GBNのロビーで待っているヒビキ達の元に和装のうえ帯刀したツバサが現われる。
「ツバサさん、その刀は?」
「小型の出現も考えられるからな。用心だ。」
ヒビキにそう答えながらチャキりと鍔を刀の存在をツバサが示すと揃った五人の前にパネルが現われると光に包まれ転送されていった。
光に包まれた次の瞬間にはヒビキ達は昨日訪れた遺跡のような場所に来ていた。
「ヒビキさん、来てくれたんですね!」
「あたしらも居るぞ。」
「す、すいません!」
「そう脅すなクリス。」
「そんなつもりはねぇよ。」
クリスの小言に咄嗟に謝るストラの横でジェドは眉間を揉む。
「見せられて分かった、ストラお前はこれからはレジスタンスだ。」
「ジェドさん!」
「だが、まだお前は見習いだ。分かるな。」
「分かってるよ!」
場所は変わって西の集落の建物の一つその中にて。
「教えてください、貴方たちが戦っている相手について。」
「分かりました。」
ヒビキからそう言われたジェドが語り始める。
「私たちは元々このエルドラの地でただ静かに暮らしているだけでした。ですがある日突然ヒトツメが現われ私たち山の民を襲い始めたのです。」
「話し合ったりは。」
「無駄です。対話を試みた者も居ましたが無惨にも散るだけに終りました。」
「すいません軽率でした。」
「気にしないでください。私たちはいち早くヒトツメ達を倒したい平和を穏やかな誰も無為に死なない日々を取り戻したい。」
切実にそう言うジェドの言葉には死んでいった者達への悔恨とヒトツメへの怒りが滲んでいた。
「つまりだあたしらはそのノイズみたいなえっとヒトツメからあんたらを守れば良いのか?」
「私たちと一緒に戦って欲しいのです。」
ただ守れば良いのかとそう問うカナデにジェドは共に戦って欲しいという。
「ならば私たちレイディエントフォースは防人として貴方方と共に今このときはエルドラの地を守る剣となろう。」
「ありがとうございます。」
「あの気になってたんですけどその方は?」
カナデについて気になっていたストラが溢した疑問にヒビキが答える。
「私の娘的な子かな。」
「いつ聞いてもなれないものだな。」
「そこは馴れて貰うしかないですよツバサさん。」
「案外受け入れたら楽だぜ?あたしは天羽奏じゃなくてELダイバーのカナデだからな。」
「子ども!?でもヒビキさんよりも。」
どう見ても年上ではと言おうとしたストラであったが目の前でカナデがハロに変化したことで顎を外す。
「元々はただのハロだったんだけどね。」
『まぁそう言うことだよろしくな。』
「みなさん、飲み物をお持ちしました。」
集落の長が人数分の飲み物を手に入ってくるとジェドに言う。
「ジェドさん準備は終りました。」
「準備?」
お礼を言い飲み物を受け取っていたミクがそう言うと顎を戻したストラが答える。
「此処はもう駄目なんだ。」
「駄目?」
「ええ、前回の襲撃で集落を守るための壁が崩れた上に付近を小型のヒトツメが徘徊しているのです。そのため此処を捨てて別の集落に逃げるんです。」
「俺やジェドさんが住んでる場所なんだ!」
「なるほど、出発はいつになる?」
「夜です。暗闇に紛れて出発します。多少なりともヒトツメの目を誤魔化せるはずです。」
「了解した。」
作戦の開始時刻を聞いたツバサはそう答えられると頷いた。
◎
弦十朗は翼から報告されたGBN内で本物かもしれない戦争に巻き込まれたかもしれないと聞いてあの翼が冗談を言うとは思えないとしてGBNに関する大きな出来事を調べていた。
「緒川、なにか分かったか?」
「いえ、ただシドー・マサキという方が半年程前からGBNが原因と思われる意識不明状態になり現在も眠り続けているとしか。」
「俺もだ。他と言えばELダイバーに関することしかヒットしない。」
表も裏も使って調べたにも関わらず翼の言う血なまぐさい事件はヒットしなかった。
「だが、翼が冗談で戦争などと言うとは思えん。」
「僕もです。司令まもなく時間では。」
「もうそんな時間か。親父殿も顔を見せろとは何を考えているのやら。」
「おおかた僕たちが回収したガンダムの情報が狙いでしょう。」
「エクシアだけで満足していて欲しかったがな。」
鎌倉へと弦十朗は向かっていった。
◎
すっかり日は落ち夜になりヒビキ達は各々のガンプラに乗り込み別の集落へ避難する山の民の護衛を行っていた。
カナデは細かい粒子調整が必要なウィングビートのサポートユニットとしてログインしているためシャイニングフラッグは持ってきていなかった。
「あのヒビキさん、前の奴はどうしたんですか?」
「ライトニングフラッグだと武装が限られるからこのウィングビートで来たんだ。この子も強いから安心して。」
「はい!」
「そうだ聞きそびれてたけど今から向かう集落までどのくらい掛かるの?」
「一晩あれば着くってジェドさんは言ってました。」
戦闘は起こらずジェドの見立て通りヒトツメ達の目を暗闇が防いでくれたのか襲撃はなく順調に進んでいく。
「順調過ぎるな。」
「ツバサさん?」
「気を抜くなミク、暗闇で私たちの姿が紛れていると言うことはヒトツメの姿もまた見えないと言うこと。」
「ヒビキの話しだと小型はプルーマらしいんです。」
「クリスのグシオンのレーダーしか頼りにならないか。」
「安心しろ、あたしら以外なにも反応してねぇよ。」
「了解した。」
エルドラプルーマの放つエイハブウェーブによるレーダーの妨害を警戒しているとツバサは後方から視線を感じそちらにアストレイ・蛇骨を向かせるとモニターにこちらを狙撃しようとしているエルドラアーミーを発見する。
「いつの間に!」
天羽々斬を抜刀したと同時にエルドラアーミーは引き金を引く。
「一発程度!」
だがその弾丸はアストレイ・蛇骨に斬り落とされエルドラアーミーは逆にアーマーシュナイダーを投擲され爆発する。
「ツバサさん!こっちからはプルーマが!」
「私が相手をする!」
どこからともなく現われたヒトツメ達にパニックになりそうな西の集落の者達をなんとか冷静にさせながらジェドは爆弾を手に取ると襲ってくるエルドラプルーマの集団に投げつける。
「撃て!銃が利くようにした!」
「了解!」
装甲を剥がすことに特化した爆弾が炸裂しナノラミネートアーマーが剥がれたエルドラプルーマがレジスタンスに撃ち倒されていく。
「小型はある程度任せて大丈夫なんだな!?」
「この程度であれば私たちで対処できる!大型のヒトツメを頼む!」
「任せろ!聞いてたな!」
「バッチリだよクリスちゃん!私が足を止めるから!」
「ああ、あたしが撃ち抜く!」
GNランスを構えたウィングビートがエルドラプルーマを空に放り上げそれをグシオンスノーホワイトが次々と撃ち抜いていくがそれでも漏れができるも残ったエルドラプルーマをレジスタンスが倒していく。
「おぉりゃぁあああ!!!」
メイスで殴りつけてくるエルドラアーミーの攻撃をGNシールドで防ぎウィングビートはGNランスを振るいエルドラアーミーを二機同時に撃破する。
「こいつで最後だ!」
最後のエルドラアーミーがグシオンスノーホワイトのヒートロッドで溶断され撃破された。
襲撃地点から離れた場所にて休憩を取ることになったことでレイディエントフォースの皆もガンプラから降りると食事を貰っていた。
「貴女達のおかげでヒトツメに襲われたにも関わらず犠牲者は出ませんでしたありがとうございます。」
「当然のことをしたまでですよ!お礼を言われることなんて。」
「ヒビキこういうときの礼は素直に受け取っておく物だ。」
「分かりました、えっとこれからも任せてください!」
長からの礼をツバサから指摘されたことでヒビキは素直に受け取る。
「リーダーがそんなんじゃ不安だな。」
「リーダー?私が!?」
「当たり前だろ?このフォースの名前を決めたのはお前だからな。」
「そっかぁ、ツバサさん!」
「頼りにしているぞ。」
「はい!」
リーダーをツバサに任せようとしたヒビキであったがあえなく受け流される。
「ツバサさん相手だとヒビキがチョロすぎて不安になるの。」
「まぁな、アイツの憧れの人なんだろ?」
「そうなんだけど。」
休憩が終りレイディエントフォースはガンプラに乗り込み西の集落の皆も避難を再開する。
ストラは自分も戦いとジェドに訴えたがガンプラの中が一番安全だと考えるジェドがヒビキに頼みストラをウィングビートのコックピットに同乗させた。
◎
空が白み始め避難先の集落が視界に入り始めた。
あれ以降ヒトツメの襲撃がないことに安堵していた面々であったが避難先の集落から戦いの火が上がっていることに顔を青くする。
「私が先行します!」
一方的にそう告げウィングビートをモビルアーマー形態に変化させたヒビキが集落に向かおうとするとヒートロッドを使いグシオンスノーホワイトがウィングビートの上に乗る。
「あたしも連れてけ。」
「分かった!」
「こちらは私とミクに任せておけ!」
「ツバサさんありがとうございます!」
礼を告げヒビキはグシオンスノーホワイトが態勢を固定したのを確認すると操縦桿を握りウィングビートを集落に向け発進させていった。
◎
エルドラアーミーに滅多打ちにされたジャスティスナイトがアースリィガンダムの横に着弾する。
「傷は与えた!後は任せたぜ相棒!」
「だから俺はお前の相棒になった覚えはない!」
渓谷を抜けたエルドラアーミーとエルドラプルーマが集落に侵入してくる。
「こうなったら、コアチェンジ!アーストゥマーズ!」
アースリィガンダムはマーズフォーガンダムにコアチェンジすると剣を抜き近接格闘を交えてエルドラアーミーを撃破すると集落の奥に向かおうとしていたエルドラプルーマに剣を投げつけ撃破する。
なんとか被害を出さずにミッションをクリアしたと思った矢先に塞いだ筈の渓谷の内部でエルドラプルーマが自爆することにより岩を吹き飛ばすと三機のエルドラプルーマが侵入してくる。
その上その近くには避難している筈の子ども達が居ないことに気づいたフレディにその姉のマイヤとジリクが居た。
「駄目だこの距離じゃ撃っても爆発するうえに撃たなきゃ殺されるっ!」
エルドラプルーマが三人を察知し距離を詰め始める。
「逃げろフレディ!みんな!」
コックピットの中でヒロトが叫びをあげる。
あわや間に合わずに三人が散るとなったその瞬間駆けるマーズフォーガンダムの後ろからヒートロッドが伸びると三機のエルドラプルーマを貫き爆発の前に上空に放る。
「ちょせぇ!」
そしてトドメとして三発の銃弾が叩き込まれエルドラプルーマが全て撃破されるとコックピットの中にミッションクリアのパネルが現われる。
「乱入?」
振り返るとそこには地に降り立つグシオンスノーホワイトとモビルスーツ形態になったウィングビートが居た。
「あのガンプラは、ヒビキさん?」
第二次有志連合以来に二人は再会した。
◎
ウィングビートから降りたヒビキは目の前のマーズフォーガンダムから降りてきたヒロトに駆け寄る。
「久しぶり!ヒロト!」
「ヒビキさんもこのミッションに来てたのか。」
そう言われヒビキが少し難しそうな顔をするとヒロトの後ろからカザミが現われる。
「オイオイ人のミッションに乱入してくるたぁ良い度胸をぉ・・・。」
途中までは威勢の良かったカザミがウィングビートを見て固まる。
「チャンピオンを倒した三機の一つ!?てことはマスクドフラッグ!?あのサインください。」
「サインとかわかんないです。」
態度の急変からのサインを求められヒビキが固まっていると空が紫色に輝く。
「なに?」
「花火か?」
ヒビキとカザミ二人揃って空を見上げていると集落に到着したジェドをストラが連れてやって来る。
「ヒビキさんにクリスさん!」
「今の輝きは?」
「俺にもわかんないです!」
咄嗟にストラに聞くクリスであるが分からないと言われだよなと納得する。
「皆さん無事ですか!」
「ピンシャンしてます!」
そう答えるヒビキの後ろから少年が一人ジェドに駆け寄る。
「兄さん!」
「フレディ無事だったか!」
「はい!ビルドダイバーズの皆さんがガンプラで助けてくれんだ!」
「ビルドダイバーズ?」
「おうよ!俺達がそのビルドダイバーズだ!」
「貴方たちもレイディエントフォースの皆さんのようにレジスタンスに力を貸してくれるのですか!」
レジスタンス、ガンダムSEEDに出てきた単語にカザミが目を輝かせる。
「ああ任せとけ!このキャプテンカザミ率いるビルドダイバーズにな!」
横に居たヒロトの肩にカザミが肘を置く。
「なんだ?」
「進んだな。」
「なにが。」
「次のストーリーにだ。さて一旦帰るか・・・あれ?」
ミッションが進み一旦ログアウトしようとしたカザミの声に焦りが混じる。
「どうした。」
「帰れねぇ・・・。どうなってんだ!?」
「落ち着けログアウトボタンが消えるなんて。・・・ない。」
「だよな!?」
帰れていた前回までと違い帰れなくなっていることにヒロトとカザミは顔を青ざめさせた。
◎
ガンダムベースのGBNのログインルームに閉店時間になっても帰ってこないヒロトに声をかけに店長が入ってくる。
「ヒロトくんそろそろガンダムベース閉めちゃうよ。」
店長がそう言った直後ヒロトが床に倒れる。
「ヒロト君!?」
「どうしたんですか!?」
ヒロトの幼馴染みであるヒナタが叫びを聞きログインルームに駆け込ん来る。
「救急車を呼んでくれ!」
「はい!」
倒れているヒロトを見て青ざめながらもヒナタは救急車を呼んだ。
この日ヒロトを含んだダイバー七人とELダイバー二人がGBNをプレイ中に昏睡状態となった。
翼さんのスケジュール問題どうしようかな・・・・・・そうだ!