪な実験は、今では一つの種族、一つの文明、一つの国として定着している。
それでも、戦争は終わらなかった。
中央諸国と南側諸国は、この地を魔王領と呼び、幾度となく戦争を繰り返している。
彼らの文献にこの国の名は記されない。魔王領という呼び名と、その傍らへ必ず並べて書かれる、魔王と白髪の魔法使いの姿だけがある。
かつて帝国と呼ばれた国は……もうどこにも存在しない。
帝都があった場所には、天へ伸びる巨大な剣と、底の見えないクレーターだけが残されていた。
剣は錆びず、雨も雪も、その刀身に触れる前に霧散する。
クレーターの底は、晴れた日の真昼でさえ黒く沈んだままだ。
人も、建物も、記録も、帝国がそこに存在したという歴史さえ戦火に呑まれ、今は古びた敵国の文献に僅かな名を残すだけとなった。
ソリテールは、背後へ視線を向ける。
玉座の間には、多くの空席が並んでいた。
長机の両脇に並ぶ椅子は、どれも背もたれの塗装が同じ高さで剥げている。
何百年も同じ位置で握られ、押され、引かれた跡だ。座面の窪みも、それぞれ形が違う。
誰も座らない椅子の前に、それぞれの遺品だけが置かれていた。
鞘に収められた二振りの剣。
黄金の天秤の模型。
刃の欠けた戦斧。
空になったスキットル。
擦り切れ、綿の飛び出した古いぬいぐるみ。
女神の聖典とロザリオ。
丸い色眼鏡。
最初に空席となったのは、ツルギの椅子だった。
千年前。魔族としての寿命を迎えながらも戦場に立ち続け、最期には折れた剣を抱きしめ、静かに崩れた。
最も長く国の中枢を支え続けたアウラの席が空いたのは、五百年前だ。
魂と生命の研究で中核を担い続け、魂を唯一直接認識し得る研究者として、その生涯のすべてを研究所に費やした。
ソリテールと同じようにアインザームの魔法によって魔族の寿命さえ逸脱していたが、それでも最後には限界に追いつかれた。
南の勇者も、彼女の手を握ったまま息を引き取った。
アウラが息を引き取ると同時に、彼の肉体を繋ぎ止めていた魔法も途絶えた。
役目を終えた身体は、彼女の葬儀と同じ日に、同じ墓へ納められた。
リーニエは三百年前。
南側諸国の連合軍が国境を越えた時、一人で軍勢を押し留めた。
弟子も、子孫も、援軍も逃がし、最後まで戦場に立った。
数十万の軍勢を相手に七日七晩戦い続け、八日目の朝、戦斧を杖に立ったまま死んでいた。
回収に向かった兵は、四肢が粒子と化すまで、遺体の姿勢を崩せなかったと報告している。
指は柄に食い込み、膝は一度も折れていなかった。
その戦場で、ミリアルデとクヴァールも戦死した。
ミリアルデは、最後まで酒瓶を離さず、クヴァールは、その隣へ強引に引きずり出された。
本人は終始不服そうだったと伝えられている。それでも、敵軍が放った大魔法を正面から受け止める役目を、最後まで降りることはなかった。
彼らが命を燃やして守ったものは、この国だけではない。
フルーフを救うための研究資料。その成果が詰まった一冊だけは、何があっても失わせなかった。
最初の街、シンビオシスから続く人間たちも、何世代にもわたって国と研究を守り続けた。
祖父が死ねば孫が継ぎ、母が倒れれば娘が立つ。
フルーフに救われた者たちの恩を、その顔すら知らない子孫たちが受け継いだ。
けれど、それも終わった。
最後の家系は数十年前に途絶えている。血を残すことより、研究を完成させることを選んだ。
全員が最期まで、フルーフと研究のために命を使い切った。
彼らの魂も、腰に差された一振りの剣の内側へ収められている。
遠い星から訪れ、愛の物語を探し続けた異界の存在。
その剣の内側で、死者たちは今も一つの目的を抱いていた。
言葉を交わすことはできない。
それでもソリテールが柄に触れれば、無数の魂が同じ一つの方角を向いていることだけは分かる。
すべては、ただ一人のためだった。
「最後まで残ったのは、アインザームだったね」
フリーレンが呟く。
「えぇ。最後まで、この国を見守っていたわ。今では御神体として崇められているわね」
「女神の使徒だって、訂正してきそうだけど」
「そうね」
ソリテールは口の端だけを、糸で引かれたように持ち上げる。
「もう……訂正してくれる人もいないけれど」
霧の混じった風が、二人を撫でていく。
だが肌に残るのは、湿った布のような重さだけだった。
◇◇◇
フリーレンは何も答えず、霧の街を見下ろした。
その横で、ソリテールが口を開き、白い息を吐く。
「フルーフは、一度も笑わなかったわ」
感情の起伏を感じさせない、抑揚のない声だった。
フリーレンは横目だけを向ける。
「うん。私も見たことがない」
ソリテールと出会った頃のフルーフは、既に壊れていた。
殺されても、食べられても何も返ってこない。
痛みで声を上げることはあっても、そこに生きた人間らしい感情はなかった。
ただ、ソリテールの姿を見れば縋りつく。
置いていかないで。捨てないで。一人にしないで。自分を必要として。
それらの言葉を、すべて一つに押し込めるように愛を囁いた。
「愛しています」
その言葉は、嘘ではなかった。
だが同時に、ひどく歪んでいた。
相手の幸福を願うための愛ではない。
自分を支えてほしい。生きる理由になってほしい。
空っぽになった魂を、相手の存在で埋めてほしい。
恐怖と依存と崇拝が絡まり合った、息苦しい愛だった。
抱きしめられているはずなのに、伝わってくるのは腕の力の強さだけ。
離せば消えると本気で信じている者の包容だった。
眠る時も、袖の端を掴んで放さない。
夜中に一度でも身体を離せば、朝までずっと目を開けていた。
ソリテールもまた、最初からフルーフを愛していたわけではない。
何度殺しても消えない餌。自分を絶対に裏切らない所有物。
失えば不便で、隣にいれば都合がよく、永遠に自分の欲を満たし続ける存在。
そうした執着だけを理由に、フルーフと連れ添っていた。
それでも何千回、何万回と愛を囁かれるうち、ソリテールは一つの答えへ辿り着いた。
根底にあるものが食欲でも、自己愛でも、独占欲でも構わない。
フルーフのために行動し、フルーフが失われる未来を拒み、彼女の幸福を自分の生へ組み込んだ。
フルーフはそれを愛と呼んだ。その言葉が縛り付けるような、依存に満ちた響きを宿していたことを今でも覚えている。
だがソリテールにも、本当の意味での愛とは何なのかは分からない。
だから、それでいいと思った。フルーフの言うように、これが自分の愛なのだと学習した。
ただ、その答えを受け取ったフルーフは、最後まで幸福そうに笑わなかった。
間違いを犯したかのように表情が罅割れ、頬が引きつっていた。
「微笑むことはあったわ」
ソリテールは左手を持ち上げる。
水気の抜けた指には、銀色の輪が二つ通されていた。
どちらにも、鏡蓮華の意匠が刻まれている。
片方は、自分のもの。
もう片方は、渡せなかったもの。
フルーフに贈るつもりで、自分で買った指輪だった。
花弁の彫りは、片方だけが摩耗している。
数千年、指の上で撫でられ続けた側だ。もう一方は、買った日のままの角を保っていた。
「私を安心させるために、口元を持ち上げることはあった。でも、あれは笑顔ではなかった」
「あれは……泣かないために、表情だけ作っていただけだ」
「……」
ソリテールは親指で指輪を撫でる。
指先に感覚はないが、撫でる指は止まらない。
「フルーフを笑わせたかったの」
「知ってる。もう、何回も聞いたよ」
「指輪を渡せば、少しくらい喜んでくれると思った。結婚式も挙げたかったわ。フルーフが好む、ありきたりな祝福の言葉を並べて、白い花を飾り、皆に祝ってもらう式を」
「それも知ってる。できなかったんでしょ、お前は一線を超えられず、逃げた」
「逃げてはいないわ。あの頃、私はまだ結婚が人類にとってどれだけ大事かだなんて、わかってなかったの。無意味な行為にリスクを冒すことも出来なかった。逃げる、という思考すらもっていなかった。過ちだったと認識したのは、もっと後のことだった」
指輪を渡すことも、結婚式を挙げることもできなかった。
あの頃のフルーフへ指輪を渡しても、それは幸福の証ではなく、ソリテールへ依存するための新しい鎖にしかならなかった。
指輪を見つめ、指輪へ縋り、指輪が外れることに怯えて眠れなくなる。
そういう未来が、はっきりと見えた。
それでも、約束だけは交わした。
児童向けの童話に書かれているような、陳腐でありきたりな約束。
本当に駄目だと思った時、私が必ず助けに行く。
だから、ただ信じていて。
そして、ソリテールの最初で最後の命乞いを、フルーフに聞かせること。
それが二人の間に残された、唯一の約束だった。
「約束した時だけ、少し笑ったの」
指輪を撫でていた親指が、そこで一度止まる。
「あの時、初めて笑ってくれたと思った」
「違ったんでしょ」
「……」
フルーフは口の端だけを、糸で吊ったように持ち上げた。
そして、三日三晩泣き続けた。胸を裂き、心臓を抉り出し、喉を掻き切った。
死ねないと分かっていても、自傷をやめなかった。
血が乾く前に傷が閉じ、閉じた場所をまた開く。
四日目の朝、床に残っていたのは剥がれた爪だけだった。
それ以降は感情らしい感情を表へ出さず、昼間は人形のように働き、夜になると静かに泣き続けた。
涙の理由を尋ねても、「分かりません」としか答えなかった。
「私は、フルーフを笑わせられなかった」
言い終えた声には、悲しみと呼べる響きが一つも乗っていない。
それでも、その事実を口にするたび、胸の内側に空洞が開く。
ソリテールは左手を鎖骨の下へ当ててみた。骨の硬さも、布地の厚みも、指には何一つ返ってこない。
ただ、そこに何かが欠けているという認識だけは正確に残っている。
縁の位置は分かる。指を差し込めば輪郭を辿ることもできる。けれど底は、何千年探ってもまだ届かなかった。
フリーレンは答えない。
遠くで、区画を隔てた鐘楼が半時を告げた。低い音は霧の層に吸われ、返ってくる頃にはもう音の輪郭を失っている。
「私の奥さんは、安っぽい話が好きだった」
ソリテールの左目の縁が、ほんの僅かに狭くなる。
「死んだ人間が都合よく生き返る。敵同士だった者が仲直りする。悪人も最後には心を入れ替える。誰も死なず、最後には愛する者同士が結ばれて幸せに暮らす」
「子供向けの童話だね」
「安っぽくて、ありきたりで、現実には絶対に起こらない結末」
誰もが笑い、誰もが救われる。
そんな物語を読んでいる時だけ、フルーフは僅かに泣き止んだ。
幸福そうに笑ったわけではない。
ただ、頁に涙を落とさずに済んだ。
読み終えると、必ず最初の頁へ戻る。
同じ話を、何十回も繰り返し読んでいた。
結末が変わらないことを、毎回確かめているようだった。
「だから、作ることにしたの」
ソリテールは踵を返し、玉座の間へ戻る。
フリーレンも、無言で後に続いた。
石床は、外気よりも冷えていた。
足音が高い天井に吸い上げられ、遅れて薄く返ってくる。
空席の並ぶ長大な広間を抜け、ソリテールは玉座の前に置かれた鞄を開く。
その中から、分厚い冊子を取り出した。
表紙は赤黒く染まり、角は擦り切れている。
羊皮紙だけで作られたものではない。
薄く延ばした金属板、木の薄片、織りの粗い布。時代ごとに手に入るものを継ぎ足し、糸と膠で無理やり一冊へ束ねてある。
厚さは、ソリテールの胴体ほどもあった。
頁を送るたびに、筆跡が変わる。
癖の強い走り書きが数十頁続いた後、まったく別の几帳面な字へ入れ替わる。
この境は、書き手が死んだ場所だった。
ソリテールは玉座に腰掛け、膝に乗せる。
想像よりも重く、石板を抱えている感触に近かった。
表紙には、一つの魔法名が記されている。
『希望を繋ぐ魔法』
この一冊を積み上げたのは、アウラを中心とした研究者たちだ。
サヤ、ソリテール、フリーレン、クヴァール、アインザーム、ツルギ、ミリアルデ。そして名も残らない何世代もの人間たちが、それぞれの生涯を魂の研究へ注ぎ込んだ。
魂の構造。次元を隔てる壁。フルーフの不死性を構成する、異界の法則。 高次元の魂を、再び人間の領域へ戻す方法。
不死者を強引に殺すための研究ではない。
神にも等しい不死者を、もう一度ただの人間へ戻すためのものだ。
生きること、終わりを選ぶこと、そんな当たり前をフルーフ自身の手へ返すための研究だった。
「正しく死なせる魔法でもあり、神を人へ戻す魔法」
ソリテールは冊子の表紙を撫でる。
「これは生きることも、死ぬことも、フルーフ自身に選ばせるための魔法」
左手で羽ペンを持ち、最後の頁に文字を書き始めた。
いずれ、この冊子を読む者――大魔法使いフランメに対して文字を綴る。
枯れた指では力の加減が効かない。軸を握り込む音が、腕の骨の内側で硬く鳴った。
一文字ごとにペン先が紙を引っ掻き、線の端が細かく揺れている。
飾らない言葉で、伝えるべきことだけを伝える。
混線する魂の濁流の中で、自意識が消えかけていること。
過去へ辿り着いた時には、言葉を正しく紡げない可能性が高いこと。
この研究が、五千年以上の歳月と、多くの命を費やして積み上げられたものであること。
そして――。
『この冊子の研究を使い、希望を繋ぐ魔法を完成させて欲しいのです』
インクが乾くより早く、その下へさらに書き加える。
『そして貴女が作り上げた、不死者を殺す魔法も必要です』
『未来で、その魔法は本来の意図とは異なる形で使われた――それでも、その魔法は破棄しないでください』
『予定どおり、ゼーリエへ託してください』
隣から文字を追っていたフリーレンが、眉をひそめた。
「どうして?」
ソリテールは手を止めない。
「ゼーリエへ渡さなければ、フルーフが襲われることも、お前が傷を負うこともないと思うけど」
「そうね」
「なら、誰も苦労しない。何事もなく平和に終わる結末をどうして選ばない」
「それでは駄目なの」
ソリテールは最後の一文字を書き終え、羽ペンを置いた。
置いた場所に黒い点が一つ落ち、広がっていく。
「これは地続きの物語なのよ、フリーレン」
ソリテールは冊子の縁を、枯れた親指でゆっくりと撫でる。
爪の割れ目には、幾層ものインクが黒く残っていた。
「世界がどのように変わっても、フルーフはフルーフ。私は私」
ソリテールは左手の指輪に触れる。
「この世界で交わした約束を、過去の私が果たす。そうでなければ意味がないわ」
「経験も記憶も違う。別人でしょ」
「いいえ。同じよ。私が私であるのなら、同じ約束をしているわ」
言い切るまでに、一拍も要さなかった。
「私はソリテール。あの人はフルーフ。そこに、過去も未来も関係ない」
「理屈になってないね」
フリーレンの表情が、苦いものを噛んだ時のように歪む。
「利己的な合理主義者のお前が、本心でそんなことを考えているとは思えない」
「なら、言い換えるわ」
ソリテールは冊子を閉じた。
背表紙が、革を叩くような音を立てる。
「散っていった命への敬意。素敵でしょ」
そして、玉座の間に並ぶ空席へ左目を向けた。
「アウラも、南の勇者も、リーニエも、アインザームも、ツルギも、ミリアルデも。何世代もの人間たちも。この研究のために、生涯を使い切った」
「……」
「最初から何も起きなかったことにすることだけは出来ない。これは、消極的な安全策を記した指南書じゃないの。積み重なった夢と、未来を願う思い。全てを覆して陳腐な幸福を目指した物語。命で綴られた願いを託す魔法なの」
ソリテールは立ち上がる。
朽ちた左脚が、床を踏む前に一度だけ揺れた。それでも、崩れはしない。
「私達はここで終わる。そして、過去の自分たちのために屍を積み、梯子になる。私達の死と失敗を足場にして、その上へ立つ者たちを押し上げる。この空虚な物語を失敗で終わらせることは出来ない。積み上げた全てを託して筆を取らせる。そして、散っていった全てを引き継いだまま、幸福に満ちた物語を完成させる……全ては地続きなの。私達が終わっても、物語は続くわ」
「お前の言葉じゃないね、それ。メルヘン臭がする」
「ふふ、だけどフルーフが好きそうでしょう……私達には、それくらいは、許されるべきだと思うわ」
フリーレンは答えなかった。
ソリテールは、戯けるように口の端を傾ける。
「それに、旦那様は攫われた奥さんを迎えに行くものなの。最初から事件を消してしまったら、迎えに行けないわ」
おどけた様子で言いながら、空になった右袖を左手で軽く払う。
「ゼーリエを真正面から負かし、小細工抜きでフルーフを連れ帰る――少しくらい、格好をつけたいじゃない」
「……馬鹿みたいだ」
「えぇ。フルーフは、馬鹿みたいな結末を好んだもの」
「殺す魔法に対する対策はあるの?」
「私達を踏み台として使わせてあげるのだから、たかだか外なる神の魔法程度、どうにかしてもらわないと困るわ」
ソリテールは笑う。
「誰だって、最高のハッピーエンドがいいと思うでしょう?」
「今のお前達に、過去の存在が勝てるとは思えないけど」
フリーレンは空席を見渡した。
「過去の側にも、アウラもリーニエもアインザームもいる。だけど今のお前は、たった一人で過去のゼーリエへ届く――過去のお前が、今のお前を倒せるの?」
「大丈夫」
ソリテールの返答に、迷いはなかった。
「あちらの私達は、私達より確実に幸福なのでしょう?なら、命を懸けても手放したくないものを知っている。そんな相手へ、何も手に入れられなかった私達が勝てるはずがないわ」
フリーレンは、しばらくソリテールを見つめた。
その自信がどこから湧いてくるのかは、今も分からない。
それでも、何千年と側にいた魔族の言葉としては、珍しく信用してもいい気がした。
魔族の言葉は信じるに値しない。何千年も繰り返してきた自分の言葉だが、霧が晴れるまでの猶予しか残されていない今となっては、もうどうでもよかった。
全員が旅立った後の世界を、フリーレンは一度だけ想像してみる。
国は残り、戦争も続くのだろう。後に残るのは胸の内側に満ちる空虚さだけだった。
ソリテールは分厚い冊子を、腰に差した異形の剣へ押し当てた。
剣の肉が裂け、眼球が一度だけ開き、冊子へ焦点を合わせた。
瞳孔が細く縮み、また元へ戻る。
次の瞬間、赤黒い肉の隙間が大きく開き、冊子を少しずつ呑み込んでいった。
体積という概念を無視して、数千頁に及ぶ研究成果が剣の内側へ沈んでいく。
最後の一枚まで肉の隙間へ消え、音の一つも立てなかった。
その時、遠くで鐘が鳴った。
一つ、二つ、三つ。間隔を置いて、低く長く。鐘の音が続いていく。
城下の鐘楼から始まり、隣の区画へ、さらに外縁の村へと、同じ音が順に受け継がれていく。
正午を告げる鐘が響く。
国中へ響き渡る、長く低い音。
それは同時に、旅立ちの時間を告げる鐘でもあった。
◇◇◇
魔王城の外へ出ると、白い霧が足元を這っていた。
ソリテールは数歩歩いたところで、膝をつく。
膝が石を打った音は、肉のものではない。
乾いた枝が折れる時の音に近かった。
左脚も、既に肉体としての限界を迎えている。
フリーレンは何も言わず、その身体を支えた。
軽く、骨組みだけの傘を持ち上げるような重さしかなかった。
「歩けるわ」
「無理でしょ」
フリーレンはソリテールの左腕を自分の肩へ回す。
二人は城の縁まで進み、そのまま飛行魔法で空へ浮かんだ。
霧の国が、眼下に広がる。
城下では人々が道の両脇に集まり、飛び立つ二人を見上げていた。
聞こえてくるのは、無数の衣擦れと、石畳を擦る靴底の音だけだ。
角のある頭と角のない頭が、同じ角度で順に下がっていく。
「フリーレン」
「何?」
「結局、最後まで私を殺さなくてよかったの?」
フリーレンは露骨に苦い顔をした。
ソリテールは五千年以上もの間、何度も人を殺した。
戦場だけではない。
空腹のために。研究のために。ただ死に際の声を聞きたいという理由だけで。
今も、魔族であることに変わりはない。
フリーレンの杖は、いつでも届く距離にあった。何千年もの間、ずっとそうだった。
それでも、答えは返さず、返せなかった。
フリーレンにはもう――ソリテールを殺せない。
「過去へ渡れたとして、フルーフを見つけられるの?」
代わりに、別の問いを返す。
「心配しないで。ミリアルデとクヴァールが作った広域探知魔法があるわ。大陸の半分を、一度に探知できる。相手から逆探知されることもない」
「意識を失っても使えるの?」
「身体が手順を覚えていれば問題ないわ」
ソリテールは世間話のように答える。
「術式はサヤへ刻みつけてある。意識した目的を、身体がどこまで覚えてくれているかに掛かっているけれど」
「随分、他人事みたいに言うね」
「他人事みたいなものだもの」
ソリテールは左目を閉じた。
「もうすぐ私は、私ではなくなる」
それから一時間ほど、二人は飛び続けた。
霧の国を越え、荒れ果てた旧帝国領を通過し、雲を突き抜けて南へ進む。
下界を覆う灰色の膜だけが、ゆっくりと後方へ流れていった。
途中、天へ伸びる剣の刀身が一度だけ覗いた。
ソリテールは、そちらへ左目を向け、 数秒だけ見て、何も言わずに視線を前へ戻す。
やがて地上に、崩れた小さな石碑が見えてきた。
フリーレンがかつて過去へ渡った場所だった。
◇◇◇
フリーレンは石碑の前へ降り立ち、ソリテールをゆっくり地面へ下ろした。
石柱の表面には、削られて読めなくなった刻印の窪みだけが残っている。
ソリテールは腰からサヤの剣を抜いた。
内側へ収められた魂たちが、これから始まる最後の旅を理解しているかのように、刀身が大きく脈打っている。
赤黒い管が刀身に沿って膨らみ、眼球がゆっくりと開いた。
女神の石碑を使い、精神だけを過去へ送る方法については、既に解析を終えていた。
だが、これから行うことは違う―― 肉体ごと過去へと渡る。
女神の石碑は、入口と出口として利用するだけだ。
時空を越えるための力は、サヤの異界知識と、数千年以上を費やして積み上げた魂の研究によって補う。
それでも、今のソリテールはその負荷に耐えられない。
肉体は朽ち、魂も摩耗し、アインザームの霧がなければ立っていることすらできない。
より高次の存在へ移る必要がある。
サヤと一体化し、剣へ蓄積されてきたすべての魂と融合する。
当然、今のソリテールという個は保てない。
記憶も、言葉も、思考も失われる。
目的さえ曖昧となる可能性があった。
だが、剣の中には、同じ一つの目的を持って生涯を終えた者達も大勢いる。
フルーフの人生を、幸福なものへ変える。
ソリテール個人が消えても、微かでも存在理由だけは残ると信じていた。
ソリテールは剣先を、自分の腹部へ向けた。
切っ先が外套の布地に触れ、そこだけが薄く沈む。
「ソリテール」
フリーレンが名を呼ぶ。
「何?」
「もう、戻れないよ」
「最初から戻るつもりなんてないわ」
「怖くないの?」
問いかけられたソリテールは、少しだけ考えた。
目線が一度だけ地面へと落ち、また上がる。
「怖いわ」
今更、隠す気配もない。
「私は臆病だもの。自分が消えることも、目的を忘れることも、過去へ辿り着けないことも怖い」
それでも、剣先は揺れない。
「けれど、終わらせなければならないの。役目を果たし、そして最後は……魔力も、知識も、集めた魂も。すべてを過去へ託すわ。私は、果たすべき約束を守る」
辿り着ける保証はない。
冊子をフランメへ渡せるかも分からない。
意識を保ち、予定どおりの道を歩み切れる確証など、どこにもなかった。
それでも、その先にフルーフが笑える可能性があるのなら……十分だった。
自分たちが作ろうとした結末を、自分の目で見ることはできない。
それにも不満はない。
「過去が変われば、この世界は消えて、今も変わるのかな……」
「わからないわ。だけど、もし変わらないのなら、その時はフリーレン、貴女がフルーフを救ってあげて。その為の研究成果は残してあるから」
「勝手だね。……いいよ、それくらいなら」
「それじゃあ……もう、行くわ」
ソリテールは剣を腹部へ突き刺した。
肉を裂く湿った音が、フリーレンの耳へ届く。赤黒い刃が背中から突き出した。
だが、血は流れない。
剣の肉塊が、傷口からソリテールの身体へ侵入し始めていた。
ボコ、ボコ、と皮膚の下で何かが膨らむ。
腹部から新たな腕が生え、背中から骨と肉の混ざった触手が伸びる。
翡翠色の髪は根元から黒い粘液へ沈み、顔面には無数の隆起と襞が生まれていく。
角の片方が付け根から傾き、そのまま肉へ吸い込まれて消えた。眼帯の紐が千切れ、布が地面へ落ちる。
空洞になった右の眼窩に続いて、残された左目も肉の内側へ沈み込む。
指も、脚も、人間や魔族の形を失っていった。
黒い液体と臓物を撒き散らしながら、かつてソリテールだったものは不定形の肉塊へ変わっていく。
それでも完全に声を失う前に、フリーレンへ振り返った。
「遠くで星が滅びても……その光は、遅れて届く」
フリーレンがかつて語った言葉だった。
「そうだね」
「私は……ここで終わるわ」
声が何重にも重なる。
一つの言葉を、数千の喉が同時に押し出してくる。
ソリテールの声。アウラの声。リーニエの声。アインザーム、ツルギ、ミリアルデ、南の勇者。そして無数の人間たち。
「けれど……私が近づいた定義の答えも、私達が繋いだ希望も……必ず届く」
肉塊の中で、翡翠色の眼球が一度だけ開いた。
「私へ。フルーフが、笑える場所へ」
フリーレンは、しばらく異形を見つめていた。
やがて自分が羽織っていた黒い外套を脱ぎ、肉塊の上へ被せる。
黒衣が粘液と血を吸い込み、輪郭を覆い隠した。
布地は瞬く間に湿り、重さを増していく。それでも形だけは、人のものに見える。
最後に、ソリテールの指先から溢れ落ちた二つの指輪を拾い上げ、紐に通して首元へと結んだ。
完全にソリテールではなくなったものが、胴体に腕を突き刺し、中から大剣を引き抜いた。
赤黒い刃が煌めき、空を裂く。
空間に黒い亀裂が走り、ガラスのように弾け飛び、穴が開く。
空間の内側から濃密な死臭が溢れ出した。
一瞬嗅いだだけで、何千、何万という死を想起させる臭い。
裂け目からは風も吹いている。
冷たくも温かくもない、方向を持たない風だ。
その向こうには、終わりの見えない時空の闇が続いていた。
長く、過酷な旅路が予想される。
猟犬のような何かが跋扈しているのが見え、フリーレンは即座に視線を逸らした。あれは認識してはならない。
この先、何が待っているのか、誰にも分からない。
フリーレンは、裂け目の前に立つ黒衣へ最後の別れを告げる。
「精々、頑張りなよ」
黒衣の下の肉塊が、微かに動く。
「上手くできたなら――今度は、友達になってあげる」
異形は、コクリと頷いた。
それが、ソリテールという個が見せた最後の仕草だった。
肉塊は黒いローブを引きずりながら、ズル、ズル、と時空の裂け目へ入っていく。
赤黒い粘液が乾いた地面へ滴り落ち、土に染み込む前に黒い粒子となって消えた。
異形の全身が闇へ呑み込まれていく。
大剣の切っ先が最後に消えた瞬間、空間の裂け目は音もなく閉じた。
後には何も残らない。
血も、粘液も、魔力の痕跡も、何もかも。
フリーレンは、完全に霧が晴れた空を見上げる。
雲一つない青空。
どこまでも明るく、そして底の抜けた空だった。
◇◇◇
遠くから馬車の音が聞こえてくる。
複数の軍用馬車が石碑の前で止まり、武装した兵士たちが次々と降りてきた。
馬の荒い息と、革具の擦れる音が近づいてくる。
兵たちの外套には、乾いた泥と煤が層になって張りついていた。
一人の指揮官がフリーレンの前へ進み、敬礼する。
「フリーレン様。緊急招集です」
敬礼した手の甲には、まだ新しい火傷が走っていた。
指揮官は懐から封の切れた書状を取り出し、そのまま差し出す。
「中央戦線へ敵軍が侵入しました。既に外縁の三都市が陥落。全軍へ出撃命令が下されています」
声は落ち着いている。
それでも、書状を持つ指の関節は白くなっていた。
フリーレンは、空を見上げたまま動かない。
指揮官が、口ごもりながら尋ねる。
「……魔王陛下は、どちらに?」
そこに、もう魔王はいない。
北部を数千年統治した魔王ソリテールは、誰にも知られぬまま、遠い時の向こうへ消えた。
ただ、その希望がどこかを進み続けている。
いつか、届くかもしれない場所へ向かって。
「遠くへ行ったよ」
フリーレンは杖を取り出す。
「もう戻らない」
それだけを告げ、戦場の方角へ歩き始めた。
兵士たちは何も聞かず、その後に続く。
戦争は終わらない。
魔王が消えても、敵は待ってくれない。
守るべき国があり、託された者たちがいる。
フリーレンは一度だけ振り返り、誰もいない石碑を見た。
砕けた石柱が、光を受けて短い影を落としている。
その影の中にも、もう何も残されてはいなかった。
そして、二度と振り返らなかった。
彼女の名はフリーレン。
数多の敵兵を葬り、何千年もの間、魔王の隣を歩き続けたエルフ。
人類からは、魔王の腹心。
敵軍からは、戦場へ死を運ぶ魔法使いと恐れられた。
またの名を――。
『葬送のフリーレン』
過去編はこれにて終わりです。削りに削って抑え込んだので、かなり端折気味でしたね。
尚怪物状態になる前の未来ソリテールでも、現在ゼーリエをワンパンで沈められます。
魔力量とかではなく、魔法のイメージ解釈が数段上なのと、未来で開発された魔法をフルコンプしているので概念バトルで押しつぶせます。
怪物状態は魔力ゴリラなので、物理パンチで消し飛ばせます。
この世界のフルーフは重度の鬱病患者です。
未来フリーレンもほぼ鬱病患者です。
ゼーリエは変わりません。暗殺計画練ってた帝国ごとソリテールが沈めたので、今日も明日も元気。未来視や予知は例のごとく世界単位で機能しないので、もう見てすらいない。
下記は大凡二年前くらいに書いてソリテールのキャラ図です。イメージとしては、今こんな感じですね。数年も前のものなので、欠損部位とかもズレてますが、参考程度に。
【挿絵表示】
これは、以前一度アップしたものですが、消してたので載せときます。
【挿絵表示】
時間があれば書き直したいんですけどね……。