物資の移送作戦において白銀の塔近辺のヒトツメの勢力がレジスタンスの掃討に回されたことにより調査が可能になったためレジスタンスの調査部隊が白銀の塔の調査に向かっていた。
そして集落では空渡しという祭りの手伝いをビルドダイバーズとレイディエントフォースの皆も手伝っていた。ヒビキは様子を見るために一日寝かされていたが大事は無いとひとまず判断された為に祭りの手伝いに参加していた。
以前ヒトツメ達による襲撃に対する迎撃作戦の際に崩落された方の通路をカザミがジャスティスナイトを使い率先して撤去していた。
時間が経つというものは早い物でエルドラにてレジスタンスと共にヒトツメと戦っているダイバー達は祭りの半ばにてそれぞれの機体を模した木彫りの像を山の民より貰っていた。
ジェドが代表してダイバー達に力を貸してくれた事への感謝を告げた後にヒロトは皆から離れ一人で星空を見上げていた。
(君が居なくなった日も今日みたいだった。大きな戦いの前でイブ、君は一人で妹の為に戦っていた。)
眼下に見える湖から光が空に飛び立っていく。
祭りの最中に貰った飲み物を飲みながらヒロトはその光景を眺める。
(俺は何も知らなかった。君が命を削って戦っていたことを。イブ、君は。)
「今どこに居るんだ・・・。」
あの日の流れ星とは逆に空に上がっていく光にヒロトはずっと探している少女の姿を見ていると背後から足音がする。
「此処に居たのか。」
「メイ。」
ヒロトの手元には光が灯されていない紙でできた気球が残っていた。
「教えてくれ。」
「なんだ。」
「一度消えたELダイバーにもう一度会えるのか。」
光が風に乗り空の向こう山の民を見守っているとされる聖獣が座すミラーグの山へと流れていく。
「分からない、だがお前が信じ続ける限り可能性はゼロではないと私は思う。」
「会えないとは言わないんだな。」
「お前がその答えを望んでいるように見えなかったからだ。」
メイがヒロトの手から気球を取ると光を灯し近くの小さな池に置く。
「あ・・・。」
「私の妹はかつてのツヴァイウィングの片翼と瓜二つなのだそうだ。だがそっくりなのは姿形だけ中身は違う。だから例え会えたとしてもそれはお前の求める人とは限らない。」
気球が膨らみ空に上がっていく。
「私は私の使命を探している。ヒロト、お前は消えたELダイバーにもう一度会うと言うその使命を持っていることを羨ましく思うと同時にお前は
「俺は、約束した。もう一度会ってもう一度友達になって今度こそ一緒に最後まで未来まで進もうって。」
「ならば、これ以上私からは何も言えない。明日は宇宙にあがるのだろうもう寝た方が良い。」
「もう少し星を見るよ。そこに居る気がするんだ。」
「そうか。」
満点の星空の中で月が一際輝いていた。
◎
翌日、レジスタンス達が待つ白銀の塔にてゴルスに出迎えられた皆は内部の中央付近へと進んでいた。
「ここまでの調査はあらかた終ったのですがこの扉が開かないのです。」
「つもりガンプラでぶっ壊せば良いんだな!」
「いえ、そうではないのです。」
「歌えば開くかも!」
「そうでもなくてですね。」
本人達なりの本気の回答をするカザミとヒビキが共に意見を否定されているとゴルスが扉の下部の出っ張りを示す。
「そこに何やらレリーフがあるのです。」
「この形。」
菱形の窪みを見たヒロトが先日フレディ経由でムランから渡された菱形の物体を取り出す。
「なるほど、それをはめんのか。」
「ああ、行くぞ。」
窪みが塞がり扉が開いていった。
機体に乗り込みゴルスらレジスタンスから武運を祈られた皆は軌道エレベーターに乗り込むと宇宙へとあがっていく。
「ツバサさん、クリスちゃん、ミク、カナデ。私はゼルトザームのパイロットの向こうに居た誰かと話してわかり合いたい。」
「だけどヒビキ、あの時。」
「それでも、一瞬でも触れたから分かる向こう側に居た誰かはただ何かを守ってるだけだって。きっとなにか誤解があって山の民のみんなを襲ってるんだと思う。」
「誤解で、たくさんの人が死んだって。そんなの・・・あんまりだ。」
納得がいかないストラは例え誤解が解けたとしても手を取り合う事なんてできないと言外に告げる。
「だけど、これ以上だれも殺されないなら俺はそれが良い。」
「私たちは此処とは別の場所でもすれ違いで争いあってきただけど、レイディエントフォースの皆は最終的に手を取り合えたわ。」
「あたしはそこの馬鹿が居なかったらどうなってたかわからねぇしな。」
「ツバサさん、クリスちゃん。」
かつての手を取り合えて居なかった頃を言及するもヒビキが居たからこうして自分達は此処にいると言う二人にヒビキが割と本気で感動する。
『あたしはそもそも母さんが居なかったら居ないしな!』
「私もヒビキが居なかったらこの私は居ないと思う。」
「ありがとうみんな。」
エレベーターが宇宙に到着し扉が開く。
「戦いを終らせてみんなのところに帰ろう。」
「弦十朗さん達きっと心配してるよね。」
最後の戦い改めヒトツメ達のリーダーとの対話に臨む覚悟を決めているとカザミがオープンチャンネルで語りかける。
「このシチュエーションは外に出た瞬間にヒトツメが出るはずだ!戦陣は俺に任せろ!」
言うだけ言うとカザミはブースターらしき物に掴まると光の誘導線が示す通りに宇宙空間を突き進んでいく。
そしてジャスティスナイトに続くようにアースリィガンダムが宇宙へと出て行きその後を皆が続いて行ったが結果的に言うと敵襲はなかった。
「カザミ。」
「・・・言うな。」
「大丈夫ですよカザミさん!誰も気にしてませんから!」
「そうね常在戦場は良い心がけよ。」
「慰めになってねぇんだよ!」
自信たっぷりに敵襲があると断言しなかったことで耳を真っ赤にしたカザミが光の先にあった施設の通路を進んでいく。
通路の奥の扉が開き階段が現われると皆はそこを進んでいく。
階段の果てに到達した部屋の床にはGBNそしてルナアタックとフロンティアショックにおけるヒビキ達の戦いの軌跡が映し出されていた。
「これってGBN!?」
「なんだこれ、ノイズとプルーマか?」
「これって私たちの戦いの記録!?」
パルとカザミに続いてサイコガンダムMk.Ⅳと殴り合っている自分が映っている事にヒビキが声をあげる。
「なぜこの記録が此処に。」
『お待ちしておりました。』
ツバサが秘匿されているはずの記録が何故此処に流出しているのかを疑問に思うと部屋全体に声が響くと奥のモニターの前に白い人が現われる。
『貴方達が此処に来るのを、私はアルス。かつてエルドラの守護を貴方達に託されこの時まで守っておりました。』
アルスと名乗った白い人が個々人の側に瞬間移動のように現われると姿を側の人物に変える。
「アルスさん、なんでエルドラのみんなを襲うんですか。」
『貴女は、違う。』
「違う?」
ヒビキの側で彼女の姿を模したアルスがそう言うとヒビキの脳量子波が強制的に活性化させられることにより激しい頭痛が起こる。
『データベース、検索、該当存在をGBNに発見、イノベイター、情報の読み取り、開始。』
「あ、ぐぅううぅああぁああ・・・!」
「ヒビキさん!」
「ヒビキ!」
頭を抑え苦しむヒビキをストラとミクが支えているとアラートが響く。
『読み取り、完了。貴方達も、違う。いつかはまだ来ないのですか。』
「やめてくれ!俺達は話しにきたんだ!戦いたいんじゃ無い!」
「そうですアルスさん!僕たちは戦いなんて知りたくなかった!それなのにどうして!僕たちが何かしたのなら謝りますだからもう!これ以上は!」
ストラとフレディの存在を認識したアルスが二人を見ると赤い球を手元に呼び出す。
『ポイントTY0を保護対象エリアから解除。戦闘区域へと移行。』
アルスの背後のモニターにセグリらしき図形が表示されていた。
「あれ、もしかしてセグリ・・・。」
「ごめん、私のせいだ。」
狙いを察したヒビキが謝るがアラートにかき消される。
『対象を排除。』
言葉と共に現われたビットをメイが銃で破壊すると叫ぶ。
「戻るぞ!」
更に現われたビットに追撃されながらモビルスーツハンガーに戻ると皆自分達の機体に乗り込むが入ってきた入り口の隔壁が閉まる。
「道を空けろ!」
「おぉう!!」
メイにそう言われたカザミがジャスティスナイトをどけるとウォドムポッドがビーム砲により隔壁を破壊することにより開けた道を全機が突き進んでいき最後の隔壁がウォドムポッドのミサイルとビームで破壊されることにより宇宙空間への脱出が成功するが飛び出した場所に有るものと地形に全員が目を見開く。
「んだよこいつぁ!」
「月じゃないのか、此処は・・・。」
そして全機のレーダーが計測不可能な数のヒトツメを感知すると共に目の前の塔に高エネルギーが集まっていることが表示される。
「もしかして、さっきアルスがやろうとしてたことは!ミクごめん!ドッキングして!全力で抑える!」
「気にしないで!やらなきゃ私も後悔する!」
『スローネローズドッキングモード!スローネローズドッキングモード!』
ドッキングを果たしたウィングビートがヒトツメ達をGNソードとGNランスを振るい撃破しながら砲塔に向け突き進むが無尽蔵に湧き出すヒトツメに妨害されて思うように進めない。
砲塔への行く手を阻むヒトツメをヴァルキランダーとウォドムポッドの砲撃が一掃し一時的に道を作る。
「行け!」
「行ってください!」
「ありがとう!」
残された機体が武装を構え襲い来るヒトツメの迎撃を始める。
「ヒロトさん、僕たちどうなっちゃうんですか。」
「分からない!だが此処を切り抜けなきと明日は無い!」
「びびんなフレディ!此処にはこの俺キャプテンカザミが居るからよぉ!ジャスティスメテオ!」
槍の雨がヒトツメ達を爆散させるも次々と後続が発進していく。
「レーダーが!」
「あたしはなんともねぇってことは!」
「レギンレイズ!」
「ドートレスもいやがる!此処の何処にこんだけ居るんだよぉ!」
ダイバー達がどれだけ倒そうとも無尽蔵にヒトツメは湧いてくる。
角度の調整が施され発射寸前になった砲塔の前にウィングビートがGNツインバスターライフルを構え陣取る。
「GN粒子最大充填!トランザム!」
『了解!GNツインバスターライフル最大充填!』
「GNビット展開!」
トランザムを発動しスローネローズごとウィングビートが赤く輝きGNビットがGNツインバスターライフルに装着される。
「撃たれる前に撃つ!ライザーツインバスター!!!」
GNツインバスターライフルから放たれた超威力のビーム砲が砲塔に吸い込まれていくが遅れて発射した衛星砲に徐々に押し返されていく。
「威力が・・・足りない・・・!」
「もしかして、アルスはセグリを!」
「だから此処で止めないといけない!」
「頼む!あそこにはジェドさんも居るんだ!」
「言われなくてもぉ!」
しかし衛星砲がウィングビートのビーム砲を押し返しGNツインバスターライフルを破壊しウィングビートごと地上へと突き進む。
「くぅぅうう!!!ダブル
輝く拳がツインドライブのエネルギーにより衛星砲の被害を衝撃波のみに押しとどめる。
宇宙から降ってきたウィングビートとスローネローズにセグリに居たレジスタンスが集まる。
「何があったんですか!」
「逃げて!此処が狙われてる!」
「此処が!?」
逃げるようにヒビキが言った直後に海に何かが着弾した。
「何が!」
「きゃぁああ!!!」
「ミク!」
海からとてつもない速さで飛びだした何かがスローネローズを貫き放り捨てるとそれがウィングビートの翼を切り飛ばす。
「うぁ!」
「なんだあれは!」
「小さいヒトツメだ!」
態勢を整えたウィングビートのモニターに海より溢れ出しセグリの人々に襲い掛かるエルドラプルーマが映る。
「どこから、まさかそんな!」
最悪の予感は的中する。
独特な駆動音をあげながら海より現われたエルドラハシュマルがセグリに向けビーム砲を放つ。
「GNフィールド!」
GNフィールドによりウィングビートの後ろの人は守ることができたが前に居た人はヒビキ達の前で蒸発する。
「ヒビキ・・・。」
「ミク、セグリの人を連れて逃げて!」
「でもヒビキ一人じゃ!」
「誰かが逃げる人を守らないといけない。だからお願い。」
「ずるいよ・・・。」
「ごめんミク。」
スローネローズがエルドラプルーマをウィングビートより投げ渡されたGNソードで対処しながらセグリの避難を助けながら撤退する。
「ごめんストラ君、今は此処が一番危ない。」
「大丈夫です。俺はレジスタンスだから。」
GNランスを構えたウィングビートの側にセグリに残ったレジスタンスが集うとその中に居たジェドがヒビキに言う。
「貴女だけではありません!此処には私達が居ます!守られてばかりではレジスタンスとは言えませんから!」
原典同様大量のエルドラプルーマと共にエルドラハシュマルがセグリを滅ばさんとせまる。
宇宙ではエルドラハシュマルがセグリに向け射出された直後にどこからかのミサイル攻撃に晒されていた。
「この物量エクスドライブかよ!」
「これは覚えがある!」
ぼやくクリスにヒロトがミサイルの雨が放出された位置に目線をやると閃光が瞬くと巨大な箱のような物が飛来する。
「デンドロビウム!!」
「マジかよ!」
そしてデンドロビウムの中心にゼルトザームが収まっているのをヒロトが確認すると彼はコアガンダムに試作的に搭載した機能を解放することを決める。
「ゼルトザームは俺が相手をする!みんなは基地をできるだけ壊してくれ!そうすれば俺達はログアウトできるようになるはずだ!」
「おいそれってどういう、そうか!あの時空が光ったのはアルスの奴のせいか!そうなら任せろ!」
「任せて良いのだな。」
「ああ。デンドロビウムはソロでの討伐経験はある。」
メイに対してヒロトはそう言うとアースリィガンダムをデンドロビウムへ向け吶喊させる。
「リミテッドチェンジ!アーストゥマーズ!」
バックパックがマーズフォー物へと換装されるとヒロトは音声コードを入力する。
「エレクライトスイッチオン!プラネッツドライブ!」
剣を構えたアースリィガンダムが青い稲妻を纏った。
ブリッツァーって大切な何かを無くしてるよね