機体の召喚台の周りにあった砂が少なくなっていることに気づいたヒビキがはっとするとおもむろに付近の砂を両手いっぱいに集めるとコアガンダムⅡにぶっかける。
「この非常事態になにしてんだこの馬鹿!」
「待って待ってよクリスちゃん!」
クリスのジャンプチョップを白羽取りしたヒビキが彼女の視線をコアガンダムⅡに向くように示すとそこでは先ほどかけられた砂が輝き一瞬だけコアガンダムⅡの周りにアースアーマーを形成すると風に吹かれて消える。
「今少ない砂を集めても仕方がないだろう。ヒロトとメイ悪いが私達も貴方達の機体で村まで運んで貰いたい。」
「構わない、早く村に行こう。」
快くツバサからの申し出を受けたヒロトはコアガンダムⅡをコアフライヤーとなりそれにモビルドールメイが片手で捕まると手の上に機体のない者達を乗せる。フレディ、ストラ、カナデ、ミクは機体のコックピットの中に入れてもらった。
空へと上がり村へと進んでいくガンプラを村へと向かうムランが車の中から見つけるとスピードをあげ村へと急いで向かって行った。
復興が続く村の中でマイヤの後ろをトワナ、アシャ、フルンがカルガモの雛のようについて回り彼女の手伝いをできる範囲で行っていると太陽からの光が遮られることで影ができたことにより顔を空に向けると見覚えのある機体にアシャが目を輝かせながら指さす。
「マイヤ!みんな来てくれたよ!フレディとストラが連れてきてくれたんだ!」
先日落ち込んでいるところを必ずビルドダイバーズとレイディエントフォースを連れてくると言ったフレディとストラが本当に連れてきてくれたことに対してアシャは喜ぶ。
「また、来てくれたんだ・・・みんな。」
二機のガンプラが村の中に降り立ちそこからダイバー達とフレディとストラが降りてくる。
「マイヤ姉さーん!!!皆さん来てくれたよ!」
「よお、来たぜ。」
「カザミ・・・。」
「もう大丈夫だ。俺達が来た。」
安心させるようにカザミは静かに告げた。
村長の家に集合したダイバー達に療養中のトノイが身を起こして礼を告げる。
「私たちのためにこのエルドラに舞い戻ってきてくれたことにどれほど感謝すれば良いのか。」
「頭をあげてください。俺達は誰に頼まれた訳でもなく全員が自分の意思で此処に来ました。」
トノイに頭をあげさせヒロトがそう言っていると建物の外が騒がしくなり騒音が次第に近づくと扉が乱暴に開きトワナ達三人に噛みつかれたムランが転がり込んでくる。
「ビルドダイバーズにレイディエントフォースゥゥゥウ!?」
セリフを言い終わらないうちにトワナに尻尾を噛まれたムランが声にならない悲鳴を上げる。
「尻尾を噛むのはやめろぉ!」
「みんなやめてあげてその人は悪い人じゃないよ。」
「パルがそう言うなら・・・。」
素直に従うも一カ所に集まると三人はムランを厳しい目つきで監視し続ける。
「ムランさん大丈夫ですか?」
「強引に入ろうとした私が悪いからな問題はないが、随分嫌われたな。」
「純粋な年頃ですから。」
パルにフォローを貰ったムランが空いているスペースに来る。
「顔を見て安心したお前達はお前達のままなのだな。」
ある日突然アルスの手先となったマサキの事を思い返しながらそう言うムランにヒビキは言う。
「ムランさん、マサキさんはマサキさんのままです。」
「それは、彼が自分の意思で我々を裏切ったと・・・。」
「違います、マサキさんはヒトツメの親玉のアルスに無理矢理操られているんです。ムランさん達を裏切ったのはマサキさんの意思じゃありません。」
「それは、それが本当の事だとしたら彼はもはや彼であって彼ではない。」
「彼は、シドー・マサキは居ます。」
衛星の基地へと苦しみながら攻撃を行い破壊活動を行ったゼルトザームを思い出しながらヒロトは続ける。
「彼の魂は死んでいない。まだ助けることはできる。俺達はエルドラのみんなを救いに来たその中にはシドー・マサキも入っている。」
「つってもあたしらの機体は遺跡の砂が足りなくて不完全なんだけどな。」
「遺跡・・・。それならば幾つか心当たりがある。」
遺跡の砂の不足によって機体が不完全な状態でしか現われないと言うクリスにムランは地図をテーブルの上に置くと三カ所に丸印をつける。
「私が把握している限りだとこの三カ所に遺跡もとい聖域が存在している。」
「ムランさん、西の村があった此処に私達がエルドラに初めて来たときの遺跡があります。」
「俺がヒビキさん達を呼んだところだ!」
「ならばこの四カ所のうちのどれか一つでも月の雷による崩壊が防がれていればガンプラが完全になると言うことだ。」
地図にミクの発言により丸印が増える。
「だが、北の聖域にはヒトツメの目撃情報が多発している。」
「ならそこには俺とメイが行こう。機体がある俺達二人が行った方が万が一戦闘になっても良い。」
「分かったなら北は君たちに任せよう。そうなると東はカザミとツバサに任せたい車は動かせるか?」
「車か、問題ない。」
「船とあんま変わんねぇんだろ?任せてくれ!」
「西はヒビキとストラに任せよう。」
「任せてください。」
「場所は分かってる直ぐに見つけるよ!」
北、東、西に向かうメンバーを決めたムランが残った三人に視線を送る。
「君たちにはミラーグの山に向かって貰う。」
「ミラーグの山!?聖獣様のところにですか!?」
まさか自分がそんなところに送り込まれるなんて思ってもみなかったフレディが叫びをあげる。
「体格的に君たちが適任だ。」
「それってどういう・・・。」
「体格的に?」
パルとクリスの視線がぶつかり若干テンパっているフレディに視線が向くと冷や汗が流れる。
「おい、ムランあたしらに何をさせるつもりだ?」
「安心しろ、危険はない。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恐らくな。」
「待てよ!今の間はなんだ!?」
クリス、パル、フレディ三人の身長などはこのエルドラに置いては近いものだった。
「私はどうすれば。」
「君は私と共に各地の避難を進めて貰いたい。」
「分かりました。」
遺跡に向かうのではなくミクはムランと共に各地の避難誘導をすることになった。
車に乗り込んだツバサが運転席にてエンジンを入れようとするが地球の物とは違うためエンジンが掛からない。
変わってエンジンを入れようとしたカザミもガンプラとは全く勝手が違うために二人揃って首を捻る。
再び運転席に座ったツバサが計器を色々といじり始める。
「映画では此処を動かせば起動していたのだが・・・。」
「映画!?」
「ガンプラの動かし方もバイクの運転方法も映画で私は覚えた。」
「待て待て待て待て!」
不安を覚えたカザミがツバサを止めているとマイヤがツバサを後部座席に押しやると座る。
「私もできることをしたいから。」
「それは良いけどお前運転できんのか?」
「喋ってたら舌噛むわよ。」
「は?」
エンジンが掛かり最初からフルスピードで車が発進するとカザミとツバサの悲鳴と共に車は走り去っていった。
ドップラー効果で響く悲鳴を発しながら去りゆく車を見ながらヒビキがぼそりと呟く。
「ツバサさん、他人の運転駄目なんだ・・・。」
「フィーネの奴の運転を思い出すな。」
「確かに了子さんのドラテクは酷かった。」
遠い目をするクリスに共感しているとコアガンダムⅡとモビルドールメイが北の遺跡へと向かっていく。
それを確認したヒビキが今度はエルドラに来た段階からあったギアペンダントを握り聖詠を唄いギアを纏うとストラとハロ状態のカナデを抱え西の村があった場所へと向かって行った。
残されたクリス達がムランの運転する大型車に乗せられ山岳地帯へと行くと山頂が雲を突き見えない山々が目に入る。
「あそこが聖獣様の居るミラーグの山かぁ~。」
「いやあれはミラーグの山では鳴いタヤムの峰だ。」
「え?でもさっきもうすぐ着くって。」
フレディの疑問にムランが答える。
「ミラーグの山とは実際の所は山ではない。天空に座す空中神殿の事だ。」
「空中神殿、なるほどなそれであたしらの役目か。」
「そうだ、君たちの大きさなら飛んでいけるだろう。」
道の終端である崖の部分に達しムランが気球の準備を始める。
「ミラーグの山にはこの時期に吹く気流に乗って気球を進める事で向かう事ができる。体格の小さな君たちにしかできない物だ。クリス聞けば君の持つガンプラとは異なる力は空を飛べるらしい。万が一の時はそれで向かってくれ。」
「任せとけ。」
どんと胸を叩きクリスが準備が終った気球にフレディとパルと共に乗り込みミラーグの山に向かっていく。
気流にのり流れていく気球をムランは見送る。
「頼んだぞ。」
ゴロゴロとムランの居る場所まで山岳地帯の上に掛かる雲から雷鳴が響く。
「・・・頼んだぞ。」
今度のそれは恐らく聖獣に対しての物であった。
◎
北の遺跡に向かっている二機のレーダーが三機のヒトツメの反応を感知すると前方からSEED系の物と思わしき戦闘機が接近してくると二機に対してミサイルを放つ。
メイはそれをイージスシールドで防ぎコアガンダムⅡはコアフライヤーに変形するとミサイルを躱し戦闘機の上にGNガンソードを突き立てようとするが急制動をかけほぼ直角に上昇した戦闘機に弾かれる。
コアガンダムⅡを弾いた戦闘機は上空で変形するとビームライフルを構え三機同時にヒロト達を狙い撃つ。
「あれは、ムラサメか!」
ビームを躱しながら上昇したコアガンダムⅡがGNガンソードでエルドラムラサメを両断し爆発させるとシールドで一機を地面に叩き落とし飛び上がったメイがイージスシールドから抜いたビームレイピアで貫き撃破する。
不利を悟り撤退を選択した残りの一機が高高度へと逃げようとするのをコアフライヤーに変形したコアガンダムⅡが追い抜くと再変形しコアスプレーガンを抜き滅多打ちに機能を停止させると地上へと墜落させた。
機体から降りた二人が沈黙するエルドラムラサメの出るとメイは警戒してか銃をいつでも撃てるように構える。
「ヒロト、なぜ完全に撃破しなかった。」
「もしヒトツメに誰かが乗っているならそれがどんな奴なのかを知りたい。」
コックピットへの搭乗口をヒロトが探そうとするとエルドラムラサメの頭部が砕け中から巨大な紫色の眼球のような物が飛び出すと二人に襲い掛かるがメイに瞳孔のような部分を撃ち抜かれると火花をあげながら機能を停止する。
「これがヒトツメの正体か。」
「ヒトツメか、確かにこれは目玉だな。」
ヒトツメの本体が異臭を発しながらぶくぶくと泡を銃で撃ち抜かれた後から出し始めると二人は機体に乗り込み遺跡へと向かって行った。
◎
道中に問題がなくつつがなく西の村にある遺跡に着いたヒビキ達であったが遺跡は召喚台が一つかろうじて無事だと分かるレベルで崩壊していた。
だが機体ではなくヒビキ達が召喚される場所に通じる穴を見つけたストラがそこに身体を滑り込ませると降りていきしばらくするとかすかに残っていた砂が召喚台の上に集まると機体として形をなしていくがやはり砂が足りないため不完全な形での権現に終る。
「ヒビキさん!ガンプラは!?」
『やっぱり砂が足りないぜ。』
「そんな・・・。」
落ち込むストラに対してヒビキは笑いかける。
「アーマーはなくても私のガンプラは此処に来てくれた。だからへいきへっちゃら。」
『ひとまずは戦力は増えたな母さん!』
「これで救える命が増える。」
一見すると黄色の上に小さいガンダムエクシアが太陽に照らされて仄かに輝く。
二人と共に機体に乗り込むとカザミから全員に向けた通信が入る。
『ヒロト!メイ!直ぐに来てくれ!東の遺跡の近くで避難してる奴らがヒトツメの襲撃を受けてやがる!レジスタンスの武器だけじゃじり貧だ!』
それだけ言うと直ぐに通信が切られる。
「行くよ二人とも!」
「はい!」
『ああ!』
機体が召喚台から飛翔すると召喚台が役目を終えたように崩れる。
「コアガンダムG!目標に飛翔する!」
高速巡航形態に変形したコアガンダムGが東へ向けて飛翔した。
一人エクシアぽい見た目なのにキュリオスみたいなことやってらぁ