機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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戦姫の運命

 突如として山の民を襲い始めた謎の存在ヒトツメと戦うレジスタンスの隊長達の一人であるジェドに憧れる少年ストラは西の集落に支援に向かうジェド達が乗る車に隠れ潜んでいた。

 

「ストラは、今回は居ないな。ようやく分かってくれたか。」

「あの子もあれで聡い子だ。やるべき事は分かっているのだろうよ。」

「だと良いんだ。戦って血を流さなくて良いならそれが一番だ。行ってくるよ父さん。」

 

見送りに来た父に別れを告げたジェドがレジスタンスの仲間であるカリコ、ザブンと共に車に乗り込み西の集落へと向かっていった。

 車が西の集落に到着しジェドとカリコが西の集落の長に到着の挨拶に行っている間に支援物資の荷解きを行おうとしたザブンが荷台に潜んでいたストラを見つける。

 

「ストラ!」

「俺だってジェドさんやレジスタンスの人達の役に立ちたいんです!」

「だからってここまでずっとそこに居たのか!?」

 

支援物資の確認を西の集落の長と一緒に行おうとしたジェドが荷台に居るストラを見つける。

 

「どうしてここに居るんだストラ。」

「ジェドさん、俺だってヒトツメと戦えるんです!」

「危険だと言っていただろう。」

「でも・・・。」

 

役に立ちたいと訴えるストラにジェドは今回のように自身のあずかり知らぬ所で行動を起こされたらいけないと思う。

 

「ならストラ、今此処はヒトツメ達の標的にされている。見張りをしていてくれ。だが決して戦いを挑もうとするな。」

「分かったよジェドさん!」

 

役目を与えられたことで舞い上がるストラを見てザブンがジェドに言う。

 

「良いのかジェドさん?」

「これで少なくとも今回みたいにやけを起こさないはずだ。」

「それは、確かにそうだな。」

 

見張りと聞いていた西の集落の長が近くに見える高台を指さす。

 

「ならあそこから遠くが見渡せる筈です。」

「早速行ってきます!」

「元気がよろしい。」

「それ故に不安です。」

 

高台に向けて走って行くストラをジェドは不安気に見送った。

 

 

 

 

 

 

 高台に来たストラは頂上が独特な形をしていることに気づくと岩で防がれているらしき穴を見つける。

その穴が気になったストラは意外と軽かった岩をどかすと穴の中に入っていく。

 

「なんだここ、明るいし広い・・・。」

 

意外な広さを見せる内部に気を取られたストラは階段から足を踏み外す。

 

「うわぁ!?」

 

階段を転がり落ちたストラは壁にぶつかると強い光に包まれる。

 

「なんだ!?」

 

そして光が収まると彼の周囲に無数の景色が映し出される。

 

「なんだよここ!?」

 

景色の中に居る者達に気づいたストラがその景色に目を吸い込まれると一人の少女がヒーローのような格好に着替え人型に吸い込まれる光景であった。

思わずそのパネルに触れるとパネルが拡大され音声も流れ始める。

 

「歌?」

『ライトニングフラッグは稲妻よりも速く空を翔る!』

「凄い・・・。」

『これが・・・マスクドフラッグっ!』

『そうだ、私がこの空で誰よりも自由な女だ。』

 

パネルの向こうで繰り広げられるマスクドフラッグの戦いにストラは心を奪われた。

 

「かっこいい・・・。あ、見張りしないと!」

 

だが曲がりなりにもレジスタンス志望任されていた任務を思い出すとストラは外に出て行くとヒトツメへの見張りを行った。

 

 

 

 

 

 

 あれから数日ストラは見張りの合間にはマスクドフラッグの戦いを見ていたがそんな日々はヒトツメの尖兵であるエルドラアーミーとエルドラプルーマが接近しているのを見てしまい打ち砕かれる。

 ヒトツメ達の接近をジェドに知らせたストラは集落の人達と共に避難するように言われる。

 

「ジェドさんは!?」

「俺達はレジスタンスだ。敵わなくても戦う。ストラお前には未来がある行くんだ!」

「俺もレジスタンスです!」

「見張りを任せていただけだ!俺に共に死んでくれなんて言わせないでくれ!」

 

響き始めたヒトツメの駆動音にストラが竦むのを見てジェドは銃を手にとるとザブンとカリコや西の集落のレジスタンスと共にヒトツメの元へと走って行く。

 

「俺達が絶対に守るから避難をしていろ!」

 

離れていくジェドの背と姿を現したヒトツメ達を見てストラはあることを思いつく。

 

(待っててくれジェドさん!助けを連れてくる!)

 

避難所とは別方向にある高台に向かったストラは高台に内部に入るとここ数日で覚えたパネルを出す石版を触りまくるといつものパネルとは違いノイズ混じりの景色が映るとそこに誰かが走ってくる。

 

「助けてくれ!」

『うぉわぁ!?』

 

間近まで寄ってきていた少女が腰を抜かすのに少し罪悪感を抱いたがその奥からマスクドフラッグがやって来たのを見て希望を抱く。

 

「助けてくれ!」

 

再び助けを求めるが聞こえていないのか反応がないならばと今一番助けて欲しい相手の名を呼ぶ。

 

「お願いだマスクドフラッグ!ジェドさん達を助けて!」

『え!?名指し!?』

 

名指しを受け驚くマスクドフラッグであったが直ぐに冷静になるとストラを見る。

 

『分かった、助けるよ。私はどうすれば良いの。』

「そうだ、どうやって来て貰えば・・・。」

『聞かれるまでもない!救援要請!その旨を良しとする!』

「え?」

 

向こう側に何かが出たのかそれを押したマスクドフラッグと彼女の仲間と思える者達が光に包まれるとストラの背後が光り始める。

 

「もしかして!」

 

振り返るとそこには先ほどまでパネルの向こうに居たマスクドフラッグ達が五箇所のの場所に居た。

マスクドフラッグの元に駆け寄ったストラは助けるべき者が居る場所を聞いた彼女を案内し喋るオレンジボールと一緒にライトニングフラッグに乗り込みヒトツメに襲われている集落にやって来るとマスクドフラッグが操るライトニングフラッグが剣を抜きエルドラアーミーを両断する。

 

「仲間割れか!?」

「下がっててください!」

「ああ、分かった。下がるぞ!」

 

近くにいたジェド達に下がるように言ったマスクドフラッグはライトニングフラッグに新たに剣をもう一つ抜かせ彼らに襲い掛かろうとしていたエルドラプルーマを爆散させる。

 

「こっちで来て正解だった。」

 

エルドラアーミーとエルドラプルーマ三機の合計四機になったヒトツメにライトニングフラッグは双剣を構える。

 

「一気に倒す!トランザム!」

『GNソード粒子圧縮率推定値!』

 

赤く輝いたライトニングフラッグは容易く残りのヒトツメを撃破した。

 

 

 

 

 

 

 訳も分からず始まったシークレットミッションと思われる物をクリアしたヒビキはつけっぱなしにしていたマスクドフラッグの仮面を取ると横に居る少年に尋ねる。

 

「そう言えば貴方の名前をまだ知らなかったよ。私はヒビキ。」

「俺ストラって言います!助けてくれてありがとうございました!」

「ガンダムマイスターとして当然のことだよ。」

「ガンダム?」

「いつかは分かるよ。」

 

NPDとは言えELダイバーというGBNで産まれる命を知っているヒビキはストラを一つの個として扱い普通の人のように接していた。

 ライトニングフラッグから降りたヒビキの鼻腔を舞い上がる炎と血の匂いが擽る。

 

「戦いの匂いだ・・・。」

『生体反応!生体反応!』

「どっち!?」

『こっち!こっち!』

 

生体反応を感知したカナデに案内されヒビキがそこに行くと下半身が無い銃を持つ男がいた。

 

「ガガさん!」

「見習いの坊主か・・・。生きろよ。」

 

短い付き合いであったがストラの未来を祈ったレジスタンスの男は三人の前で事切れる。

 

「守れなかった・・・。もっと速く来てれば!」

「そんな・・・。」

 

GBNではあり得ない描写に動揺するヒビキとカナデの後ろからジェドがやって来る。

 

「ストラここに居たのか!それと貴女が先ほどの--。ガガ!」

 

事切れているガガに駆け寄ったジェドは暫し悲しみに沈むと立ち上がると三人に振り向く。

 

「彼の埋葬は後ほど行います。今はこちらに貴女の仲間と思われる方も来ています。ストラ行くぞ。」

「うん・・・。分かったよジェドさん。」

 

カナデを抱えたヒビキがジェドについて行くとライトニングフラッグの周りに集まっている仲間を見つける。

 

「みんな。」

「どうしたんだよそんな暗い顔して。」

「クリスちゃん・・・。」

 

暗い顔をするヒビキにそう言うクリスであったがツバサにヒビキが暗い顔をしている理由を指摘される。

 

「気づいているはずだ。此処には私たちが常駆けている戦場の匂いがある。」

「・・・分かってるよ。おい、そう言うことなのか?」

「うん、多分。そうだとしても、私たちのやることは変わらない。」

 

瞳に決意を宿しそう言うヒビキにミクが手を取る。

 

「でも無理はしないでね。」

「ミクもね。」

「分かってる。」

「そう言うことは家でやれってんだ。」

 

いつもの調子を取り戻したヒビキにクリスは安心からそうこぼす。

 

「皆さんにお聞きしたい。」

「なんだろうか。」

「貴女方は何者なんですか?」

「私たちは―」

 

ジェドに尋ねられ答えようとしたツバサだけでなく全員の前にフォース名の入力欄が現われる。

 

「此処で決めろってことか!?」

「そう言えば私たちフォース組んでなかったね。」

「だけど急に名前を決めろって言われても・・・。」

『時間制限有るぞこれ。』

「なんだと!?」

 

戸惑うクリス達であったがヒビキはすすいとフォース名を入力する。

 

「実は前から考えてたんだ。」

『RADIANT FORCE』

 

とヒビキは空欄を埋める。

 

「こういうのはもっと相談してだな!」

「良い名前だと思うよ!」

「いやそうだけどな!」

「ありがとうクリスちゃん!」

 

照れるヒビキに突っ込むクリスを横にツバサはジェドに先ほどの問に答える。

 

「私たちはレイディエントフォース。今そう言うことになった。」

「ではレイディエントフォースの方々に身勝手ではありますが頼みがあります。どうか我々に手を貸してください。」

「助けに応じて此処に来たんです!最後まで成し遂げます!」

「ありがとうございます!」

 

ジェドが頭を下げるとヒビキ達の前にミッションクリアのパネルが浮かび次にタイムアップの宣告がなされると光に包まれた。

 

「ヒビキさん!?」

 

モビルスーツと共に消えたヒビキ達にストラが声を上げるが光が消える頃にはヒビキ達は何処にも居なかった。

 

 

 

 

 

 

 光に包まれて後ログアウトになった響は自室で意識を現実に取り戻す。

 

「GBNで本物かもしれない戦争に巻き込まれるなんて。」

「でも響は誰かを助けたいって思ったからあの子を助けたんでしょ?だったら私も最後まで付き合うよ。」

「未来、ありがとう。」

「あたしもやるよ。あたしにとっちゃどっちも現実だからな。」

「もちろん忘れてないよ。」

 

珍しくモビルドールの姿で出てきたカナデにそう答えながら響は棚の上の最近手を加えてMA形態に変形可能になったウィングビートを見やった。

 

(歌を響かせよう、あの大地と空に。)

 

ウィングビートのツインアイが光ったように響には見えた。

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