新型をひっさげて参戦し二発のGNツインバスターライフルによって多くの有志連合のガンプラを倒したヒビキを倒さんと向かおうとしたロンメルを囲むように四機のブレイブが舞う。
「君たちまでもか!」
「そうです大佐!私たちもです!」
「分かっているのか、サラ君を助けると言うことはGBNを見捨てると言うことだ!」
「大佐こそ分かっていません。」
「なに?」
グリモアレッドベレーの前に浮くブレイブを操るジョシュアがGNビームサーベルを抜く。
「隊長は不可能な約束はしない人だ。ならばあの人はGBNもELダイバーも両方を救えると確信している!」
「理想にすぎない!」
「理想を抱き!スペシャルを目指してこそのGBNです!彼女の歌には力がある!」
「ならば第七フラッグ隊!私たちを越えて見せろ!」
ウィングビートの奏でる歌に呼応して第七機甲師団から第七フラッグ隊が離脱したように百鬼のオーガの先だった参戦に遅れてフォース百鬼がビルドダイバーズへの加勢に次々参戦していく。
「百鬼までもか!」
「ロンちゃん。私たちは世界よりも命を取ったのよ。」
「生きる世界がなければ産まれた命も共に死ぬだけになることが何故分からない!」
「貴方だって苦しいんじゃないの!」
「理想が叶わないからこそ私は鬼となるのだ!」
世界ランク二位のフォース第七機甲師団のフォースリーダーロンメル。
彼は数的不利の戦いを強いられてなお瞬時に策謀を巡らせ物量差を感じさせず逆に押すほどの奮戦を第七フラッグ隊と百鬼そして先ほどまで相手をしていたマギー、タイガーウルフ、シャフリヤールにしてみせる。
「智将と言われたこのロンメル!数で勝ったくらいで勝てると思わないことだ!」
「くっ!トランザム!」
「闇雲だ!」
「なんだと!?」
トランザムを使い離脱しようとしたダリル機のブレイブが脚部を墜とされる。
「単機で攻めるな!大佐一人でマグアナック三十六機に匹敵すると思え!」
「了解!」
リーダー機であるジョシュアからの警告に各機が応え連携を持ってグリモアレッドベレーに襲い掛かる。
「君たちは今まで私のロンメル隊に居たのだ!各機の特性を把握していないとでも!」
「ジェットストリームアタックを防いだ!?」
「私は仲間思いなのだよ。故に個々人の操縦の癖は全て把握している!」
「恐ろしい人だ!」
グリモアレッドベレーただ一機に皆は攻めきれずに居た。
◎
襲い掛かった三機のガンダムがキョウヤの放つ気迫が滲み出たAGEマグナムⅡのプレッシャーに吹き飛ばされる。
「これがチャンピオンっ!」
「何もされていないのに!?」
「ビビってんなら俺に全部喰わせろ!!」
GP-羅刹の振り下ろされた剣がFファンネルに防がれる。
「おおお!」
「世界か命。そのどちらを救うか決める大事な戦いだというの僕は一人のビルダーそしてファイターとしてこんなにも奮い立つの抑えることができない!」
「当たってるのに!当たらねぇ!」
「僕は君たちに僕を越えて欲しいと!そう思ってしまっている!理想が叶う瞬間を見せてくれ!」
光の如き速さの蹴りが放たれGP-羅刹の肩のバインダーが砕かれバランスが崩れた所にAGEマグナムⅡの拳が顔に炸裂し吹き飛ばされる。
「こんなに美味いバトルは初めてだ!」
超速で吹き飛ぶGP-羅刹の背後から槍と剣が飛び出すと残像を発生させながら襲い掛かるFファンネルを傷だらけになりながらかいくぐりAGEマグナムⅡを覆うプレッシャーの力場を攻撃箇所を一転収束することで突破する。
「届いたならぁ!」
「俺達は貴方という壁を越える!」
「届かせたか!」
攻撃が届いたことに歓喜するキョウヤであったが二機の攻撃をしっかりとビームサーベルで防ぐと回転することにより槍と剣を破壊する。
「見えない!?」
「デビルガンダムの時に見せてくれたのは全力のほんの数パーセント!」
Fファンネルがウィングビートの翼を引き裂きGNツインバスターライフルを使用不可能なレベルで破壊すると反対側に居たダブルオースカイを引き裂かんと迫る。
ダブルオースカイは迫るFファンネルに対して敢えて接近すると何とか一基を掴みそれを剣とし自身を襲うFファンネルを弾くとAGEマグナムⅡに斬りかかる。
しかしダブルオースカイの拳がFファンネルの放つエネルギーに耐えることができずに爆発するとシグルシールドが腹部を刺し貫くとダブルオースカイがシグルシールドごとAGEマグナムⅡを抑える。
「オーガさん!」
「抑えてろリク!」
先ほど吹き飛んだGP-羅刹がAGEマグナムⅡの背後を取ると剣を二振り掲げるとそれを全力でたたき込む。
「抑えてさえ居れば良いと思ったのなら!浅はかだ!」
「ぐぅおおおお!!!」
「でぇりゃぁぁぁああ!!!」
そして横合いからウィングビートがGNソードを展開し斬りかかる。
GP-羅刹とウィングビートの刃がAGEマグナムⅡの肩に罅を入れる。
「認めよう、君たちが全力を出すべき相手であると!FXプロージョン!」
AGEマグナムⅡが青いオーラに包まれ三機のガンダムの包囲から抜け出すとハイパードッズライフルによる銃撃を行うが異なる光を纏った三機のガンダムはそれを回避するとAGEマグナムⅡに肉薄し接近戦を仕掛ける。
「鬼トランザム!」
「トランザムインフィニティ!」
「トランザム!」
いくらトランザムを駆使しようともAGEマグナムⅡの猛攻の前にボロボロになっていく。
「八咫烏!」
「なっ!?」
ウィングビートが隠し持っていたライトニングフラッグのGNソードによる必殺技を発動させAGEマグナムⅡの必殺技に必要なシグルシールドを破壊するが反撃のFファンネルにより両腕を捥がれ地上へと墜落する。
「ヒビキさん!」
「目の前から目を逸らすなリク!」
「よく成長したリク君!だが此処までだ!」
防御を行おうとしたダブルオースカイであったがバスターソードをビームサーベルにより破壊され蹴り上げられると即座にマウントポジションに移行したAGEマグナムⅡにより地上に蹴り落とされる。
そして流れるようにGP-羅刹にビームサーベルを投擲しツインアイを片方破損させると高速接近し地上へと殴り落とす。
倒れる三機のガンダムをコックピットのモニター越しに見ながら密かにオープンチャンネルにしたキョウヤがリクに語りかける。
「さてこれで終わりだ。これでGBNは守られる。理想は理想のままに夢のままに終ってしまった。」
ビームサーベルを持つ腕にFファンネルを集結させ黄金の刃を形成したAGEマグナムⅡがダブルオースカイにゆっくり迫っていく。
◎
無敵の力を見せつけるチャンピオンであるクジョウ・キョウヤに一方的に追い詰められていく三機のガンダムの様子をロビーに居る大勢のダイバーと共にミクもまた見ていた。
「ヒビキ、みんな。お願い・・・。」
祈るように手を合わせる彼女の近くでコーラサワーのようなダイバーがあっと声をあげる。
「お、おいあれ!」
彼が指し示すモニターの中でゆっくりと軋みを上げながら立ち上がる三機のガンダムにダイバー達がどよめきを起こす。
「お願い。サラちゃんを助けてあげて。」
黄金の刃を携えるAGEマグナムⅡに機体が悲鳴を上げてなお立ち向かう三人のダイバーにミクは祈りを捧げた。
◎
立ち上がる三機を見て嬉しそうに口角を上げながらだが低い声でキョウヤは問う。
「もう十分だろうリク君。君は良く頑張った。勝ち目なんて最初からなかったはずだ。」
「キョウヤさん・・・俺貴方に憧れてGBNを始めたんです。貴方の強さに諦めない心に憧れて!」
サラと一緒に過ごした思い出に想いを駆け巡らせながらリクはキョウヤに叫ぶ。
「俺はこの世界でガンプラバトルが大好きになりました!そんな中で出会ったのがサラなんです!サラは俺に気づかせてくれた!誰かと繋がれる嬉しさを!誰かと一緒に入れる喜びを!だから俺はサラを諦めない!」
『私だってサラちゃんを諦めたくない!サラちゃんともっと一緒に笑い合いたい!』
『僕だって応援して貰ったんだ僕の歩く道を!』
『闇に惑った私を再び光に照らしてくれた!』
『一度は諦めた好きを好きだと言わせてくれた!』
オープンチャンネルで繋がったビルドダイバーズの叫びがGBN全体に轟く。
『『『『「だから、俺(私)達は俺(私)達の好きを諦めない!!!」』』』』
ダブルオースカイのツインアイが力強く輝く。
「御託は済んだかリク!」
「受け取れ少年!」
飛来したGP-羅刹の剣とウィングビートが蹴り飛ばしたGNソードを受け取ったダブルオースカイが二つを無理矢理合体させると虹の輝きを纏い巨大な虹に輝くバスターソードを構える。
「俺達は貴方を超える!チャンピオン!」
「来いビルドダイバーズ!」
黄金と虹が激突し地形が砕け溶解していく。
「思いだけでも力だけでも駄目とはよく言った物だ!」
「諦めない!それは絶対に絶対だ!」
虹が黄金を打ち破りAGEマグナムⅡを虹の奔流が襲う。
「このGBNを守る義務がチャンピオンの僕には!」
虹から機体上部を融解させながら現しビームサーベルを抜きダブルオースカイを斬り捨てようとしたAGEマグナムⅡであったが彼方からの狙撃によりビームサーベルが弾かれる。
『キョウヤさん、この世界でそんな苦しいことに縛られないでください。純粋にこの世界を楽しんでください。』
「ヒロト君か、そうだな。このクジョウ・キョウヤ、GBNで楽しむことを忘れていた・・・。」
虹がAGEマグナムⅡを消し飛ばす。
「見事だリク君。」
ただその一言を言ってチャンピオンは敗北した。
そしてダブルオースカイは虹の爆発に乗りリクをサラの元へと連れて行く。
「行けよビルドダイバーズ!」
「飛んでリク君!貴方の最愛に!」
ダブルオースカイが光り解け中からリクが飛び出すとテラスに飛び出してきたサラと抱き合い膨らんだカーバンクルをクッションにテラスに降り立つ。
「サラ!約束守ったよ!」
「ありがとう!会いに来てくれて、ありがとう・・・!」
抱き合う二人を見てゲームマスターが目を細める。
「認めなければね、君たちの勝利を。」
ゲームマスターの指が鳴らされるとビルドダイバーズの勝利が告げられた。
◎
機体の修復を済ませヒビキはビルドダイバーズ達と共にロビーエリアへと移動するがそこにはバグの影響で巨大化した上に凶暴化したレイドボスが鎮座していた。
だがバトルの結果によりサラを救うことに全力出した有志連合と無粋なバグを許さない運営の手によりレイドボスはあっという間に打ち倒されサラがロビーエリアのタワーへと到達する。
「ヒビキ!」
「ミク。」
「サラちゃんは、これで助かるの?」
「うん、後はリク君達に任せよう。」
そう言いサラに手を振りそれに気づいたサラが手を振り替えしたのに微笑むとヒビキはその場を去ろうとするがロンメルに呼び止められる。
「ヒビキ君。」
「ロンメルさん。私、第七機甲師団を抜けます。」
「何故だい。」
「裏切っちゃったからです。」
「そうか、ならば何も言うまい。だが、待っているよ。」
「何をとは聞きません。」
リアルへとサラが向かうのと同時にヒビキは第七機甲師団を抜けミクと共に去って行った。
「あれが、若さか。認めたくないものだな、私自身の老い故の可能性を信じ切れない心を。」
「なぁに言ってるのロンちゃん貴方は十分若いわよ。」
「君は口が上手い。」
寂しくなるなとロンメルはそう思った。
ヒロトは現実に向かったサラを遠くから見送るとアヴァロンから脱退し歩き出す。
(イブ、君の妹は未来に歩いて行った。だから俺は、君を探すよ。君ともう一度未来へと歩きたいから。)
◎
現実の洋風の古風な部屋にて一人の男が窓の向こうの青空を眺めていた。
(検出されるとはね、アウフヴァッヘンが。気を張ったよ、隠匿するのにね。だが近いね、完全な覚醒は。備えなければね、悪魔に。)
「会いたいものだよ、ドヴェルグ達に。」
世界から消え去った友に男は思いを馳せた。
◎
ダイバー達から第二次有志連合戦と呼ばれる戦いが終わりサラとGBNの二つが無事に助かってから早数ヶ月響は鎌倉の風鳴本邸から母親と祖母の退院に合わせるように帰宅していた。
『教えるべき基礎は教えた。鍛錬を怠るな。』
そう訃堂から言われた通りにトレーニングを続けていた響であった。
自宅に帰宅しリディアンを未来と一緒に受験し二人揃って合格した上に寮も同じ部屋になったことでテンションがあがっていた響はその日GBNでとんでもない出会いを果たす。
アイテム収集系のミッションをハロと共にこなしていたヒビキであったがハロが着いてこない来ないことに疑問を覚え道を引き返すと花畑の中央で微動だにしないハロを見つける。
「ハロ?」
返事をしないことに心配になってヒビキが駆け寄った瞬間に突如としてハロが輝くと人の形へとなっていきその姿にヒビキは目を見開く。
「か、奏さん?」
「・・・?」
寝起きのような表情で優しく微笑む奏のような誰かがヒビキを見ると抱きつき押し倒す。
「えぇ!?」
「あたしはカナデって言うのか?母さん。」
「おかっ!?私がお母さん!?」
鳥の刷り込みのようにヒビキを母と認識したカナデがヒビキを抱きしめたまま眠る。
「寝てる・・・。」
穏やかに眠るカナデの表情を見てヒビキはこの人物がELダイバーだと言うことを悟り更に母と呼ばれた事で父の事を思い出してしまい覚悟を決める。
「私は、逃げない。お母さんをやってみせる。」
その後普通のモビルドールではなく本能的にハロが良いとカナデが言ったため響は『自分で作るお喋りハロ』を買って改造する羽目になった。
チャンピオンはイベントボスだからね