機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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リアルなゲーム

 集落に戻ってきたヒビキ達はヒトツメの襲撃を警戒して残っていたヒロト達と合流した後一旦分かれていた。

 

「そう言えばクリスちゃんなんでシンフォギアを使えたの?」

「あたしにもよく分からねぇ、だけど念じたら来てくれた。ほんっとフィーネの奴はどういう頭してたんだか。」

「調ちゃんのなかに居るらしいけど出てこないから聞けないよね了子さんに。」

「合わす顔がねぇんだろ。」

「私は会いたいけどなぁ。」

 

ギアを解除したことで猫みたいになったクリスを抱え撫で始めたヒビキとそれにクリスが無駄な抵抗を始めた辺りでミクがやって来る。

 

「二人とも機体の修復ができる場所が会ったんだって。ツバサさんはもう行ってるよ。」

『早く行こうぜ。』

「ホントに!?私たちも行こうクリスちゃん!」

「分かったから離せ。」

 

ヒビキの手から逃れたクリスが外にあるグシオンスノーホワイトに向かっていった。

 

「んで場所どこだよ。」

「私が案内するね。ヒビキも。」

「今行く~。」

 

スローネローズを先頭に一行はヒロト達がフレディによって呼ばれた遺跡に向かっていった。

 遺跡では既に前回の戦いで甚大なダメージを受けていたジャスティスナイトが修復されていた。

 

「おぉ!!俺のジャスティスナイトがピッカピカだぜ!」

「確かに損失した武装が補填されている。」

 

アストレイ・蛇骨もまた失った剣を修復していた。

 

「まさか、この砂で治るなんてな。」

「僕も最初皆さんが砂が固まってから現われたのにはビックリしました。」

「俺達の転送もこの砂が。」

 

遺跡中にある砂の一部を手に取りそう言うヒロトにフレディが始めたヒロト達に会ったときのことを思い出し告げる。

 

「他のアーマーも使えればもっと楽なんだけどな。」

「ヒロトさんのガンプラは他にも姿が変わるんですか?」

「ああ、本当はもっと色々あるんだけどログアウトできないからアースとマーズしか使えない。」

「いつか見てみたいです!」

「いつか見せられたら良いと俺も思うよ。」

 

ビルドダイバーズの機体の修復が終った段階でレイディエントフォースの機体がやって来ると空いていた残りの四つのスペースに機体を納めると砂が舞い上がり機体に付着していく。

細かい傷などが治っていく自身の機体をヒビキが見上げる。

 

「こうやって治るんだ。」

「最初は彼らの機体しか治らなかったが今遺跡の中に居るストラが生体情報と思われる者を登録してから私のサーペントも修復され始めた。」

「意外とハイテクというより訳わかんないレベルですね。」

 

全くもってどうして機体が直るのかも分からないヒビキがふと思ったことを言う。

 

「なんだかネフシュタンの再生みたいですね。」

「思い出したくもないこと思い出せんな!」

「あいたぁ!」

 

クリスに頭を叩かれたヒビキが頭を抑えていると遺跡の中から出てきたメイがヒビキ達の方に来る。

 

「ネフシュタン、確か聖遺物だったか?それと同じ条件とするならばこの遺跡やレジスタンスの武器も聖遺物と言えるだろう。」

「なるほどこの遺跡自体が、まてネフシュタンだと誰から聞いた?」

「妹から色々と聞いている。」

 

レイディエントフォースの視線がミクの抱えるハロ状態のカナデに向く。

 

「言っちゃったの?」

『あたし知らない。あたし知らない。』

「答えてくれどこまで喋ったのか。」

『話が弾んでな?』

 

ミクに聞かれ誤魔化そうとしたカナデであったがツバサの有無を言わせぬ迫力に暗に全部と答えるとメイがそれを肯定する。

 

「お前達が使っている物も戦っていた者達も聞かされたが機密だったか。他言はしないようにしよう。」

「そうしてくれ。普通の世界に生きる者達は知らなくて良いこともある。それとヒビキ、親のつもりならばこういうことが起こらないようにしなさい。」

「・・・面目ないです。」

 

怒られてヒビキが肩を落としているとストラが通信機を片手に遺跡から出てくる。

 

「ジェドさんが次の作戦が決まったから来て欲しいそうです!」

「ストラなにそれ僕貰ってないよ。」

「俺がレジスタンスの一員だって認められたんだよ。」

 

フレディはまだ通信機を貰っていないが単に現物がなかっただけである。

 

 

 

 

 

 

 機体の修復を終らせ集落に戻った後ヒビキ達はジェド達に案内され森の中にあるレジスタンスの基地へと案内されていた。

 

「ようこそおいでくださいました。此処が我々レジスタンスの基地です!」

 

基地の内部ではレジスタンスのメンバーが物資を外の車に運び出しているところだった。

 

「基地と言っても創造主様が残してくださった物の再利用ですが。」

「神様みたいな人達ってことですか?」

「神様、確かに我々からすればそうですね。」

 

ジェドについて行き向かっていった部屋の前に着いた所中から声が響く。

 

「私は反対です!ガンプラを主軸にした作戦など!」

「ムラン、既にレジスタンス内で決まったことだ。」

「ですがゴルス!私はあのような悲劇をもう見たくないのです!ガンプラ乗りを信じてしまったからあのようなことが!」

 

それを気にせずにジェドが入り口に立つと自動扉が開く。

 

「こちらです。」

「入って良いのかよ。」

「私が保障します。」

 

促され全員が入ると室内にいた二人の視線が向けられる。

 

「ビルドダイバーズとレイディエントフォースの皆さんです!」

「お待ちしておりました私がレジスタンスのリーダーゴルスです。ジェドから話は伺っております。」

「そして俺がビルドダイバーズのリーダー!キャプテンカザミだ!」

 

フレディからの紹介を受けカザミが自身を指し示しながら自信たっぷりに言う。

 

「キャプテン!そうか貴方がヒトツメの基地攻略戦で獅子奮迅の活躍をし!」

「おう!」

「無双の強さを見せた!」

「そうそう!」

 

ゴルスが握手を求めるように手を伸ばしカザミもそれに応じるように手を伸ばす。

 

「翼を持つガンプラを駆るお方!」

「ひょぉぉぉおおお!」

 

パルとヒビキの事を言っていることに気づいたカザミが奇天烈な声を上げると手を引っ込め項垂れると後ろに居た二人を指し示す。

 

「それはこいつとこの人です。」

「貴方方でしたか。」

「いや、そんなに褒められても照れちゃいますよ。」

「僕はやれることをやっただけです。」

 

項垂れていたカザミが気を取り直すと言う。

 

「レジスタンスのリーダーが出てきたって事は何かでかい作戦があるんだろ?」

「お見通しですか。現在我々は基地の向こう水上都市セグリに戦力を集結させています。それはセグリの向こうにある白銀の塔へと向かうためです。ですが塔の周辺に居る大量のヒトツメのせいで調査もままなりません。」

「なるほど、つまり俺達はそいつらを一機残らずぶちのめせば良いってわけか!」

「いえ、貴方方には物資移送にご協力頂きたいのです。」

「移送?」

 

先ほどの説明とはなんら関係のないことを言われカザミは少し呆ける。

 

「はい、お願いできますか。」

「撤退戦か。」

「撤退って・・・。」

 

撤退戦と聞いてやる気を無くすカザミを見てかどうかは分からないがジェドが発言する。

 

「この作戦は貴方方のガンプラの力を見込んでの事です。」

「僕たちの力を。」

「でもよそれじゃ撃墜数が稼げねぇじゃねぇか。」

 

感激するパルとは対照的にカザミは戦えないことに対して愚痴る。

 

「貴方さっきからなんのつもり?聞いておけば戦いを求めているように見えるわ。」

「ヒトツメがこなきゃ撃墜数が稼げないからな!俺はビルドダイバーズのリーダーだ!リーダーの俺がいつまでも撃墜数がゼロってわけにはいかねぇだろ!」

「そんなくだらない見栄。」

「くっくだらないっ!」

「ええ、くだらないわ。此処に生きる彼らは明日を生きようとしているそれを軽く見ている貴方の見栄なんて軽い。」

 

言い合いを始めたカザミとツバサの間にメイが入るとカザミに向けて言う。

 

「カザミ。」

「なんだよ。」

「撤退戦と言うことは襲撃もあり得ると言うことだ。そしてこれだけ大規模な移送作戦だ。必ずと言って良い確率でヒトツメに捕捉される。」

「襲撃・・・?そうだよ!襲撃だよ!」

 

その言葉を聞き瞳を輝かせたカザミがゴルスに迫る。

 

「あるんだよな襲撃!」

「断言はできません・・・。」

「もったいぶるなよ!ヒトツメは何機来るんだ!?十機か!?二十機か!?それとも―。」

 

机が拳で叩かれた音でカザミの言葉が止まり彼が音が聞こえた方向に視線を向けるとそこには瞳に怒りと失望を湛えたムランが居た。

 

「いい加減にしろ・・・。これは遊びではないのだ。ゴルス、やはり私にはこんな軽薄で命を軽んじ今にも裏切りそうな奴は信用できない!即刻作戦からガンプラ乗りを外すべきだ!」

「そ、そんなことはないです!レイディエントフォースのみんなは俺が助けを求めたら直ぐに来てくれた!ビルドダイバーズの方々だってマイヤやみんなを命をかけて守ってくれたんだ!」

「そうです!ビルドダイバーズの皆さんは最初から僕の無茶なお願いを聞いてくれました!みなさんが来てくれてからはヒトツメに殺された人は誰も居ないんです!だから裏切ったりなんてしません!」

 

今にも必死に訴えてくるストラとフレディに若干気圧されムランが後ずさると二人の頭を撫でるジェドがムランを見る。

 

「ムランさん、私も同じ気持ちです。」

「くっ・・・。」

 

二人の子どもの純粋な言葉を聞いたゴルスが瞳と共に口を開く。

 

「ゼルトザーム。」

「ゴルス、それは!」

「ゼルトザーム?なんだよそれ。」

 

初めて聞く単語にカザミが問い返すとゴルスが続ける。

 

「我々の最大の敵となっているヒトツメです。それに似ているのです。貴方達のガンプラに。」

「もしかして、その人にムランさんは。」

「貴女には関係のないことだ。私の過去など。」

「関係あります!」

「何を根拠に!」

 

ゼルトザームについて聞き思い当たった事でムランに聞き突っぱねられるもヒビキは迫る。

 

「ムランさん、貴方の目から零れる涙は涸れてても心は泣いています!だから教えてください!そのゼルトザームのパイロットと何があったのか!」

「ガンプラ乗りが私の過去に入ってくるな!涙だと!?私の心にあるのはヒトツメへの憎しみと怒りだけだ!所詮奴も始めからレジスタンスを滅ぼすためにヒトツメが送り込んだスパイだったのだ!」

 

喋り終え視野が元に戻ったムランがいたたまれなくなったのか足早に退室していった。

 

「私もゼルトザームについて詳しい事は知りません。なにせゼルトザームと時を長くしていたのはムランなのですから。」

 

ゴルスのその言葉に誰も何も言えなかった。

 

「んん!作戦は数時間後です。よろしくお願いいたします。」

「お、おう任せとけ!」

 

なんとかカザミはいつもの調子で返した。

 

 

 

 

 

 

 基地から出た場所でカザミはメニューの中の機能を使いG-TUBEを開いていた。

 

「なにが遊びじゃないだよ。キャプテンジオンが見れるって事は此処はGBNだ。・・・ログアウトできないけど。」

 

自分の言葉に引っかかりながらもカザミは動画を再生する。

 

『ぐあぁぁぁぁあぁぁあ!!!』

『どうしたキャプテンジオン?いつものように俺を修正するんじゃないのかぁ?』

『ぐぅ!』

 

デストロイガンダムに鷲掴みにされたν-ジオンガンダムが軋みをあげデストロイを操るダイバーの高笑いと共にスーパースキュラが放たれようとしたところでカザミは動画の再生をやめる。

 

「負け回かよ・・・。かっこわるい所を見せないでくれよ。」

「NPDMSじゃないってことは僕たちの他にもダイバーが此処に来ているんでしょうか。」

 

少し離れた場所でパルが発した疑問にメイが答える。

 

「これが本当にただのストーリーミッションならばそれはあり得ない。」

「だけど、セカンドミッションの後にヒビキさん達は来た。そして俺達はリアルに帰れなくなった。」

 

メイの言葉を引き継ぎそう言ったヒロトの言葉を聞いたカザミは無言で立ち上がるとどこかに歩き出す。

 

「カザミ?」

「レジスタンスの様子を見てくる。」

 

ヒロトにそれだけを告げたカザミが歩いていると荷物を運ぶのを手伝っているヒビキとミクを見つける。

 

「ねぇヒビキどうしてあんなこと言ったの?」

「何故か分かったんだ。あの部屋の前に来たときからムランさんは泣いてるって。」

「なぁマスクドフラッグ、答えてくれ。」

 

荷物を車に載せたところでカザミに話しかけられたヒビキが振り返る。

 

「どうしたの?」

「此処はGBNなんだよな!?」

「此処に居る山の民のみんなには心がある。だから私は此処はGBNだけどGBNじゃないんだと思う。」

 

ヒビキの答えを聞いたカザミが縋りつく。

 

「あり得ねぇよ!」

「カザミ君!?」

「俺はただいつも通りGBNをプレイしてて!それでシークレットミッションをあいつらと一緒に受けて変わってるミッションだとは思ったよ!だけどそれも開発途中のミッションかもしれねぇって!それなのに急に此処がゲームじゃないなんて訳分かんねぇよ!!!」

「大丈夫。」

「は?」

 

ヒビキはカザミを立たせると言う。

 

「次からの作戦は私たちに任せて。貴方もレジスタンスのみんなも私たちが絶対に守るから。」

「俺、そんなつもりじゃ・・・。」

 

守られるだけなのは嫌だとカザミが言おうとしたときにヒロトがやって来る。

 

「カザミ作戦の時間だ。」

「お、おう!このキャプテンに任せとけ!」

「・・・ああ。」

「なんだよそれ!それよりなんも聞いてないよな。」

「何をだ。」

「それならそれで良い!マスクドフラッグ!俺の勇姿を見ててくれ!アンタやキャプテンジオンみたいになる男だこの俺は!」

 

サムズアップをし去って行くカザミの背をヒビキは神妙な面持ちで眺める。

 

「ヒビキ?」

「迷ってるんだ道に、でも私が教える道じゃない。」

「大丈夫?変な事言って。」

「大丈夫、私達も行こう。」

 

物資の移送作戦が始まる。

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