機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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星屑のように輝いて

 稲妻を纏ったアースリィガンダムが宇宙を走りゼルトザームデンドロビウムのIフィールド・ジェネレーターを破壊するがゼルトザーム本体による大出力ランチャーがアースリィガンダムを捕捉し衛星表面を削りながら迫り来るもエレクライトを発動しているアースリィガンダムは機体の耐久を超えた加速を行いランチャーを振り切るとヒトツメ達を壁にしゼルトザームデンドロビウムに対しての高速狙撃を繰り返しウェポンコンテナを破壊し内部火器を誘爆させゼルトザームにダメージを与えると再び剣を二刀構え正面から迫るとメガビーム砲を切り裂きながらデンドロビウム中央のゼルトザームに肉薄しランスと鍔迫り合うと機体同士が接触した事によって可能になった通信を介してヒロトがシドー・マサキに語りかける。

 

「貴方はシドー・マサキなんですか!?」

「・・・。」

「答えてくれ!」

「『やはり、ガンプラは脅威です。解析不能なシステムまでをも。』」

「アルスっ!」

 

デンドロビウムから飛び出したゼルトザームが左腕でアースリィガンダムの頭部を殴りつけ右腕のランスを大振りで有りながら躱すことのできない速度で振るいアースリィガンダムを窪地に叩きつけるとゼルトザームの機体前面に展開したエルドラドートレスによる一斉掃射が行われる。

ビームの雨の隙間を潜り抜けながらビームライフルによって撃ち返していたアースリィガンダムであったが機体が発するエネルギーにビームライフルが耐えきれずに爆発した隙をエルドラアーミーに脚部を掴まれ固定されるとゼルトザームの大出力ランチャーが放たれる。

 

「しまったっ!」

「ひ、ヒロトさん!」

 

自身に抱きつくフレディの悲鳴が耳朶を打ち世界がスローモーションになっているとグシオンスノーホワイトが機体の前に躍り出るとビーム攻撃を代わりに受け止める。

 

「あたしのグシオンのナノラミネートじゃこれが限界だ!」

「すまない。」

「謝るくらいならぶちかましてこい!」

 

投げ渡されたリボルバーガンアックスを受け取ったアースリィガンダムが基地から飛び出して来たウォドムポッドの援護を受けながらゼルトザームに接近していく。

 

「ヒロト!中枢の破壊はできなかったがログアウトを阻害していたらしき装置は破壊した!」

「お誂え向きにGBNのマークがモニターに映ってたからな!」

 

ジャスティスナイトはまたヒトツメの攻撃を受け止めながら基地から脱出するヴァルキランダーとアストレイ・蛇骨を援護する。

脱出したアストレイ・蛇骨が天羽々斬を構えるとコックピット内のツバサがクリスのアドバイスを受けたことで纏えるようになったギアを纏った影響で飛ばせるようになった斬撃を基地の外壁に放ちヒトツメ達が溢れ出すのを防ぐ。

援護を受けたアースリィガンダムがリボルバーガンアックスをゼルトザームの頭部に横合いから叩き込もうとするがランスに防がれるが内蔵された小型ダインスレイブが起動しランスを破壊しゼルトザームのブレードアンテナを破損させる。

 

「ずらされたっ!」

「っ!?」

 

ゼルトザームが全体から見れば少ない損傷でもあるのにも関わらずゼルトザームが軋みをあげると基地へと向け大出力ランチャーを放つ。

そして機体が基地の爆発によって生じた爆風に押されエルドラの重力に捕まり地上への落下する。

 

「マジかよ!俺は大気圏突入仕様じゃねぇんだよぉ!!」

 

赤熱していく機体に泣き言を言うカザミの元にマーズアーマーが飛来すると突入時の摩擦を肩代わりする。

グシオンスノーホワイトはアストレイ・蛇骨の背にウォドムポッドはヴァルキランダーの背に乗っていた。

アーマーが先の爆発で砕けエレクライト機能が停止したコアガンダムは腰部から耐熱フィルムを取り出しそれを被り大気圏へ突入していく。

 

「ヒビキさんやストラは大丈夫でしょうか・・・。」

「あの人は強い、きっと大丈夫だ。」

 

不安で堪らないフレディの言葉にヒロトが答える。

分厚い雲がダイバー達の大地への帰還を出迎えた。

 

 

 

 

 

 

 ゼルトザームデンドロビウムとアースリィガンダムが戦い始めたのと同じくしてウィングビートはエルドラハシュマルへとGNランスでもった戦いを挑み逃げる人々を狙うエルドラプルーマをレジスタンス達が必死の抵抗で抑える。

一番の脅威であるエルドラハシュマルこそウィングビートの手により抑えられてこそいるものの生身であるレジスタンスの限界は近く一人また一人とエルドラプルーマの凶刃により命を散らせセグリを赤く染めていく。

 

『ストラ!避難が完了した後はヒトツメ達を倒すだけだ!』

「分かったよジェドさん!」

「側に近寄らないようにしてください!」

『了解しました!』

 

ストラの持つ通信機の向こうに居るジェドにヒビキはそう言うとトランザムを発動させエルドラハシュマルのテールブレードを掴みそこを起点に背負い投げを行うとマニピュレーターにGN粒子を充填させる。

 

「GNフィンガー!」

 

光る拳がエルドラハシュマルの右翼を破壊するが脚部の蹴りを受けウィングビートの半身が吹き飛ぶ。

 

「硬いっ!」

 

直ぐさま反撃に移ろうとした所にモニターに先ほど吹き飛んだウィングビートの半身の下敷きになったジェドが映る。

 

「ジェドさん!」

 

悲鳴をあげるストラとビーム砲を放とうとするエルドラハシュマルを見てヒビキはジェドの元にウィングビートを動かしまだ辛うじて息のあるジェドをコックピットに回収すると放たれたビーム砲を回避するがその代償として射線上のレジスタンスが蒸発する。

 

「守れないっ!私だけじゃなにもっ!・・・もうこうなったら。」

 

ヒビキの胸元に光と共にギアペンダントが現われる。

 

「来てくれたんだね、ガングニール。」

 

ギアペンダントを握りしめたヒビキがセグリに残るレジスタンスに逃げるように一方的に告げる。

 

「カナデ、ストラ君達を連れて逃げてアレは私が止める。」

『なにするつもりなんだよ。』

「当然、なにをするつもりだ!」

『こんな時にふざけないでくれ!』

 

コックピットからヒビキが飛び出しエルドラハシュマルの前に躍り出ながら聖詠を唄う。

 

「Balwisyall nescell gungnir tron.」

 

逃げようとしないレジスタンスとウィングビートにヒビキが叫ぶ。

 

「行って早く!!!」

 

操縦権を渡されたカナデは躊躇するも最終的に虫の息のジェドが居ることも相まって逃げる事を選ぶ。

それを見た残り僅かなレジスタンスもまたウィングビートに追従して逃げていく。

逃げる皆を追いかけようとしたエルドラプルーマがギアを纏ったヒビキの拳の一撃に破壊される。

 

「みんな、生きるのを諦めないで。私も諦めないから。」

 

ヒビキを脅威と見なしたエルドラプルーマとエルドラハシュマルの攻撃を掻い潜りながらヒビキは歌う。

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl.」

 

絶唱が解き放たれヒビキに収束したフォニックゲインが指向性を持たせられドーム状に放たれる。

 

「これが私の絶唱だぁぁぁぁぁああああ!!!」

 

セグリと共にエルドラプルーマとエルドラハシュマルが塵と化していくのを脱出に成功したレジスタンス達が目撃する。

 

「光の柱・・・。」

「セグリが消えた・・・。」

 

穿たれたクレーターに海から水が流れ込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 雲を抜けたダイバー達の目に巨大なクレーターが映る。

 

「あ、あんなのあったか?」

「あれはセグリだ。」

 

冷静にそう告げるメイの言葉に全員が押し黙る。

 

「私たちは守れなかった。力が足りなかったんだ。」

「じゃあ、アイツらはどうなったんだよ!」

「・・・ダメージアウトしたのか、本当に死んでしまったのか。」

「冗談だろ?」

 

水が流れ込み塞がっていくクレーターを見ながらクリスが呆然と呟く。

 

「そんな、それじゃジェド兄さんやストラも。」

「フレディ。・・・すまなかった。俺達の力不足だった。」

「ヒロトさん・・・。」

 

やがて機体が大地に降り立ち地面を削りながら減速し止まるとそこはフレディの住む村の近くだった。

村へと向かっていく足跡を発見したヒロト達が村へと向かっていくとそこにはセグリから避難してきたレジスタンス達と大破しているウィングビートとスローネローズが居た。

 

「ビルドダイバーズ・・・。」

「レイディエントフォースもだ。」

 

いつものような元気が無いレジスタンス達に出迎えられ皆は村の中央に行くと怪我人の治療をするために建てられたテントが大量に視界に入る。

 

「みんな・・・。」

「小日向!」

 

怪我人の手当をしていたミクにツバサが駆け寄る。

 

「何があった!」

「ヒビキが、ヒビキが居ないの・・・。」

「立花が・・・。」

 

いたたまれないと言う顔をしたストラがやって来る。

 

「ヒビキさんは、俺達を逃がすためにでっかい鳥みたいなヒトツメを一人で相手して。その後歌が聞こえたらセグリが消えたんだ。」

「あの馬鹿、絶唱を歌ったのかよ・・・!」

 

街が一つ消える程の威力としてまっさきに思い立った絶唱にクリスがヒビキがそれを歌い行方知れずになったことに絶望する。

 

「マイヤ姉さん!」

 

姉を見つけたフレディが生きていた事に嬉しそうに駆け寄る。

 

「フレディ!行かない方が良い!」

 

ストラが制止するも遅くフレディの目に意識が無い上に片足のないジェドが映る。

 

「ジェド兄さん・・・?」

「フレディ、ジェド兄さん目を覚まさないの。」

「疲れて寝てるだけなんだよね?」

「血を止めたのに、目を覚ましてくれないのっ!」

「そんな・・・。そうだ、ビルドダイバーズとレイディエントフォースの皆さんなら!」

 

いつも自分達を助けてくれたダイバー達ならばとフレディが皆に視線を送ると彼らの姿が足元から消えていく。

 

「俺達にできることはもうなにもないってのかよ!」

「俺はまた、大切な物を・・・俺の手は何も・・・。」

 

カザミとヒロトの嘆きが響くとダイバー達はエルドラから地球へと帰還した。

それはアルスの施したログアウト制限が解除されていることを意味していたがこの場では最後の希望が消えたことによる追い討ちでしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 メディカルルームのベッドで目を覚ました未来は同じように目を覚ました翼とクリスが目に入るが響が居ない事に動揺する。

およそ一ヶ月も寝ていたからか思うように動かない身体で響を探そうとしているとメディカルルームに弦十朗が入ってくる。

 

「目を覚ましたかお前達!」

「叔父様、私たちは―」

「響は、何処に居るんですか。」

 

翼の言葉を遮って響の行方を聞いた未来に弦十朗は告げる。

 

「響君は現在治療中だ。お前達と違って容態が急変した事によるためだ。」

「響は死にませんよね。」

「死なせないさ。」

 

断言する弦十朗に未来は安心感を覚える。

 

「後日改めて聞かせてくれお前達の身に何が起こったのかを。」

 

数日後に弦十朗は翼を始めとしたレイディエントフォースの面々からエルドラの事を聞くことになるのだった。

 

 

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