機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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刹那、僕はRGグフをずっと待ってるんだよ。


化け物か!!

 明朝、未来はいつも感じる暖かさを隣から感じないことで目が覚める。

 

「響?」

 

名を呼ぶが反応は無く返事の代わりにテーブルの上には書き置きがある。

 

『修行に行ってきます。』

「なにこれ?」

 

思わず呟いた未来の足元に先日響がようやく完成させたGBN内とデータ同期しているオレンジ色のハロがぶつかる。

 

『響、修行!修行!』

「ハロ・・・。」

 

書き置きをテーブルに戻し未来はハロを抱え上げる。

 

『元気ないな、未来!元気ないな!』

 

機械故にズバッと言ってくるハロに未来は苦笑した。

 

 

 

 

 

 

 

 森の中にひっそりと佇む洋館にて先ほど米国の者と電話を終らせた女性が磔にされているネフシュタンの少女の正体である雪音クリスの顎に手をやり自身に顔を向けさせる。

 

「いけない子ねクリス。ただ誘い出されたあの子を連れてくれば良かったのに空手で戻ってくるなんて。あまつさえ折角貸したプルーマも破壊されるなんて。」

 

疲弊した顔でクリスは自身の顎を掴む女性に問いかける。

 

「良いんだよな。あたしの望みを叶えるにはアンタに従ってれば良いんだよな。」

「そうよクリス、貴女は私に犬のように従っていれば良いわ。」

 

疑問に答えると共に女性はレバーを引くとクリスに電流を流す。

 

「覚えておきなさい痛みこそが人を繋ぐ絆にして愛。」

 

悲鳴をバックに恍惚とした表情で女性はそう言いながらレバーを止めるとクリスが女性を見て微笑む。

 

「可愛いわ、私のクリス。さぁ食事にしましょう。」

 

ようやく終る行為にクリスが安堵した瞬間再び電流が流され悲鳴があがった。

 

 

 

 

 

 

 暗い水底で翼は目を覚ます。

 

「私、生きてる・・・。違う死に損なっただけだ。」

「真面目が過ぎるんじゃないか?そんなんじゃいつか折れちまうぞ。」

 

後ろから感じる懐かしい温もりに翼は目を細める。

 

「私は一人になって今まで研鑽を積んできた。数えきれぬほどのノイズを倒してだけど私はもう戦うことしか。」

「戦うとか戦わないことかさ、それ以前に翼は好きな物があったろ?それに戦いの裏側に見えてくる物があるはずさ。」

 

体育座りの状態で顔を埋める翼は言われた事について考えるもちっとも分からない。

 

「私の好きな物とか、戦いの裏側なんて分からない。奏は私にいつも意地悪だ。」

「翼に意地悪なあたしはもう居ないんだ。結構なことじゃないか。」

「そんなの嫌だ!私は奏に側に居て欲しい!!」

 

背中合わせに座っていた奏は立ち上がり去りながらフッと微笑むと告げる。

 

「あたしが近くに居るか居ないかは翼、アンタが決めることさ。ただ、あたしはずっと見守ってるよ。」

 

振り返り瞬きをした瞬間視界に病室の天井が入る。

 

(不思議、任務でも仕事でもないのに私は学校を休んでいる。)

 

翼の意識が戻ったことで慌ただしくなっている周囲を気にもせずに翼は思考を続ける。

 

(奏、私は貴女が思うほど真面目じゃないみたい・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

 二課司令室にてランニングウェア姿の響がソファに寝転がると冷やしておいたタオルを首に当てる。

 

「私から頼んでおいてなんですけど朝からハードだぁ。」

「よろしく頼むぞキングオブハート。」

「私に紋章はまだ荷が重いですよ。」

 

ドリンクを受け取り喉を潤した響が先日遭遇したプルーマの事についてふと思ったことを聞く。

 

「師匠。私と翼さんがこの前戦ったプルーマ。あれが居るって事はモビルアーマーが居るって事ですか?」

「あれか、確かにあれはプルーマその物だった。そしてどこかに戦闘記録を送信している痕跡があったが送信先が不明だ。なによりネフシュタンの少女の裏に居る者は現実にモビルアーマーを造り出した大馬鹿だって事だ。」

 

プルーマの存在それはその生産ユニットでもあり凶暴すぎる性能を持つモビルアーマーの存在を示唆していた。

 

「俺にはプルーマがあの一機だけだとは到底思えない。」

「私もそう思います。もし本当にモビルアーマーが居るのなら動き出す前に壊さないと。あれはあってはいけない物です。」

 

禁忌の兵器が現実に飛び出してきたことに響が戦いていると弦十朗がふと零す。

 

「それにしても了子君の戻りが遅いな。」

「そう言えば了子さん見ませんけど何処に行ったんですか?」

「永田町さ。二課本部の防衛力増強の為に広木防衛大臣と話し合いに行っているのさ。」

「忙しいんですね。」

 

了子の殺人スケジュールはふわっと流された。

 それからしばらくたった後に二課に緊急連絡が入る。なんと広木防衛大臣が殺害されたのだ。

 

「了子君から連絡はないのか!」

「先ほどから何度も着信をかけていますが通信機に応答がありません!」

 

皆が了子の身を案じているところに入り口の扉が開きそこから了子が入ってくる。

 

「ごめーん、遅くなっちゃった!」

「了子さん!」

 

ばっとこちらを向く全員に若干気圧される了子。

 

「どうしたのみんなして。」

「先ほど広木防衛大臣が何者かに殺害された。それに君の応答がなかったものでなてっきり大臣と共にとな。」

「ごめん、通信機壊れてたみたい。」

 

大臣殺害の報を聞いた了子が壊れていると言う通信機を見せるとアタッシュケースをテーブルに置き開けると受け取った機密指令が入ったメモリーチップを掲げる。

 

「そう、大臣が。なら任務遂行こそが弔いよ。」

 

先ほどまで会っていた者が殺された事で動揺しながらもやるべき事を了子ははっきりと言った。

 翌日明朝、昨夜なされた説明通りにサクリストDデュランダルを永田町への移送を行う人員がリディアン前へと集合していた。

 

「敵の襲撃が予測されている。お前等一気に駆け抜けるぞ!」

「名付けて天下の往来独り占め作戦!」

 

作戦の開始を告げる弦十朗と了子両名の言の葉によりデュランダル移送計画が始まった。

護衛車に囲まれ了子が運転し護衛として響が助手席に乗るデュランダルを乗せた車が道路を走る。

 

「なんにも来ないわね。もしかしてこのまま作戦完了できちゃったり。」

「そう言うこと言ってたら敵は来ますよ了子さん。」

 

車が橋に差し掛かる中襲ってこない敵に了子がそう言うのに響は警戒を促すと橋が崩れ落ちていく。

 

「ほら!来ましたぁ!!」

「なんてタイミング!響ちゃん私のドラテクは凶暴よ!!」

「大丈夫です!コアファイターよりはマシな筈ですから!!」

 

護衛車が崩落に巻き込まれて落ちていく中了子は穴を躱し橋を渡っていく。

なんとか橋を抜けた頃には護衛車の数は最初の半分程に落ち込んでしまっていた。

 

『ノイズの反応が確認された!移動経路からして敵は下水道から来るぞ!!』

「了解!!」

 

マンホールをぶち抜き溢れ出すノイズを了子達は躱し道を爆走する。

 

「それでどうするの弦十朗君!」

『敵は的確に護衛車を狙っているが輸送車は狙ってきていない。デュランダルが傷つくのを恐れているのだろう。そこでだ近くにある薬品工場地帯を突っ切る!』

「そんなとこに行ったらデュランダルが!」

『いやそれで良いのさ、迂闊に手が出せなくなる筈だ!』

 

目の前を転がってくる護衛車を躱した了子が言う。

 

「勝算は!?」

『思いつきを数字で語れるものかよ!!』

 

最後の護衛車がノイズにより横転させられ爆発するのを躱し車は薬品工場地帯に突入するとスピードをつけたまま鉄パイプを踏んでしまい横転し滑っていく。

 

「出ます!」

「響ちゃん!?」

デュランダルの入ったケースと共に響に掴まれた了子が響が蹴破った窓から身を投げ出されると抱えられたまま空中で一回転すると背後の自身の車が爆発するのを目にする。

 

「まだローンあるのにぃ!!」

「了子さん高給取りじゃないですか!」

 

着地と共に降ろされた了子が嘆いているところに響はケースを渡す。

 

「了子さんデュランダルをお願いします!」

「響ちゃん車の仇取っちゃって!」

「了解です!Balwisyall nescell gungnir tron.」

 

歌いギアを纏った響が迫りくるノイズを蹴散らしていくとタンクの影からプルーマが現われる。

 

「冗談じゃない!!」

 

最悪の存在が影を落とし始めたことに悪態をつきながら響は腰だめに拳を構えると身体を捻りながらプルーマの正中にたたき込むとプルーマの中を衝撃が駆け抜け爆散する。

 

「かったい!!」

 

だがナノラミネートも再現されているらしく尋常ではない硬さを誇るプルーマの装甲に響は拳を痛めてしまう。

再び貸し与えられた内の一機を容易く撃破する響を高所から見下ろしていたクリスは冷や汗を流す。

 

(嘘だろ・・・。あれはミサイルにも耐えるんだぞ!?)

「あいつ、前よりも強くなってやがるっ!!」

 

クリスは飛び上がると鞭を振るいノイズを倒す響へと襲い掛かる。

 

「戦いは数なんだよぉ!!」

「だとしたらば勝つのは私だ!」

「虚言!!」

 

更に現われたプルーマとクリスに加え彼女が呼び出したノイズに囲まれながらも強気に振る舞う響は鞭を掴みクリスを引き寄せる。

 

「今此処で再会できるなんて乙女座の私としてはセンチメンタルリズムな運命を感じずにはいられないが!おおかた狙いはデュランダル!私には後者に思えるよ白雪姫!!」

「ゾワッとすんだよ!お前はぁ!!」

 

鞭がコンクリートを砕き響の視界を妨害すると共にプルーマに襲われるも響は先ほど破壊したプルーマの鉤爪をむしり取るとそれを武器にプルーマと戦う。

 

「なんて適応力!!」

「どれ程硬くても同じ硬さなら砕けない道理はない!!」

 

地面を蛇のように這う鞭が響の足を掴みバランスを崩させ転倒させるとそこにクリスが腹を狙って踵落としを敢行する。

 

「腹を見せるなんててめぇは犬かよ!!」

「見せたつもりは無い!!」

 

迫りくるクリスを響は今だ足を掴む鞭を確認すると勢いよく立ち上がり足を引くことにより想定外の落下速度を与えることでバランスを崩させた所に回し蹴りを喰らわせる。

 

「既にヒートロッド対策は済ませている!」

「しゃらくせぇ!!」

 

鎧による再生の代償たる痛みにこらえながらクリスはもう一本の鞭で響の側頭部を打ち据えるも流血しながらもこちらを見据える彼女に気圧される。

 

「なんなんだお前は!」

「ガンダムだ!」

「はぁ!?」

「私がガンダムだ!!」

 

プルーマ達に襲われながらも自己の信念を叫ぶ響に呼応するかのように了子の持つケースが警告音を鳴らしたかと思えばケースが破裂しデュランダルが飛び出す。

 

「覚醒!?起動!?」

 

まさかの自体に物陰に隠れていた了子が天に浮かぶデュランダルを見て驚愕の声をあげるなか浮かぶそれを見たクリスが駆け出す。

 

「あれか!」

 

遅れ響も駆け出すが背後から迫るプルーマの攻撃を躱すのに手間取られる。

 

「抑えとけプルーマ!」

 

そしてクリスの手がデュランダルに触れそうになる瞬間投げ飛ばされてきた瓦礫が当たりバランスを崩すと響に踏まれる。

 

「取らせない!!」

「ぬる湯がぁ!!」

 

響の手にデュランダルが収まり両者が地上へと帰還する。

 

「暴れる!!」

「抑えろプルーマ!あたしが剣を取るまでな!」

 

迸るデュランダルのエネルギーの影響で心の内に秘める破壊衝動が増幅していく響にプルーマが迫る。

 

(何もかもを壊せと私が言ってる!?違う!私はこの力でぇ!!)

「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl.」

 

暴走を促すデュランダルを響は絶唱を解き放ち無理矢理に押さえ込む。

 

「自殺志願者ばかりか!?」

 

黄金の光を放ちながらプルーマに包まれた響を見てクリスが戦いた瞬間プルーマの隙間から光が漏れ出すと響を包んでいたプルーマが全て両断される。

 

「化け物め・・・。」

「私が、ガンダムだ・・・。」

 

右手にGNソードのような形に変形したデュランダルが装着されているが、いつものような緑ではなく赤い粒子を響は放っている。

 

「その鎧!持ち帰らせて貰う!!」

「んな力を見せびらかすな!!」

 

迫るノイズとプルーマを全て両断した響が鞭を刃のように構えたクリスと衝突する。

 

「これで機体性能は互角!!否!!ガングニールがある分私の方が上回る!」

「騒がしぃんだよ!!」

 

鞭が切り裂かれアスファルトの上に紫の水晶が転がる。

 

「再生しない!?赤いのか!」

「大人しくしてて、こう見えて結構ギリギリだから!!」

 

斬撃を躱したクリスは落ちた水晶を拾いあげると海へと飛び込む。

 

「次だ!次こそはてめぇを連れてくぞ!!」

「逃げた。いや、逃げてくれた・・・。」

 

口の端から血を流しながらギアを解除し元の姿に戻ったデュランダルを杖のようにしながら了子の元へと向かう。

 

「了子さん、無事ですか?」

「私は無事よ響ちゃんのおかげでね。ローンまだ15年あったんだけどね。」

「きっと経費で落ちますよ。」

「だと良いんでけど。それよりも今は絶唱を使った響ちゃんよ。ひとまず病院で検査ね。」

「了解です。」

 

デュランダルの移送作戦自体は失敗に終り偶然とは言え覚醒したデュランダルは引き続き二課にて管理されることになった。




リボンズ・アルマーク!貴様はヅダではない!!

ツィマット風情が!!

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