『GET READY』
両フォースの機体がバトルの開始地点に集結する。
「ルールは変則フラッグ戦。つまり私が落ちたらアウト。」
「柄にもなく緊張しているのでスペシャル殿?」
「初めての集団戦だからかな、でもやられる気はない。みんなもそうだよね。」
「負ける気でここに来た者は誰も居ませんよ。」
リヴァイブを始め当然のように勝つ気で居る自身の仲間に頼もしさを覚えていると遂にフォースバトルが開始する。
『BATTLE START』
「以前の士官学校との戦闘でビルドダイバーズの作戦の予想はつく!始めに一機落として士気を削ごう!」
「「「「了解!」」」」
空ヘと舞い上がり1ガンダムタイプキュリオスとジンクスがビルドダイバーズの機体を二機ずつ牽制しに行く。
「ハロ、どのガンプラが厄介そう?」
『ユニコーン!ユニコーン!』
「だよね!目標SDタイプのユニコーンガンダム!ハワード、ダリル!あれで行こう!」
「あれですか!」
「見せ所ってやつだ!」
単独行動を開始しようとしていた零丸がオーバーフラッグ両機により射撃されビルの上から宙へと身を躍らされる。
「私一人に三機がかり!?」
「その価値があると見た!」
三機のフラッグが一直線に並ぶと宙で態勢を整えた零丸へと連続で斬りかかる。
「ジェット!」
「ストリーム!」
「スラッシュ!」
防御する暇もなく零丸は爆散してしまう。
「アヤメさん!」
「ダブルオーの相手は私がする。多分あの機体がフラッグ機だ。」
「了解!」
「俺達は援護に向かいます!」
タッグのガルバルディリベイクにジンクスを任せたダブルオーダイバーエースがGNビームサーベルを構え迫ってくるのをライトニングフラッグは「鷲」を構えることで応じる。
「ハロ、選曲お願い。」
『了解!了解!・・・DAYBREAK'S BELL!』
メロディが奏でられ始めヒビキが歌い始めると同時にダイバーエースとライトニングフラッグの剣が激突し接触回線が繋がる。
「歌!?」
「~♪歌だよ、歌が聞こえたら私が来た合図だ!」
互いのGN粒子が市街地を照らし離れた場所で聞こえる先頭音が響く歌にアクセントを加える。
「強いっ!凄い剣捌きだ!」
「ダブルオーで私の前に立つと言うことの意味を!知っているか少年!」
「少年!?俺とヒビキさんそこまで変わらないと思いますよ!?」
地上を飛び出し上空で斬り合う内にガンプラバトルの楽しさからかグラハムっぽい事を言い始めたヒビキにリクが若干戸惑う。
「憧れのその先に立つガンダム!!!それがダブルオーだ!故に敢えて言おう少年!!!私がフラッグ機であると!!!」
「なら貴女を倒して俺達が勝ちます!」
「超えてみろ!私とライトニングフラッグを!」
『隊長何を言ってるんですか!?』
『流石に狙わせてくれないっ!』
「気が逸った!ごめんジョシュア!」
「こっちは俺がやるからユッキー達は目の前の相手を!」
「隼」を抜き「鷲」と合体させることで一つの剣にしたライトニングフラッグが紫電を纏わせる。
「聞いたところだとリクさんはトランザムを使わないんだよね?」
「はい、俺にはまだ早いですから。」
「だったら私も同じ土俵で戦うよ。でも、私の速さは世界を超える!」
ダイバーエースのGNドライヴが一基破壊される。
「何が起きて!?」
驚愕するリクの目の前でライトニングフラッグが靄と消えると背後からバチバチと音がする。
「エレクライトシステムは伊達じゃない。」
「トランザム無しでこの速さっ!」
「着いてこれるか少年!」
「着いていきます!じゃなきゃチャンピオンには届かない!」
紫と青の光が絡み合い地上に降り立つと建造物を破壊しながら突き進みタワーへと激突すると内部を破壊しながら再び天へと昇っていくと頂上を突き破る。
タワーを抜けた直後にライトニングフラッグの蹴りがダイバーエースのGNビームサーベルを弾くとそのままの勢いで踵落としが放たれ左肘から先が破壊されるがダイバーエースが右手に持ったGNソードで蹴りを放った脚が切断される。
「なかなかどうして!」
「ロンメルさんの言ってた真の意味でのデビュー戦ってっ!」
両機が再びぶつかると衝撃でタワーが倒壊した。
◎
観戦エリアにおいてロンメルはハンモックで寝ながらカクテルを味わっていた。
「やはり私直々の指導が功を奏したね。」
「大人気ないことしたんじゃないの?」
「ハハハ、全ては彼女たちが望んだことだよ。なに同時討伐系のミッションをこなして貰っただけさ。」
「ギリセーフのラインね。」
「当たり前さ、この世界を好きで居て欲しいからね。」
マギーと談笑するロンメルを横にミクはバトルの様子が映されるモニターをじっと見ていた。
「あんなに楽しそうな響を見たの久しぶり・・・。」
聞こえてくる声色から伝わるのはライブの惨劇以前に響が見せていた笑顔を思い起こさせる物だった。
「私にも分かる。」
「分かるの?」
「うん、だってあの人のガンプラはダブルオーに負けないくらい楽しそうにしてるから。」
「貴女もガンプラの気持ちが分かるの?」
「伝わってくるの。」
気がつくと横に来ていたサラが以前出会ったイブと言う少女と同じように不思議な事を言っていたがミクは此処にはそう言う人が一定数居ると受け止め納得するとバトルへと目を戻す。
バトルエリアでは二機のオーバーフラッグによる波状攻撃に手が回らなくなったジムⅢビームマスターが武器を全て破壊された後に斬り捨てられていた。
『僕今回良いとこ無しだー!』
『残り三!』
『ジョシュア!ガルバルディを堕とすぞ!』
『言われずとも!』
『こっちに来た!アヤメ君が最初に落ちたのが痛い!』
先ほどのジムⅢと同じようにガルバルディリベイクもどんどんと追い詰められていき遂にジンクスによってGNランスを突きつけられ内部からGNビームライフルが放たれる。
だが撃破される直前に榴弾砲が放たれるとそれが二機のオーバーフラッグに命中する。
『ハワード!ダリル!』
『クソっ!ハワードが、俺は何とか残っ―』
一瞬赤い閃光が煙の中を駆けるとダリルが撃破される。
『何だ、敵は残り二機ではないのか?まさか、だとしたら隊長に伝えなければ!』
ジンクスはある可能性に思い至ると空へと舞い上がりライトニングフラッグとダイバーエースの元へと向かっていく。
その後ろ姿を見つめていた何かは姿を現さずに1ガンダムタイプキュリオスの元へと静かに素早く向かっていった。
一気に二機も撃破された第七フラッグ隊の様子にロンメルは空になったグラスを放り捨てると頭を抱える。
「あぁもう何やってるの!油断しちゃ駄目って言ったじゃない!」
「鍛え方が足りなかったみたいね。」
「彼らにはもっと鞭が必要なようだね。」
「厳しくしすぎちゃ駄目よ。」
瞳を邪悪に輝かせながらロンメルは不適に微笑むと鞭で床を打った。
◎
港にてモモカプルは逃げ回っていた末にとうとうキュリオスのシールドニードルに捕縛され処刑の時を待つだけになっていた。
「思いのほかてこずったがこれで終わりだ。」
「嘘待って!?こんな残酷に倒さなくてもぉ!」
「ことごとく弾丸が滑るカプルを恨むんだ!可愛らしい見た目に見合わぬ凶悪さ!」
「可愛いって思うならやめてぇ!!!」
しかしモモの命乞い虚しくモモカプルのまんまるボディをシールドニードルが刺し貫くとペンギンのような機体が爆散する。
「厄介な相手だった。だがこれで隊長の援護に。」
ライトニングフラッグの援護に向かおうとした瞬間1ガンダムタイプキュリオスの背部にゴツンと何かが当たる。
「私の恐ろしさを思い知らせてあげるんだから!」
「あれはチョパムアーマーだったのか!?」
振り落とそうとした瞬間に内部に潜り込まれる込まれると滅茶苦茶に暴れられ初めてしまう。
勝手にモビルスーツ形態へと戻されてしまう。
「機体の操作が!?」
そして1ガンダムタイプキュリオスはおもむろにGNビームサーベルを抜くとそれを切腹する武士のように腹部に突き立てる。
「こんな!こんなやられ方!?」
「嘘!?出られない!?」
両者の悲鳴が響き二つの機体が同時に脱落した。
◎
頭部を掴まれたダイバーエースがビルに叩きつけられると残った右腕を掴まれ地面へと叩きつけられる。
「私の勝ちです。」
「確かにこの戦いは貴女の勝ちだ。だけどっ。」
剣を振りかぶるライトニングフラッグにジョシュアの操るジンクスから通信が入る。
「隊長!フラッグ機はダブルオーじゃありません!恐らくは――」
だが最後まで言い終えることなく突如としてジンクスが爆散する。
「ジョシュア!」
「俺の仲間も伊達じゃないです。ヒビキさん!」
ダイバーエースがGNソードを投げライトニングフラッグのもう片方の脚を破壊する。
「まんまと掛かってくれて笑いそうだったわ。」
「ユニコーン!?」
景色からにじみ出るように零丸が現われると刀を手にし地に伏すライトニングフラッグへと介錯を行おうとする。
「SDタイプのガンプラをただのガンプラと侮ったが貴女達の敗因よ。覚えておきなさい。」
「胸に刻んでおきます。」
ライトニングフラッグが斬り捨てられる。
「ついでに言っておくとフラッグ機は私の零丸よ。」
「嘘ぉ!?」
『厄介って言った!厄介って言った!』
ハロの文句を聞きながらヒビキは敗北した。
「ヒヤヒヤしたよアヤメさん。」
「分身、身代わり。忍者なら基礎よ。」
「どこでそんな技術を身につけるんですか?」
「リアルでちょっとね。」
上空に勝者の名が浮かび上がる。
『WINNER BUILDDIVERS !!』
◎
観戦エリアにてロンメルは天を仰ぎマギーは黄色い悲鳴をあげミクとサラはどこか満足気にしているとヒビキ達が戻ってくる。
「すいませんロンメルさん負けました!」
「勝ちましたよロンメルさん!」
敗者と勝者しかし二人は笑顔であった。
「そうだね、一つ聞こうか。皆楽しかったかい?」
「楽しかったです!」
「俺もです!」
「ならば結構。」
頭の中ではどのように訓練をつけようか考えているロンメルであったが楽しかったと聞き嬉しい彼の気持ちも本物であった。
「ねぇヒビキ、私もやってみたいな。」
「本当!?じゃあプレミアムバンダイで選んで!」
「選び方については後で教えて?」
「分かった!」
自分もガンプラバトルをやってみたいと言うミクにヒビキは嬉しくなるとミクのガンプラを選ぶ場にプレミアムバンダイをあげるが当のミクに後で言われ特に疑問を覚えずに納得する。
「次の段階に行くのね?」
「はい、運動しないと健康に悪いですから。これ以上痩せていくヒビキは見たくないです。」
「リハビリ用の運動アプリ送っておくわね。」
「ありがとうございます。」
ミクとマギー二人の間で行われるヒビキの外克服計画が始動し始めていた。