機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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静寂は打ち破られる

 静かな森の中そこに佇む館から銃声が響く。

 

「掠め取る準備ができたら私は用済みと、そういう訳か。」

「勝手がすぎたんじゃないか?」

 

明らかに致命傷を負い倒れるフィーネに赤毛の男が軽くそう言う。

 

「データは俺のクライアントが有効活用してくれるだろうよ。」

 

倒れるフィーネにトドメとして頭部を撃ち抜いた男が共に襲撃をかけた自身の部下に先ほどまでフィーネが何かしらのデータを整理していたパソコンからデータを抜くように指示をする。

 

「早いとこ済ませな、バルベルデの仕事が山ほど入ってんだからな。」

「了解です。」

 

女一人を殺す楽な仕事そう思った瞬間に水晶の鞭がデータを取っていた者に突き刺さりその身体を引き裂くとネフシュタンの鎧を纏ったフィーネが身体から銃弾を押し出しながら立ち上がる。

 

「なに?」

「こうも痕跡を残すとはなるほど品性下劣な米国政府の好むやり方だ。」

 

マシンガンで撃ち抜かれながらも一切の痛痒も感じさせないフィーネに部下の一人の恐怖が限界を超えたのか手榴弾を放つ。

 

「場所を考えろってんだ!」

 

咄嗟に近くの近くの丸テーブルを盾にした男が手榴弾が爆発したのを察するとテーブルから顔を出し部下が先ほどの爆発で全滅したのを確認すると舌打ちをする。

 

「ガキが、ビビりやがって。」

 

今回連れてきた新人が下手人だと先ほど見て分かっていた男は前方から感じた殺気にコンバットナイフを抜き放ち飛来してきた鞭を弾く。

 

「楽しませてくれるな、聖遺物ってのはよぉ!!」

「たかが汎用品でネフシュタンと渡り合うだと?」

 

ナイフとは逆の手に銃を構えた男がフィーネの放つ鞭を弾きながら接近し脳天に銃弾を一発撃ち込む。

 

「はっ!どれだけ不死身でもドタマぶち抜かれちゃ堪んねだろうよ!」

「貴様・・・。」

 

一瞬フィーネの意識が落ちた隙に男はパソコンに挿入されていたメモリを抜き取ると割れた窓ガラスに駆け出す。

 

「じゃあな!」

「逃がすと思っているのか?」

 

身を躍らせた男の左腕を鞭が掴み取る。

 

「しょうがねぇか。」

 

だが中に引き戻される前に男は左腕をひと思いに切断するとそのまま森の奥へと消えて行った。

それを見たフィーネは少しふらつくと舌打ちをすると今しがた戦闘が行われた部屋に仕掛けを施す。

 

「未だ馴染みきらぬか・・・。あの男は捨て置くか。」

 

フィーネは盗られたデータを確認し再び舌打ちをするとパソコンをたたき壊した後に館から去って行った。

 森の中にて器用にも左腕を縛り止血をした男が電話をかけていた。

 

「ドクターさんよアンタのご所望の渡されてないデータ取ってきてやったぜ。」

 

相手側の返事を聞いた男が笑うと続ける。

 

「なにお偉いさんには無理だったって事にするさ。ああそうだ、ちょっとヘマしてな俺の腕治してくれや。あんた生化学の天才なんだろ?」

 

また一言二言交わすと通話が終り男は森の中を進みながら凶悪な笑みを浮かべる。

 

「楽しくなってきたなこりゃ。これだから聖遺物相手の仕事は止められねぇ!!」

 

派手なことが始まりそうな空気に男は高揚していた。

 

 

 

 

 

 

 その日翼は休日と言うこともありようやく完成させた自身のガンプラを用いてGBNにログインしていた。

 

「たちば・・・ヒビキ達ももうすぐ来るはずなんだけど。」

(確かダイバー名で呼ぶのがマナーだったのよね。)

 

ロビー内を見渡しながら待っていると声をかけられる。

 

「ツバサさんお待たせしました。」

「私も今来たところよ。ミク、ヒビキはなにをしているの?」

「ツバサさんに下の名前で呼ばれるのってなんだか新鮮ですね。ヒビキならログインしてるはず何ですけど・・・。」

 

前方からちょっとしたざわめきが聞こえてきたことで二人もそちらに視線を向けるとそこにはフラッグを模した仮面の人物が居た。

 

「なんと奇天烈・・・。」

「ああいう人も此処には居ますから。例えばキャプテンジオンさんとか。」

「待てこっちに向かってきてないか?」

 

その仮面の人物は二人の前に来ると声を発する。

 

「待たせたとそう言っておこう。」

「その声、まさか。」

「ヒビ--。」

 

ダイバーネームを言おうとしたミクの前に人差し指を出し発言を止めるとフラッグ仮面が名乗りをあげる。

 

「今の私はそう、人呼んでマスクドフラッグ!!」

 

堂々とそう名乗るマスクドフラッグと二人の間の空気にとてつもない気圧差が発生する。

 

「貴女正体隠すつもりないでしょ。」

「分かる者には分かってしまう私のこの溢れんばかりのガンダムへの愛が。敢えてこの身をフラッグとすることで--。」

「まあこの通りヒビキは変な子なんです。多分ツバサさんのガンプラが完成したからテンションが上がってるんだと思います。」

「つもりあの子なりの喜びの表現って事ね。奇天烈が過ぎると思うのだけど。」

 

長々と言っていた台詞が終ったのかマスクドフラッグは締めくくりの言葉を告げる。

 

「長くはなったが、今日はツバサさんの初ガンプラバトルと言うことだ。」

「そうね、見事な初陣を飾ってみせるわ。」

 

今のヒビキもといマスクドフラッグをさらっと受け入れたツバサは横で頭を少し抱えるミクをちらと見ると苦笑いを浮かべた。

 

「貴女達から聞いたモビルアーマーの討伐ミッションを初陣とするわ。」

「あれ最低難易度でも初心者には厳しいと思うんです。」

「案ずるなミク、私の防人としての矜持は行けと言っている。」

 

ツバサのその発言を聞いたマスクドフラッグが早速と言わんばかりに難易度が最も低い荒野でのハシュマル討伐ミッションを受けると二人にメンバー申請を出す。

 

「ならばこれが丁度良いと私は判断する。」

「面白い中級者向けが最低ランクか。」

 

そして二人が了承することで三人はミッションが行われるディメンションへと転送された。

 起動前のハシュマルが佇む荒野にスローネローズが出現すると少し横に焔のようなカラーリングのフラッグが現われる。

 

「あれ?今日はウィングビートじゃないの?」

「今日の私はマスクドフラッグ。故に今の私はフラッグファイター。」

 

スローネローズの横のフラッグが腕を組む。

 

「ならばこそ乗機はこの先日実戦に配備可能となったシャイニングフラッグしかあり得ない。」

 

オレンジ色のGN粒子がシャイニングフラッグより噴き出すと二機の間にツバサのガンプラが転送されてくる。

 

「刮目しなさい。これが私のガンプラ。サーペントアストレイだ。」

 

現われるは大蛇を模した鎧を装着したフレームカラーが赤から水色へと変わっているガンダムアストレイであった。

備え付けられた七振りの剣から一振りをサーペントが抜刀した瞬間ミッションが始まりハシュマルが起動すると共にプルーマが出現し始める。

 

「参る!!」

 

VPS装甲がしっかりと再現された鎧がプルーマの攻撃を通さずサーペントがプルーマを蹴散らしハシュマルへと一息に迫る。

 

「不思議だ!ガンプラが私の思ったとおりに動いてくれる!」

「多才だな。ツバサさんは。」

「うん、とても始めたてには見えない。」

 

スローネローズとシャイニングフラッグがプルーマとお邪魔キャラであるイオクの部下のグレイズを相手している傍らサーペントが二振り目の剣を抜刀すると高機動を行いテールブレードを振るうハシュマル相手に流石に被弾しながらではあるが打ち合う。

 

「見切った!」

 

片側の剣を手放したサーペントがテールブレードを掴むともう片方の剣でハシュマルから切り離すとそれをぶん回しハシュマルの片脚に罅を入れる。

 

『受けよ!我が正義の一撃を!!』

 

そしてタイミング良くイオクの駆るグレイズのバズーカが罅に着弾し脚部が破壊される。

 

「はぁぁあああ!!!」

 

倒れビームを放つ準備を始めたハシュマルにサーペントは砲塔に剣を差し込み内部で暴発させることでハシュマルを撃破する。

 

『あれ?もう倒しちゃったの?』

 

拍子抜けした三日月のボイスが響く中ミッションはクリアされた。

 ロビーに戻ってきた三人の中でマスクドフラッグが最初に口を開く。

 

「GPDをやってました?」

「?いや私はガンプラバトルはこれが初陣だ。」

 

思わず素に戻ってそう問うマスクドフラッグであったがGPDを知らないツバサにそう返される。

 

「私もツバサの戦いぶりはとても初心者には見えませんでした。」

「見事な初陣だったでしょう?」

「はい、あっという間に倒したのはびっくりしました。」

 

ミクが素直な感想を述べている中でツバサがそう言えばという表情をすると言う。

 

「確か、以前おじさまにロボット物の映画を何本か見せられた事があったわ。」

「此処で出てくるか師匠の修行が・・・。」

『技を見て盗むの究極系よ!』

 

脳裏に東方不敗の声を響かせながらマスクドフラッグはそう呟く。

なおミクは映画で?と言う反応になっていた。

 何回か系統の違うミッションを行った後でメニューを開いたツバサが夜になっていることに気づく。

 

「もうこんな時間ね。」

「明日は学校がありますし今日は此処までにしておきます?」

「そうね、今日は楽しかったわ。ありがとう。」

「真の天才と言うものを私は今日見てしまった。」

「褒めても何も出ないわよ?」

 

ログアウトして行った後現実に帰ってきた響が横に居る未来に言う。

 

「映画、見よう。」

「見るだけじゃ駄目なんじゃないかな?」

 

未来の言うとおり風鳴の血筋がちょっとおかしいだけである。

 

 

 

 

 

 

 何故かハロが持っていた現金でコンビニで食料を買いそれを食べ終ったクリスがハロに向かって言う。

 

「一度、フィーネの館に行く。」

『危なくないか?危なくないか?』

「これだけ探してカディンギルなんてのが何処にも無いんだ。」

 

口を拭ったクリスがハロを抱えると続ける。

 

「あそこにはでけぇパソコンがあった。きっとカディンギルについてもその中にあるはずだ。お前あれだけ高スペックなんだハッキングくらい簡単にできるだろ。」

『黙秘権!黙秘権!』

「それが答えだ。大丈夫だフィーネの奴は昼間は居ない。明るくなったら行くぞ。」

『命大事に。命大事に。』

 

手頃なネットカフェを探しながらクリスはハロに言う。

 

「安心しろあたしの命は安くない。此処シャワーと洗濯機あんのか。」

 

残金を見たクリスはまぁ大丈夫かと判断するとそこに入っていった。




翼さんのはWに出てくるサーペントじゃないよ

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